サッカーをデータで視てみよう

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ジェフ千葉 アウェイ札幌戦プレビュー ~Revolutionは起きるのか?データで徹底検証・中編~

  明治安田生命J2リーグ 第15節

コンサドーレ札幌 - ジェフユナイテッド市原・千葉 

エル・ゴラッソ [1750号](全国版表紙)次のステージへ(関西版表紙)このままじゃ終われない(裏表紙)札幌の独走か 千葉の逆襲か

 

 上記にリンクを貼りましたが、本日発売のエル・ゴラッソ裏表紙のタイトル通り、この第15節アウェイの札幌戦は、J2中盤以降を占う重要な1戦となりそうです。

次なるおらがジェフ千葉の相手である札幌は現在勝ち点32、唯一の30ポイント台で2位町田と4差。しかも未消化試合を1試合残しており、戦績は現在6連勝中。昨季、首位で昇格を果たした大宮とだぶる快進撃を飛ばそうかという状況。

翻ってジェフは勝ち点23の単独8位。自動昇格を狙うという目標を掲げている以上、これ以上2位圏内から離されるわけにはいかない状況。直近5試合負けなし、依然ホームでは無敗継続中もアウェイでは1勝2分け4敗で持ち帰ったポイントは7試合でわずか5ポイント。相変わらずの内弁慶ぶりから脱却できていない。

本エントリは、前回に引き続きジェフ千葉のいまをデータからえぐり、次節札幌戦、果ては今後のJ2での展望を踏まえお伝えしようかと。前エントリで挙げた得点/失点のうち、得点にフォーカスして分析を試みました。

 

データは引き続きご覧の提供でお送りします↓

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※データはすべて、第13節終了時点

 

 得点にフォーカスしての分析・可視化軸は、得点への「プロセス」について。比較対象として、現在リーグ首位、次節対戦相手の札幌を選びました。

まずゴールまでの「プロセス」ですが、得られるデータをもとにそのプロセスをゴールから逆算してマッピングすると以下のようなカタチになるかと。

 ゴール < 枠内シュート < シュート < 30mライン進入回数 < 攻撃回数

 ゴールを陥れるには、当然枠にシュートを飛ばさなければならず、シュートすべてが枠に行かないまでも取りあえずはジュートを打たなければ始まらない。シュートを打つには射程圏内までボールを運ぶ必要があり、その射程の閾値が30m(ロングシュート、ミドルシュートは割愛)。シュートの射程圏30mゾーンにボールを運ぶのは容易ではないですが、それでもボールを保持し攻撃(アタッキング)を繰り返す必要がある。

と、半ば強引にゴールまでのプロセスを定義しまして、それぞれのデータを当てはめて可視化したものが下記の図です。

 

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図1 ゴールまでの各アタッキング指標 1試合あたり平均値比較

 

データは1試合あたりの平均値になります。札幌は1試合少ないため、千葉に比べてサンプルが1試合少ないです。単純な実測値の比較では、ゴール数以外の数値は千葉が上回ている。

ただそのようなデータの眺め方ではミスリードするため、「歩留り率」という指標に直して可視化したものが図の2です。

 

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図2 ゴールまでの各アタッキング指標 1試合あたり平均歩留り率比較

 

「歩留り率」とは、各プロセスのひとつ前のプロセスを100として、どの程度成功したか、つまり次のプロセスに移行した割合、効率のような考え方です。

この歩留り率に直した図2を札幌と千葉とで比較すると、グラフ内に書き入れた矢印が示す通りに違いが見えてきます。

アタッキング・プロセスのフェイズ1、「攻撃→30mライン進入」の歩留り率では札幌を上回る千葉ですが、次フェイズ「30ライン進入→シュート」となると札幌がやや上回り、続く「シュート→枠内シュート」、「枠内シュート→ゴール」とフェイズが進むにつれて千葉はどんどん効率が下がっているのに対して、札幌は効率が維持されている。

千葉の一番の課題は、「枠内シュート→ゴール」における歩留まり率、いわば決定率となるわけですが、最後の最後での詰めの甘さがデータでも浮き彫りになった格好です。

札幌好調の要因は失点の少なさ、守備の安定なのかなと思いつつも、枠内シュート成功率→決定率におけるプロセスの効率でも8位の千葉とは違いがあるということが分かりました。

 

このアタッキング・プロセスのさらに準備段階、ポゼッションの観点からパス成功率についても言及してみたいと思います。同Football Labさんから、ゾーン別の総パス数・成功パス数をトレースし相手陣内でどれだけパスを繋いだか、つまり相手の守備網を破ろうとしたのかを見られればと。先ほどのプロセスの起点、「攻撃回数」をパスというプレーに限定し、かつゾーン毎に分解して見てみようというものです。

ゾーンの考え方は、ピッチを6分割し、相手ゴールに近い方から1~6とナンバリングしました。攻撃方向に向かうにつれ、ナンバリングがカウントダウンされていくイメージです。一般的なアタッキングサードはゾーン1、2に該当します。

各ゾーンでの平均総パス数/成功パス数を表したのが図3。

同様に6つのゾーン毎にパス成功率(成功パス数/総パス数 × 100)を算出し、グラフ化したのが図4です。

f:id:knovocelic:20160603174339p:plain図3 1試合あたりゾーン別平均総パス数/成功パス数比較

 

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図4 1試合あたりゾーン別平均パス成功率

 

 1試合あたりの平均総パス数は、札幌が440に対して、千葉は532。100弱の開きがあります。図3を比較していただいても、ゾーン毎パスの分布の山は千葉の方が大きい。

図4の成功率の分布で見ると、札幌とは異なりアタッキングサード・1/2の1stゾーンを除いてすべてのゾーンで6割以上のパス成功率を示している。自陣での成功率も札幌よりも高く、相手のプレスをパスで掻い潜ることができているのかなと推察できます。

札幌の場合は、自陣でのビルドアップ、ポゼッション確立よりも、前線の内村、都倉ら攻撃陣に預けるべくプレス回避を選んでいるのかもしれません。ここはリスクの捉え方、ボールポゼッションに対する考え方の違いかと。

1試合あたりの平均ポゼッション率は、札幌が49.5%、千葉が54.6%(いずれも第13節終了時点)。

アタッキングサードでのパス成功率に札幌とさほど差がない分、やはり自陣6th~4thゾーンでのパス数/パス成功率が影響しているのかなと。そこでポゼッションを確立させ、相手陣内での攻撃移行に繋げることができている。札幌より多くパスを繋げている、ポゼッション率も高い、すなわち攻撃回数を繰り出す時間とチャンスはより多く握れるのではと推察できます。

 

しかし、ボールを握ったからといって、攻撃機会が多く作れるから勝てるほど単純でないのがサッカー。

最大の問題は、やはり最後の仕留める部分。

枠内シュートを決めるべき時にゴールにすることができるか。

ここの指標の改善が叶えば、おのずとゴール数も増えてくるのかもしれません。

同時に失点を防ぐ、もっと言うと先制点を与えないという部分も突き詰める必要があるかと。その部分についてのデータは、また次エントリ以降に考察できればと考えています。

まずは、アウェイ札幌戦。おらがジェフ千葉にはいい試合で勝ち点を持ち帰って欲しいところ。

 

では、また!!

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