【ちょっと早いけど…】 データで振り返る ジェフ千葉 2016シーズン ~選手編~
明治安田生命J2リーグ 第38節
ジェフユナイテッド市原・千葉 0 - 0 V・ファーレン長崎
【ハイライト】ジェフユナイテッド千葉×V・ファーレン長崎「2016 J2リーグ 第38節」
今シーズン4節を残して、来季J2 生活8年目が決まってしまいました。
またしても昇格の道が絶たれてしまった。。
昨季、J2最低の9位で終え、今季はさらに下を行く12位(最終順位ではないが)。
J2生活初の4連敗を経ての38節ホーム長崎戦。
前半良いリズムで主導権を握るも相手の堅守の前にゴールを仕留めきれず、スコアレスドロー。「武器」が無いな、と思わされる近年のジェフを象徴する姿をまたも繰り返している印象です。
大幅な選手入れ替えでスタートした今季。プレシーズンを負けなしで終え、開幕戦はアディショナルタイムでの逆転勝利という劇的な幕開けでしたが、やはりというべきかシーズンを通して組織として、チームとしては機能不全同様のパフォーマンスが目につき、4節を残して昇格の望みは絶たれてしまいました。
ジェフ千葉というクラブ全体の舵取りをするフロント、社長・GM以下会社として、今後ジェフはどういうクラブを目指すべきなのか、しっかりとコンセプト、ランドスケープを描いて発信するべきと思いますし、その基礎作りをゼロからリビルドしなければならない時期なのだと思います(既に何年も前から言われていますが。。)。
とはいえ、外から意見を言うことは自由ではありますが、やはり実際にアクションするかしないか、コントロールするのは「中」の人々。ジェフが中から変わらなければならないとどこまで本気で思って次なる準備をしているか、正直なところ「外」にいる我々はただ信じるしかありません。
では、「外」の我々はただジェフの内なる変化を待つだけなのか。
奇しくも今年2016年はジェフ千葉創立25周年。次なる25年で上昇カーヴを描けるクラブになるためにも、ジェフに関わるあらゆる立場の人々が根本からクラブの未来を考えるタイミングなのかもしれません。
翻って私は何を思い、何ができるのか。。
まずできるのは「データ」しかないな、ということ。
データならJリーグオフィシャル、データスタジアム社、その他各メディア、ブロガーさんなど、このご時世ですから新聞、雑誌、インターネット。。探そうと思えばどこにでも転がっている。そう、転がってははいるけれどあちこちに散らばっていて、何かを考えようと思うと何かと手間だったり億劫だったり。。
そこであまたあるデータの中から「ジェフ千葉」にまつわるものをこのブログで集約、可視化・分析、考察していこうと思います。キュレーションと言えば聞こえはいいですが、ただ私自身の自己満足、それが何かのきっかけになればと思いひっそりと始めてみようと思います。
今シーズン、いくつかのエントリでテスト的にやってはみたものの、それでも不十分だということは認識できていましたので、来シーズンからは地味ながら緻密にジェフのデータを貯めていこうではないか。。そう思いました。
本エントリはそのプレ版、予告とします。
例えば、「選手」の軸で、今季の出場記録データを可視化すると、今はこんな感じです。
【図1 ジェフ千葉 メンバー毎出場記録 2016シーズン 第38節終了時点】
縦軸は選手、出場時間数降順に並んでいます。横軸、上側に出場試合数/棒グラフ、下側に出場時間/折れ線グラフをとっています。
棒グラフの青がスタメン出場、赤が途中出場。
ここまで全試合に出ているのは、船山ただひとり。前節、岡本が初のスタメン出場をしたので、時間数では佐藤優也ですが、試合数では船山が上回る。元データは下記表1のような形で第1節から蓄積しています。来季はもう少し見やすく、かつ数値化をするべく行列の設計を考えます ^^;
出場/起用の仕方で顕著なのが、北爪、アドと眞紀人の途中出場の多さ。切り札的な駒としての役割となっていて、特にアドは今季3ゴールいずれも途中出場から決めたもの。
また、岡野、そして乾も今季ピッチに立ったことで、フィールドプレイヤーでは全選手が出場したことに(期限付き移籍中の浦田、仲村除く、GKの藤嶋、大野のみ出場なし)。
【表1 ジェフ千葉 メンバー毎出場記録 2016シーズン第26節~38節】
また出場数を節数で割った数値を「稼働率」とし、年齢とクロスさせることで、どういった分布になるかを表したのが下記図2の散布図。
【図2 ジェフ千葉 選手年齢 × シーズン稼働率(出場ベース)】
さらに先発出場に限って同様にプロットしたのが図3です。
【図3 ジェフ千葉 選手年齢 × シーズン稼働率(先発ベース)】
今季ジェフ千葉登録選手の平均年齢は27.3歳。
J2生活過去6シーズンはどうだったのか、その推移も後のエントリで見ていこうかと思います。
稼働率に目を移すと、やはりというべきか主軸となる選手が上側に集まります。近藤、阿部、佐藤優也、船山、エウトン、長澤、井出らは8割以上の稼働。次点でイ・ジュヨン、町田、アランダら。
先発ベースの図3と比較すると、図1と同様顕著なのがオナイウ阿道と北爪、吉田の布置の変化。図3では下側に位置している3名が図2では上側に移動しているのがわかるかと。
また、先発ベースで特徴的なのが、年齢に比して稼働率が高くなっている相関関係が透けて見えること。直近2節は岡野、乾らルーキー、または2年目の選手が出場していますが、シーズンを通じてはやはり経験のある選手が先発で出ていたのだなと。
「昇格」を声高に掲げ続けたからこそ、結果を残しつつ若手を使いながら育てることの難しさがあるのかもしれませんが、ここの是非も過去6シーズンと比較したいポイント。
稼働と年齢によるプロットを見た背景としては、補強が実績重視である程度Jでの出場経験と年齢と一定水準以上の選手に寄っていないかということ。きっちり過去6シーズン通じて見なければ何とも言えませんが、降格後かつての在籍選手が出戻ってきたりと、ある程度年齢的にピークか過ぎた選手が加入してきた印象があります。
手堅さを期待してそのような編成にしていながら、今季に限らずジェフ千葉の脆さ、弱さの典型例に攻守における詰めの甘さが目立つこと。思惑とは別の結果、内容となっているのであれば、そこは見積もりを誤っていたとするべきなのかなと思います。
実績ではなく能力、または伸びしろで見て若く才能のある選手を安く仕入れるのも方向性としてはアリだと思いますし、新卒選手、または当然ながらユースからの昇格選手を試合で使っていくということも含めて、フラットに見て編成、強化、起用してくべきなのかなと。
個人的に長崎戦を見てベストパフォーマンスではないかと思えたのが勇人と岡野でした。年齢にして一回り以上も違いますが、両者ともジェフ千葉ユース出身。
勝ち負けがつかず、4連敗中とあってもどかしい思いがある反面、ユース出身のベテランとルーキーがピッチに並び立ってベストといえるプレーを見せたことは、少なからず見る人の胸に何かを灯したはず。
昇格叶わず、来季も2部での戦いとなります。しかし、今季まだ4節あります。クラブの未来、昇格のその先を見据える4節としたいと思います。
その残り4節を加えて、2016シーズンのデータ・アーカイヴィングをして再度シーズン振り返りとしてジェフ千葉のデータから何が見えるのかを次回以降のエントリで考察していきたいと思います。
データで見てわかることなんてもう分かってるよ!となることは、私の経験からもよくあることと認識していますが、データから原因を探るというアプローチを取るのであれば新たに思考するベースとなるのもまたデータ。データがすべてではないですし、パーツのひとつでしかないけれども、継続していこうと思います。
基礎が無い、全体像見えない、未来が描けない、と言うことはできるけれども、まず着手するのは部分、パーツから。それらパーツが組み上がって全体ができている、全体が出来上がって初めて未来を描けるのではないのかなと。
その未来を描く手と踏み出す足と、データがそのどちらを担うかはまったく分かりませんが、当ブログはジェフ千葉の「外」から見た、データというパーツの一助となれれば。
ともにJ1へ這い上がりましょう。25年後にジェフが再び栄光あることを信じて。
では、また!