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【Jリーグ移籍動向まとめ】2018シーズン J1補強診断 ~2018/2/1時点~

www.jleague.jp

 

 推しのチーム、ジェフユナイテッド千葉のマスコット、ユニティがマスコット総選挙の中間結果でまさかのトップ10入り(暫定9位)したがために、書きかけていた本エントリをすっぽかしていました。。

 

 さて、この時期はJ各クラブ、2018年シーズンの新体制発表を終え、もっぱらキャンプの真っ最中かと思います。

 前回1月中旬に中間報告をしましたJ1クラブの移籍動向ですが、ほぼ1月いっぱいをもって終息したのかなと思いまして、J1についてここいらでまとめておきたと思います。

 データ出典、集計定義等は前回のエントリをご参照ください。

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 まずは、各クラブ入団/退団の数字サマリから。

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【図1】J1リーグ クラブ毎加入/退団人数まとめ(2/1時点)

 

 17年シーズンのリーグ戦最終順で左から右にソートしています。

 位上側が入団、下側が退団の人数。

 青色グラフのクラブは、入団-退団でマイナス、グレーはプラスマイナス0、ピンクはプラス。

 18クラブのうち、14クラブでマイナス、つまり入団<退団という状況です。

 既にキャンプ等始動しているクラブがほとんどであるため、開幕に向けた準備段階の進捗を見つつ最後の詰めの補強があるかどうか...くらいでしょうか。

 

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【図2】J1リーグ クラブ毎退団人数 移籍先カテゴリ内訳(2/1時点)

 

 14クラブで入団より超過している退団選手らの移籍先内訳が図2。

 移籍先「未定」の項を新たに設けました。

 集計は2/1(木)の17時時点ですが、中間報告から大きくは変化はないかなと。

 前エントリを書いた1/12(金)以降での主な退団報道としては、以下。

 

news.livedoor.com

www.sponichi.co.jp

 

 平山選手の引退には驚きました。

 ラファエルシルバ選手はまだ正式に移籍決定の公式リリースはありませんが、ほぼ確実ということで今回の集計には含めています。

 

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【図3】J1リーグ クラブ毎加入人数 旧所属元カテゴリ内訳(2/1時点)

 

 同じく加入内訳を図3に。

 同様に1/12(金)から2/1(木)までの主な移籍加入報道は以下に。

 

www.goal.com

www.s-pulse.co.jp

www.jleague.jp

 

 と、まあここまでは中間報告をトレースした再集計になります。

 以下に少しデータを加えまして、考察をしていきたいなと思います。

 

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【図4】J1リーグ クラブ毎 退団選手の平均年齢・平均出場時間

 

 図4は各クラブの退団選手について、平均年齢と平均出場時間(リーグ戦通算)を帯グラフ/折れ線グラフで描画。

 退団選手は契約ベースではなく、所属ベースでカウントしています。あくまで昨シーズン中、クラブに帯同していた選手が対象。昨季中レンタル移籍等で所有クラブを離れていて、今オフに契約満了で退団した等の選手は含まれていません。

 参考までに下側にそれら退団選手を棒グラフで併記しています。

 図4での平均年齢はあくまで参考。

 図4でのメインは平均出場時間になります。

 青いグラフが上側に触れているほど、昨季多くの時間をピッチで戦った選手が退団してしまったことを指します。

 つまり、青帯グラフが上側に振れているクラブほど、昨季のチームから主力が入れ替わる可能性が高いということ。

  その意味で言うと、退団選手の平均出場時間が1,600分を超えている鳥栖が、言わば主軸となる選手を放出してしまったことになります。

 ただ、鳥栖は実質的にFW豊田とDF青木の2名の流出に留まっています(他は昨季期限付き移籍中の選手の満了退団が大半)。

 図4で見たところ、主力が入れ替わるであろうクラブ筆頭は横浜Fマリノスでしょう。

 生え抜きの10番MF齋藤学(to川崎)、MFマルティノス(to浦和)の両翼、CBパク・ジョンス(to柏)、若手FW富樫(to FC東京)がチームを離れました。

 マリノスは今季からエリク・モンバエルツ監督に代わり、前豪州代表監督ポステコグルー監督が指揮を執るタイミングでもあるので、新しいチームに生まれ変わる契機と捉えることもできます。

 柏レイソルも今オフに準主軸の選手が数名チームを離れています。

 FW武富は浦和へ、FW大津は横浜Fマリノスへ、DF輪湖が福岡へそれぞれ完全移籍。FWディエゴ・オリヴェイラFC東京へ、MF小林が湘南へそれぞれ期限付き移籍。小林と同ポジションのMF秋野も同じく湘南へのレンタル期間を延長しています。

 前ガンバ大阪監督、長谷川健太氏を新監督に迎えたFC東京も昨季から毛色が変わりそうです。

 川崎から移籍加入した大久保嘉人がたった1年で川崎に出戻り。エース格の活躍をしたピーター・ウタカも退団。前年は得点力に苦しんだシーズンでしたが、チーム1位・2位のスコアラーが揃って退団するということで、今季の得点源をどう構築するのかが長谷川監督の手腕に掛かってくるのではないかなと。

 昇格組では、戦力の流出が最小限に留まっている長崎に対して、名古屋グランパスは主軸選手が入れ替わりそうです。

 チームの心臓ともいる活躍を果たしてきたMF田口が磐田に完全移籍。高さと巧さを重ね合わせていたFWシモビッチはJ2降格となった大宮へ「個人残留」。

 MF杉森、DF酒井は揃って町田へ期限付き移籍。MFフェリペ・ガルシアはブラジルのゴイアス期限付き移籍することが30日に発表されました。外国籍枠が空いたということで、別の外国籍選手を補強するのかどうか、気になるところです。

 昨季リーグ上位3クラブは、主力の流出はほぼ無いに等しいかと。セレッソに至っては同カテゴリへの移籍流出すら無い状況。鹿島は昨季出場機会の無かった選手2名のJ2への期限付き移籍のみ(FW赤崎は昨季途中からG大阪期限付き移籍していた)。

 川崎はMF三好、MF板倉と次期主力と目されるタレントをそれぞれ札幌と仙台へ期限付き移籍させましたが、それら以外は余剰戦力の整理に留まっている印象。

 トップ3が戦力を維持、補強で上積みしてきていることから、今季も川崎、鹿島、セレッソ大阪はタイトル争いに絡んでくる公算が高いのではないでしょうか。

 

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【図5】J1リーグ クラブ毎 加入選手/退団選手平均年齢

 

 図5に各クラブ加入選手と退団選手の平均年齢をプロットしました。

 クラブは昨季順位ソートで左から右に。折れ線は青が加入選手、オレンジが退団選手の平均年齢です。加入選手については、新卒選手は除き即戦力と目される選手のみの平均年齢としました。

 ここでは出入りした選手の平均年齢しか出力していないため、今の各クラブの年齢構成には言及していないのですが、うっすらながら編成のベクトルは推し量れるのではないかと。

 図4と併せて見て興味深いクラブが、コンサドーレ札幌

 今季、前浦和監督の"ミシャ"ことペトロビッチ監督を招聘し、改革元年となる札幌。

 図4では、札幌の退団選手の出場時間は平均300分ほど、平均年齢は31歳を記しており、図5で加入選手の平均年齢を見ると25歳となっており、要するに「余剰なベテラン選手」を整理したことが伺えます。

 図4で見たように、主力流出を最小限に留めたトップ3はというと、退団選手より加入選手の年齢が少し高くなっています。これは、経験豊富な実力者を加えて層を厚くしてきたということではないかなと。

 若手をレンタルで他クラブに貸し出す一方、大久保や齋藤らを加えた川崎。長らく欧州でシーズンを過ごしていた内田が復帰した鹿島。韓国代表FWヤン・ドンヒョン、フィンランドリーグで戦ってきた田中亜土夢を補強したセレッソ大阪

 いずれも堅実な補強と言えそうです。

 プレーオフに勝利して出場権を獲得した柏レイソルを含めたこのトップ3は、ACLの戦いも見据えなければならないわけで、若手を使いながら育てるというよりも即戦力の実力者を加えていずれのタイトルも狙いに行くということなのかもしれません。

 

 今季のJリーグも17シーズンのトップ3を中心にタイトル争いが展開されるのか。また、新たな指揮官を迎えて転換を図るFC東京ガンバ大阪横浜FCマリノスといったクラブやJ1初挑戦となるV・ファーレン長崎など、見どころが目白押し。

 DAZN中継も2年目を迎えますが、時間の許す限りJ1クラブのゲームも映像を観てフォローしていきたいと思っています。

 

 では、また!

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