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【今季昇格に向けた傾向と対策】データで振り返る ジェフ千葉2016シーズン ~90分+ATの時系列分析編~

 ジェフユナイテッド市原・千葉 J2 2016シーズン 終了

  • 順 位:11位

  • 勝ち点:53|戦績:13勝・14引き分け・15敗

  • 得失点:52得点・53失点

 

 いよいよ明後日1月15日、おらがジェフ千葉の新体制発表をもって2017シーズンが本格始動します。

 

2017キックオフフェスタ!の詳細について | 新着情報 | ジェフユナイテッド市原・千葉 公式ウェブサイト

 

 選手出場実績編含め過去3編で振り返ってまいりましたジェフ千葉の2016シーズン。「昨季のジェフ千葉」のデータによる振り返りは、本エントリで締めたく思います。

 最後お届けするのは、90分+アディショナルタイム(AT)のドキュメント。。

 選手たちがボールを巡り激しく戦いゴールを目指して走り抜いたあの90分余りの記録。または私たちサポーターが見つめ続けた90分余りのドラマ。

 

 それら1試合1試合を、「90分間+AT」× 全42節として、15分区切りの時間帯別にサマって、時系列で追って何か分かれば、、ということで分析・可視化してみました。

 キックオフから試合終了のホイッスルまでの間、それぞれの時間帯、前後半のこの時間帯でジェフ千葉はどんなフットボールを紡いできたのか、、

 そして、今季声を枯らしてチャントを歌い、選手を鼓舞してきたサポーターとして、あともう少しの後押しを、この時間、この状況でこそ、今一度熱い気持ちを選手に届けなければ...そんなことを考えるきっかけとなる分析・可視化となれれば、これ幸いです。

 

 元データはご覧の提供でお送りします↓

J. League Data Site

 

 まず、上記Jリーグのデータサイトから、J2リーグの2016シーズン「状況別戦績」を引っこ抜いてきました。上ふたつの「先取点を取った場合」と「前半終了時リードの場合」のみなので、下ふたつは手なりで作成してみました。

 

  【表1 J2リーグ2016シーズン 状況別戦績ランキング

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 表は各状況別での勝率降順にソートしています。上位ほど各試合の状況毎で勝率が高いチームがきていますが、チームによって各シチュエーションになった試合数が異なるため、厳密にはフェアな勝率、というわけではないのですが、実際ジェフの試合を観ているとき、その得点経過や試合の流れと結果との関連、傾向を見たく作ってみました。(スコアレスドローはいずれの状況にも含まれないので対象外)

 過去2015シーズンの振り返りでも上記同様の集計をしていますので、比較してみても良いかと(ちょっとだけ変化がある...?)

 

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 黄色に色塗りしたところがジェフ千葉の各戦績ですが、ご覧になってみていかがでしょうか?

 順に見ていくとまずは上ふたつ。先制点を取った場合と前半をリードして折り返した場合の戦績。ジェフからしたら優位に試合を運べたシチュエーションということですが、戦績・勝率は、、

 

  • 先制点を取った場合   : 18試合|11勝・5分・2敗|勝率 61.1%

  • 前半終了時リードの場合 : 9試合  |6勝・2分・1敗  |勝率 66.7%

 

 先制点を取った、前半終了時リードと、シチュエーション的に被る試合もあるため、MECEではない(つまり被りがある)ので、ややこしいのですが、だいたいこのような戦績になっています。

 6割勝てていれば悪くないと思うか、これは評価が難しいですが比較として昇格を果たしたチームと較べてみると、この差は歴然とあることを突きつけています。

 先制点を取った場合のTOP3、札幌、清水、松本ですが、勝率もさることながら(いずれも8割超え)、そもそも試合数が26、27試合とシーズン過半の試合がそうした展開だったことを物語っています。

 さらに前半リード時でもTOP3は同じで、清水にいたっては勝率100%。つまり全勝しているんですね。後半に追いつかれて引き分けに終わった試合すらひとつもなかった。。

 これだけでも昇格組とジェフとの間には大きな差が横たわっています。

 さらに「先制点を取られた場合」と「前半終了時ビハインドの場合」も見てみると、

 

  • 先制点を取られた場合    : 21試合|2勝・6分・13敗|勝率 9.5%

  • 前半終了時ビハインドの場合 : 14試合|1勝・4分・10敗|勝率 7.1%

 ここも昇格組との差が現れていて、ジェフはシーズン半分の試合で先制点を許していたんですね。。これが昇格組と比べると、札幌なんかは僅か9試合のみ。勝率も2割超え。3位だった松本も11試合のうち3勝、つまり逆転勝ちが3試合あった。

 前半終了時ビハインド、リードを許した展開の場合も、ジェフが後半逆転して勝利したのは1試合のみ(確かアウェイ金沢戦)。対して清水は僅か4試合で逆転勝ちが1試合(2位讃岐の18試合で4勝、勝率2割超えも特筆もの)。

 

 上記、試合状況をもう少し砕いて見てみたのが下記時間帯別・時系列によるスタッツの可視化です。

 

表2 ジェフ千葉2016シーズン 時間帯別得失点・シュート数・ポゼッション率分布

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 シーズンサマリになりますが、90分を15分区切りにし、各時間帯での得失点とその構成比、シュート数・被シュート数・ボールポゼッションの平均値です。

 そして、上記表2のグラフが下記図1。 

 

 

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図1 ジェフ千葉2016シーズン 時間帯別得失点・シュート数・ポゼッション率傾向

 

 左から右に見ると時系列に変化を追えるような可視化になっています。上側にシュート数(棒グラフ・実数)と得点構成比(線グラフ・パーセント)を、下側に被シュートと失点(同上)を、上下両方にベターっと引かれている帯グラフがジェフのボールポゼッション率の推移で、これは上下ともに同じものです。 

 ポゼ率は平均して5割を超えていましたが、見ていただくと時間経過とともに落ちていることが分かります。選手たちの体力的問題からオープンな展開になりがちなためにこうした傾向になるのかもしれません。

 シュート数は各時間帯毎、平均して約2本は撃てていますが、後半残り15分+AT(アディショナルタイムは75-90minの部分に含めています)、ざっと最後20分弱の時間帯で跳ね上がっていることが分かります。

 今季、徳島との開幕戦がまさにそうでしたが、今季のジェフはアディショナルタイムになんとかゴールをねじ込む試合が多かった。。ドラマ性、エンタメとしては面白いかもしれませんが、シーズンを通じての戦い方、その安定という意味では褒められるものではないかな、と。

 それ故、得点構成比は、「前半<後半」気味でして、対して失点構成比は、「前半>後半」な感じ。先の状況別戦績ともリンクしますが、先制点を前半のうちに上げて優位に試合を進める、さらに追いつかれることなく、または追いつかれても突き放すような強者・勝者らしい試合の終わらせ方がなかなか思うようにできなかった。

 また、前回、前々回の勝敗要因、事例試合の分析でもあった、勝った試合、負けた試合別の時系列変化・試合展開の参考として、ボールポゼッションの推移を勝敗別に分けて可視化してみたのが下記図2。

  

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図2 ジェフ千葉 2016シーズン 戦績別 ポゼッション率の時系列変化

 

 ちょっと細かくて見づらいのですが、、一本一本の線が1試合を表しており、線が上振れているとポゼ率が高く、下ぶれていると低くなっていることを示します。左から右に向けて15分区切りで時間経過している見方になります。

 カセットが3つに分かれており、上から引き分け試合、負け試合、勝ち試合という風に分かれています。

 全体サマリでは時間経過とともにポゼ率は下がっていったかと思うのですが、特に負け試合では終盤にかけてポゼ率が上昇傾向にあります。表1の状況別戦績の先制点を許した場合、前半終了時ビハインドの場合と併せて見てみると、今季のジェフを象徴しているのかなぁ、と思えたり。

 すなわち、前半、もしくは後半はじめに先制点を許し、ゴールを狙ってジェフはボールを保持して攻撃を繰り出します。時間経過とともにそれは顕著になるのですが、一方の相手チームは前回までの分析の考察の通りならば、後方に引いて守備を堅め、奪ってから素早いカウンターでジェフのゴールを脅かしてくる。

 ゴールが欲しいジェフは前掛かりになり尚もボール保持を高めて相手を殴り続けますが、時にアディショナルタイムでゴールを奪えることがあっても、毎試合そのような劇的展開が訪れるわけもなく、結局は不安定な戦いに終始し勝ち点を取りこぼしてしまう。。

 

 書き綴っていて悲しくなりますが、事実試合の時間経過とともにそうした展開が多かった印象をお持ちの方も少なくないのではないかと思います。こうした悪癖を今季は改め、今季取り損ねたような勝ち点を拾って上位を伺うような戦い方を今季はしてほしい。。否、そうなれるように後押ししましょう。そして、それができるのは...

 

 そう、ファン・サポーターだけなのです。

 

 こっからが、2016シーズンの振り返りの締めで言いたかったこと。。

 

 本エントリは、90分+ATを時間経過と先制した、されたのシチュエーションと絡めて見てみました。我々サポーターがジェフの勝利のためにアクションを起こすきっかけを、データから見いだせないか、昨季のデータを集め、分析をしながら、私はそう考えました。

 

 ジェフが先制点を奪われた、前半リードを許して折り返した...

 その時、フクアリのスタンドにいる我々サポーターは、一体何をすべきか。

 ジェフの選手がゴールした瞬間、歓声が響き渡るスタジアムに身を置くと分かるのですが、フクダ電子アリーナは本当に「劇場」と化します。

 でもそれはジェフが優位に試合を進めている時だけでいいのか。チームが苦しい時こそスタジアムを震わせ、選手の心を、その勝利への執念を我々サポーターの声でもって一層燃やすことができないか。。だから、私は皆さんに訴えかけたい。。

 失点した瞬間、静まり返るフクアリは昨季までにしませんか?

 ジェフにとって難しい展開になった時、失点した瞬間から我々サポーターがギアを上げて選手を後押ししてみる。

 来年の今頃、今季を終えデータを振り返ってみて本エントリの結果と違ったものになっていた時、少なからずサポーターの後押し、我々の思いが選手を動かしたと言えないか、、

 そうなるには、我々サポーターも苦しみを糧に応援してみること。

   

 悔しすぎる敗戦で終わった昨季ホーム最終戦後の挨拶。

 「選手たちは戦えるようになりました」とは、長谷部コーチの言葉。

 今度は我々サポーターが本当の意味で戦えるようになる番だ。。

 そう胸を張って言えるシーズンにしたいです。

 

 今季もよろしくお願いします。

 ホーム開幕戦、フクアリのゴール裏で会いましょう。

 

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<お知らせ>

【共有】サポーター同士のリレーションシップづくりの取り組み

 

【最大規模!】『2017シーズン ジェフサポ決起集会!』~週末のジェフを最高にする!!~ : Standing ovation~zu-ka-ki-ブログ~

 

 上記ブログの中の人・ジェフサポのひとり、zu-ka-ki-さん企画でジェフサポの決起集会が行われます。 

 フクアリ外でサポーター同士、繋がりができればジェフ千葉を取り巻く環境が何か変わるかもしれない。。苦しいときこそ声を出そう!という私の思いも、誰かと共有できるかしら、、そんな思いでもって、私も参加させていただきます!

 面白そう...ジェフトークしたい、、ジェフの戦術論、それこそサッカーの分析論など意見を交わしたい、、なんて思いを秘めている方、そしてご都合つく方は足を運んでみてはいかがでしょう。。

(以下開催概要抜粋)

 

【日時】
2/19(日)13:15~


【会場】
サッポロビール 千葉工場 千葉ビール園
http://www.sapporobeer.jp/brewery/chiba/shisetsu/


【アクセス】
津田沼/京成津田沼/新習志野より無料送迎バスあり

 

※決起会の詳細はzu-kz-ki-さんのブログを御覧ください。

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 では、また!

 WIN BY ALL!!

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