【ジェフ千葉】「自動昇格までは何マイル?」~J1に着けるまで、いつまでにどれくらいの勝ち点が必要か計算してみた~
【公式】ハイライト:ジェフユナイテッド千葉vsFC岐阜 明治安田生命J2リーグ 第3節 2018/3/11
第3節|ジェフユナイテッド千葉 |0勝1分2敗|勝ち点1|20位
選手もサポーターも「予想していなかった」3戦未勝利。
昇格を期すシーズンの幕開けにも関わらず、完全にスタートダッシュに失敗しました。
岐阜戦に逆転負けしたことで、主にSNS上でサポーター界隈も一気に騒然となってきました。
ストレス耐性の低いおらがジェフサポーターのことですから、一時の感情に任せて過激な言動が飛び交ってしまうのは仕方ないとして、今一度冷静に昇格への道のりを整理したく、急遽データをかき集めてみたので、ご覧いただければと思います。
今季に関しては、分析のアイデア、切り口のネタ切れもあって(しんどいねん...)、毎節のゲームプレビュー/レビューはせず、5節毎くらいで定点観測するつもりでしたが、サポーター界隈が荒れ狂って、ブレにブレまくっているのにちょと耐えかねたので、データをもとに客観的視点を提供できれば、と。
データはご覧の提供でお送りします。
集めたのは、J2リーグが現行の全42節開催になった12年移行に昇格したクラブの戦績推移です。
そこから節毎の平均勝ち点の推移を可視化し、自動昇格/またはPOによる昇格に値する水準を見いだせればと思った次第です。
さっそく見ていきましょう。
【表1】 12年~17年 昇格クラブ&ジェフ千葉 シーズン戦績推移一覧
12年から昨季までの6シーズンにおける自動昇格クラブ、およびPO昇格クラブの全42節の戦績を一覧化しました。
黄色いセルが勝利、白色がドロー、グレーが負けた節にになります。また、各年自動昇格チームが昇格を決めた節を赤枠でマークしました。
右端には戦績、得失点などをまとめています。ここをご覧いただくだけでも特に自動昇格クラブがどのくらいの勝敗、および勝ち点で昇格を決めたかがおおよそ分かります。まとめると以下に。
<自動昇格の主な条件>
- 勝ち点84
- 勝利数24勝
- シーズン10敗以下
上記3点をすべて厳密にクリアしなければ、昇格できないわけではありません。 そのシーズンのリーグ戦の「性質」にも多少は左右されるはずだからです。混戦なのか、独走なのかによっても昇格への道のりは変わってくるはずです。
とはいえ、特に自動昇格を目指すならば1位ないし2位に入らなければならないわけで、自ずと必要となる勝ち点、勝利数、許される敗戦数はある程度の範囲には入ってくるはず。
さまざまな見方ができますが、今回は「平均勝ち点」に着目して可視化を試みました。
【図1】2012シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
平均勝ち点は、各節終了時点での獲得勝ち点をその節数で割った値としました。
言い換えるならば、1節あたり何ポイント獲得できるかを表す数値です。
図1は12年シーズンの昇格3クラブとジェフ千葉の平均勝ち点の推移です。
データラベルは5節毎に記載。右端の42節の平均勝ち点は、即ちシーズン通じての平均勝ち点になります。
この年の優勝は、ヴァンフォーレ甲府、2位が湘南ベルマーレでした。
湘南は勝ち点75で2位に滑り込んでの昇格。
3位のサンガが勝ち点74、5位の千葉も同72と湘南とは1勝=3ポイント差という接戦でした。
こんな感じで、以下に13年から17年の同平均勝ち点を一気にのっけてみます。
【図2】2013シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
【図3】2014シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
【図4】2015シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
【図5】2016シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
【図6】2017シーズン 昇格クラブ&ジェフ千葉 節毎の平均勝ち点推移
ざざっと並べてみましたが、ひとつずつ順に考察をしていきます。
一通り見ていただくと、お気づきになられる点もあろうかと思いますが、まず私が注目したのは各年優勝チームの平均勝ち点。
それは、シーズン終了時点で、1節あたり平均勝ち点2という数値を残しているということ。
私はこの「平均勝ち点2」を、今季昇格を目指す上でのひとつの指標/バロメーターとして見ていました。ただ、この3節の戦績で、5節で勝ち点10というマイルストーン到達は、既に未達になることが確定してしまった訳ですが...
シーズン勝ち点80点台を目指すならば、5節で勝ち点10積み上げるペースでいけば良いので、今月残り4節で3勝すれば良い(うちホームで3試合
— Nobuhiro Kankura (@kan_nov) 2018年3月4日
<自動昇格達成の公式Ⅰ>
全42節 ✕ Ave.2pt = 84pt
小学生でも分かる数式ですが、前述の自動昇格条件の勝ち点と合致します(当たり前ですね)。
平均勝利数24勝から獲得できる勝ち点は72となるので、自ずと引き分けによって得る勝ち点も決まってきて、許される引き分けは少なくとも8試合ということになります。
残るは10節となるので、やはり許される負けは10節ということに...
ただ、ここまでの数字遊びは誰でも思いつくかな、と。
本可視化では、第1節から第42節までを時系列に描いたことで、第◯節までに平均勝ち点△以上なら~という星勘定の逆引きができるかと。
5節毎にデータラベルを記したのも実はその為でして、過去昇格クラブの同数値の変遷を追ってみますと閾値が見い出せます。
5節毎のうちどこで切るかですが、序盤の5節は可視化をご覧いただくとお分かりのように、まだまだ平均勝ち点のブレ幅が大きい。
つまり、たかだか5節終わった程度では、まだまだその先どうなるかは分からないということ。
なので、3節終わった程度で「今季もおしまいやー」とか、「監督やめろー」とか騒ぐのは早すぎるのです。。
それでも今回は厳し目に見まして、10節で切ってみたいと思います。
可視化を見通して貰うと分かりますが、過去自動昇格チームの傾向から見いだせる基準は、第10節終了時点で少なくとも平均勝ち点1.6以上。
これがまずシーズン序盤における自動昇格への第1のハードルと言えると思います。
<自動昇格達成の公式Ⅱ>
第10節 ✕ Ave.1.6pt = 16pt
カンタンな式です。
んで、この最低16ポイントをつくるための戦績ですが、もっとも悪くて3勝7分0敗でも達成となります。2勝では無敗でも届きませんね。
ただし、既に3節を消化していて、ジェフはまだ勝利なく1分け2敗の勝ち点1。
残り7節で15ポイント積み上げるために必要な勝利数はというと...
第4節~第10節|4勝3分0敗 or 5勝0分2敗 = 15pt
と、いうわけで、こうなります。
10節までに、まだ2つ負けが許されると読むか、もう負けは許されないと読むか...
今一度申し上げると、この10節時点の勝ち点16というのは、昨季V・ファーレン長崎の残した最低ラインです。
平均勝ち点2で進捗しなければならないと考えれば、-4ptのビハインドを第11節移行の試合で取り戻さなければならない訳です。
ちょっと厳しい星勘定になりますが、昇格を現実的に考えるということは、こういうことです。
こうした厳しい戦いをくぐり抜けなければ、J1昇格など遠い夢。
ただし、開幕から3節までだけの結果を見て、「今季もう終了」などと言うのは早すぎる。
昨季最終盤の爆発を間近で見たサポーターならば、悲願の昇格を成し遂げる可能性は少なくないと信じているはず。私もその1人です。
この3節までの結果を受けてチーム状態を様々「批判」するのはもっともな事。論理的に意見を交わすことは、ジェフの戦いを、Jリーグを、そしてフットボールを楽しむ上でとても有益と思います。
ただ、一部見受けられたような一時の感情にアテられた「誹謗中傷」は止めて欲しい。
特にSNSにそのような言葉が踊るということは、他のサポーターは勿論、選手やクラブ関係者も目にする可能性がある訳なので、サポーターの行動からは逸脱、むしろ逆行する行為と私は考えます。
私もいくつか心無い一部サポーターの声に心を痛めたので、急場しのぎながらデータを見渡してみたのです。
厳しい戦いなのは、開幕戦前から分っていた事。
苦しんでいるチームに、そしてジェフというクラブに寄り添えるのは、我々サポーターだけなのです。
「どんな時でも俺たちがついている」
おらがジェフユナイテッドが誇る素晴らしいチャントの歌詞そのままに、ジェフと共に戦おうじゃありませんか。
では、今シーズンもお付き合いください。