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サッカーをデータで視てみよう

サッカーに関するあらゆるデータを可視化してみるブログ

【ジェフ千葉】徳島ヴォルティス戦プレビュー ~みんな待ってるアランダが不在の「スポーツ的理由」をデータで考察~

2017 明治安田生命J2リーグ 第8節
横浜FC 4 - 0 ジェフユナイテッド市原・千葉

得点者:53' イバ / 55'、69' 野村直輝/61' ジョン・チュングン


【公式】ハイライト:横浜FCvsジェフユナイテッド千葉 明治安田生命J2リーグ 第9節 2017/4/22

 

 今季ワーストといっていいゲームでした(まだ9節だけど)。

 前半、横浜FCにほぼ何もさせることなく押し込めた一方、決定機もさほど作れずスコアレスで折り返すことになり、嫌な予感はしていたのですが...

 後半から相手がシステムを変えたことと、スカウティングなのかハイラインの裏を気にするためにラインブレイクしてこない最終ラインと、攻撃時に前残りがちなアンドリューとのスペースを使われてのカウンターからイバに先制を許します。

 その後、わずか2分後にロングスロー崩れの展開から野村にゴラッソを沈められ、あっという間に2失点。

 ここから、ジェフの選手が一様におかしくなってしまい、攻撃の迫力が無くなり、守備でもまったくインテンシティの無いプレーの連続。

 結果、相手にやりたいようにやられての4失点。

 効果的な修正を加えられなかったエスナイデル監督の引き出しの無さを批判するツイートも散見されましたが、それよりもむしろ失点後に下を向いて気落ちしてしまっているような選手らの態度に違和感を覚えました。

 戦術や準備の不足も勿論あるのでしょうが、そこは決定的な敗因ではないように思えます。過去7シーズンに渡って顔を覗かせてきた「メンタリティの脆さ」が8年目にしても未だ拭えていない。

 しかも選手が入れ替わっても尚、そうした悪癖が抜けていないという事に憤りとやるせなさを募らせた上で、ピーキーな戦術を導入したからこそ悪目立ちしがちなエスナイデル監督に不満を向けている...試合後にサポーターらの批判が噴出した流れは、そんな構図があるように私には見えました。

 

  大敗はしましたが、次の試合はやってきます。

 アウェイ連戦のあとはホーム・フクアリに戻っての徳島ヴォルティス戦です。

 批判や不満、負のストレスは、勝利でしか振り払われることはありません。

 

 本エントリでは、ジェフと同じスペイン流サッカーで改革元年のシーズンを戦うヴォルティスとの比較を、とも思ったのですが、あまりにハイライン&ハイプレスのジェフ千葉が振り切れすぎていて、分析しても皆さんご存知の通りの内容にしかならないんですね...

 なので、もうひとつサポーターの間で囁かれている話題、「アランダは何故ベンチ外が続いているのか?」について、エスナイデル監督が語った「スポーツ的理由」とは何なのか、そのあたりをデータから考察してみようと思います。

 

 データはご覧の提供でお送りします。

www.football-lab.jp

 

 昨季も攻守の主軸として活躍し、開幕からも3-1-4-2システムのアンカーとして、攻守の継ぎ目として活躍していたアランダ。

 湘南戦を最後に出場はなく、京都戦以降ベンチに入ることもなくなっており、同ポジションには熊谷アンドリューがスタメン出場を続けています。

 

 現在、3勝3分3敗で全くのイーブンではありますが、直近4試合で勝ち点は5しか積めておらず、決して良い流れにはないジェフ。

 そもそもアランダとは特徴を異にするアンドリューのパフォーマンスについて、単純に良い悪いを比較して判断はできないですが、本エントリではアランダがアンカーを務めた序盤の5試合と、アンドリューに代わった直近4試合とをそれぞれデータで比較していきます。

 勿論、対戦相手も異なりますし、アランダ以外に入れ替わった選手がいることもエクスキューズとして述べた上で下記に可視化を載せさせてもらいます。

 

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【図1】第9節までのパス数・パス成功率・ボール支配率の推移 

 

 上述の通り、第9節までを消化し、アランダが5試合、アンドリューが4試合を、両者それぞれアンカーとして出場しました。同じ試合数でもないですし、そもそもまだ9節しかデータが無いのですが...

 グラフを眺めてみると、図1の3指標は軒並み右肩上がりで推移しています。

 序盤は名古屋、松本、湘南と地力で上回る相手との対戦が続いたりもしましたので、直近の対戦相手との試合の方がボールの支配はジェフに傾くという事も言えるかもしれない。

 

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 【図2】時間帯別ポゼッション率・シュート数/被シュート数の時系列推移

 

 図2はアランダ、アンドリューがそれぞれ出場した試合のスタッツ平均を重ねています。帯グラフの青色がアランダ、グレーがアンドリュー出場のボール支配率の推移。

 実線がシュート数、点線が被シュート数で、それぞれ凡例の通りアランダ、アンドリューそれぞれの出場試合平均になります。

 図1のゲームスタッツでは、ボール支配率、パスのパフォーマンス共に、アランダよりアンドリューが出場した試合の方が高い数値を記録。

 図2でもほぼ同じような傾向が見て取れます。

 シュート数こそアンドリュー出場試合での早い時間帯は鳴りを潜めているようですが、時間経過に比して右肩上がりにシュート数は増えている。対してアランダ出場試合では、時間経過とともに右肩下がりの傾向に。

 一方、被シュート数はいずれも時間経過とともに増える印象で、ハイプレスの強度低下とともに相手のボール前進、シュート到達を許してしまっているということなのかと。

 

 ここまでの可視化では、パス等ボールプレーはアンドリュー出場試合の方が高いパフォーマンスを記録している事が分かります。

 しかし、守備、とりわけ被シュート数という指標をウォッチする限りは、アランダ、アンドリューいずれが出場した試合も時間経過に比して増加する傾向は変わらず

 これは、アンカーひとりのパフォーマンスどうこうではなく、チーム全体の戦い方、体力等フィジカルコンディションか、攻勢をかける相手との力量差なのか、さまざま要因が考えられると思います。

 ただ、手に入るデータではこの時間帯経過毎の見方では守備、被攻撃時のパフォーマンスを考察することはできず。。

 

  ひとまず、アンドリュー出場時に「パスのパフォーマンスが良い」らしいことが分かったので、そのあたりを深掘ってみようということで次の可視化を。

 

 

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【図3】距離別パス数構成比/成功率 アランダ、アンドリュー出場試合平均値比較

 

 パスの距離別本数をもとに構成比を可視化。外側のドーナツが本数、内側が成功数になっています。

 パス距離別本数の構成比は概ね変わらず。ただ、成功率に目を向けると、アンドリュー出場試合での方が、ロングパスは約10%、ミドルパスでは5%以上成功率が高いという結果に。

 

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【図4】方向別パス数/成功数 アランダ、アンドリュー出場試合平均値比較 

  

 続いて、パスの方向別本数、成功数の可視化。

 こちらも一見して分かるのが、アンドリュー出場試合の方がそもそもの総本数が多いということ。それにともなって、主に左右方向にパス数が増えている、それによって可視化も横幅が広がったような形になっています。

 エスナイデル監督はサイドからの攻撃をチームに浸透させているかと思いますが、アランダが出場した序盤の5戦よりも、アンドリューが出場した直近4試合の方がその傾向は顕著に特徴として表れていそうです。

 

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 【図5】ゾーン別パス本数/成功数 アランダ、アンドリュー出場支配平均値比較

 

  最後にゾーン別でのパス・スタッツ可視化を。

 1stゾーンが自陣後方で、6thゾーンが敵陣のゴールライン側ゾーンを指します。

 比べてみると、僅かではありますがパスを多く回しているゾーンの重心が、アンドリュー出場試合での方がやや敵陣方向のゾーンに置かれているようにも見えます。

 勿論相手の守備のセオリーにも影響するとは思うのですが、ハイラインを敷く最終ラインが前進する、即ち相手陣内にジェフの選手全員が入ることで相手のボール前進の手段を人数をかけて優位に規制することができる。

 それによって、ハイプレスを連続してかけてボール奪取を狙い、セカンドボールワークで上回れることができれば、相手陣内でのボール保持を長く続けられるという循環が生まれます。

 

 とはいえ、いくらボールを保持しようとも、直近の数試合で明らかになったのは、そういった主導権を握る時間が多いとは言え、肝心のゴールを奪うことができなければ試合には勝てないという当たり前の課題が突きつけられた事。

 ボール保持のセオリーとしてのハイライン&ハイプレスはここまで十分機能していると言えそうですが、ハイラインによるリスクは相変わらずで、一方の相手守備を攻略してゴールを陥れるロジックに未だ有効な道筋が見出だせていません。 

 ロマン溢れるピーキーな戦術故にリスクも大いにありますが、自らアクションして優位に試合を支配するためのアプローチとしては着実に積み上げてきたと言えると思います。

 しかし、肝心要、積年の課題である決定力と、決定機を創出するロジックにまだ未熟さが目立つ、というのがジェフ千葉の現状と言えそうです。

 

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【図6】ゲームスタッツのリーグ平均値差比較(ジェフ千葉徳島ヴォルティス) 

 

 参考までにと思い、徳島の特徴を簡単に可視化しました。ジェフ千葉との比較で、攻撃時アクション、守備時アクション、リスタート・セットプレーの3トピックで個々のスタッツのリーグ平均との差をプロットしてみました。

 ほんと、今季のジェフ千葉は特殊でして、この手のリーグ平均との比較や対戦相手との比較では、極端に差が開いてしまうので、やっていてあまり意外な結果が出ないよなぁ、と。

 一応ヴォルティスについて述べますと、パス数はジェフに次いでリーグ3位。インターセプト数がリーグトップでして、ドリブルもリーグ2位。ドリブルに関しては、両WBが運動量豊富にサイドからの突破を狙うスタイルがそのままデータにも現れたのではないかと思われます。 

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 【図7】徳島ヴォルティス戦 予想スターティング・フォーメーション

 

 たぶんジェフは引き続き4バックかなと思いながらも、所々メンバー構成と4−3−3の並びではぴったりハマってないような印象がありまして...上記はほぼ私の願望を反映したメンバーになります。

 徳島も様々なシステムを使い分けるということで、3バックなのか4バックなのかは明日発表を待たないと分からないでしょう。

 

 本エントリでの分析では、概ねアランダよりアンドリューの方が良い、というような論調に思えてしまったかもしれませんが、ボールを圧倒的に支配しながらここまでの試合は、いずれも苦戦を強いられているというのが現状。

 であるならば、もう一度開幕戦や名古屋戦のときのような姿に立ち返ってみてはいかがかなぁと。

 アンドリューがいるときほどスムーズなパスワークは見せられずとも、中盤でタイトに守れるアランダを置くことで守備時のボール奪取率、セカンドボールワークでの優位性を取り戻し、トランジションからのハーフカウンターに攻撃の糸口を見出せないか...

 セットして守る相手を崩すのは容易ではありません。ある程度相手にボールを握られることを許容し、局面の守備で奪い返す事を計算に織り込んで、相手が攻め崩れたところを一気に突いて得点を狙う形を出してもいいのではないか。

 

 そうした許容、言い換えれば相手をリスペクトすること、これは監督の志向性、哲学みたいな領域の問題かもしれませんし、「美学」であるかもしれない。それを譲ることが、エスナイデル監督にできるのかどうか。

 起用法、戦術、戦い方の基本原則というものは、全て監督がマネジメントしていくもの。そうした中でアンドリューがアンカーとして最適であるという判断が成されれば、誰も覆すことはできません。

 サポーターの思いは「アランダ、戻ってきて!」というものに染められてはいますが(一部、監督との確執説を唱える人がおるため)、「スポーツ的理由」を推察するに、サッカーという競技、その中でもエスナイデル監督が描く理想の形に対して、アランダよりアンドリューを起用した方が、それに叶う、そこに近づけると判断した、という事ではないかと。

 恐らくではありますが、私の解釈ではフットボールという競技として、監督の専権事項として、アランダを外したことはエスナイデル監督の中では至極正当な判断なのだろうと思いますし、思うことにしています。

 

 とはいえ、なかなかうまくいっていない中で前節、アランダ云々とは要因は違えど、チームの自信やこれまでの積み上げが崩れ去るような大敗をした後ですから、人や並びを入れ替えたり弄ったりするには恰好なタイミングではあります。

 それによって監督が「ブレた」という人もいるでしょうが、ハイライン&ハイプレスが揺るがなければ、それは誰がスタメンで出ようとも決してブレたことにはならないでしょう。

 

 個人的には、あくまでハイライン&ハイプレスを志向しつつ、試合展開やこれから来る夏の暑さ対策として、「プランB」を準備して実際にゲームで披露することもアリだと思います。

 臨機応変に、頑なではなく柔軟に戦い方ややり方を変えることができる方が、即興性の高いサッカーという「スポーツ的に」真っ当な心がけに思えます。

 

 同じスペイン系監督で片や有能、片やイマイチなどという評価が聞こえてきたりはしますが、今更そんな事を嘆いても何も変わらないと思います。

 今、目の前にあるジェフの戦いをサポートするしかない。

 

 信じること、その面で我々サポーターも「ブレない」ことが、自分たちに対して求められている事かなと思います。

 

 明日は雷や夕立があるかもしれないという天気予報が聞こえてきたりしていますが、どうにか雨が降らないことを祈りつつ、フクダ電子アリーナにて現地観戦、応援をしたく思います。

 では、また!

 

 WIN BY ALL!!

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