【J1&J2リーグ開幕戦プレビュー】クラブ毎に過去10シーズンの開幕節の戦績を調べてみた件
2月23日(金)20時、J1リーグ サガン鳥栖対ヴィッセル神戸のナイトゲームから、2018シーズンのJリーグが開幕します。
リーグ25周年にして、初の金曜日夜の開幕戦開催(まさにプレミアムフラry)。
ワールドカップが行われる2018年、果たしてどのクラブがJ1、J2の頂点に立つでしょうか...
今回は、J1&J2全40クラブについて、過去10シーズンの開幕節の戦績を調べまして、それらを見比べてみようと思います。
開幕に強いクラブ、弱いクラブ...
あの年の優勝クラブ、降格クラブの開幕節は?
ホーム開幕が多い?あるいは、アウェイ?
そんな視点でゆるっと眺めていただければ、と。。
データはご覧の提供でお送りいたします。
ひとまず、ざざっとデータを引っ張ってみましたので、下記をそれぞれご覧ください。
【表1】2018 J1リーグ クラブ毎過去10シーズンの開幕節戦績一覧(08年~17年)
※赤字クラブは、J加盟以降10シーズン未満
北から南、東から西へ各クラブを上から並べまして、過去10シーズンの戦績をまとめてみました。
J加盟後、まだ10シーズンも経っていないクラブは赤字で表記しています。
今季、初のJ1に挑むV・ファーレン長崎は、まだ5シーズンしかJリーグを戦っていません。
まずは、J1から見ていきます。
過去10シーズンの間に昇降格があったクラブもそのカテゴリでの戦績を反映しています(湘南や札幌など)。
開幕節で勝率が高いクラブを見ていくと勝率60%を超えてきているのが、川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、ヴィッセル神戸。過去10シーズンのうち、それぞれ6勝をあげています。過去10節の戦績を勝ち点計算すると、勝ち点21で川崎フロンターレがトップ。
川崎は、前年王者として臨む新シーズンになりますが、先に開幕しているACL予選リーグではまさかの出だしでの2連敗。プレシーズンのゼロックス杯も含めると、3連敗中とややエンジンが掛かりきっていない様子。
フロンターレは初めて追われる立場になるわけですが、今季は果たしてどのようなスタートを切ることになるのか...
磐田はというと、過去10シーズンでの開幕節勝利は2つだけ(11年甲府戦・15年北九州戦)。
昨季最終節で鹿島と引き分けて、川崎の初優勝をお膳立てした格好のジュビロ磐田ですが、この開幕節はそんな川崎の出鼻を挫くアウトサイダーを演じることになるのかどうか...
新外国人監督の下で再出発を図るガンバ大阪と清水エスパルスも、過去10シーズンの開幕節はそれぞれ2勝しかできていません。
チームの成熟には時間も要するはずなので、なんとか今後の弾みとなるオープニングを飾れるでしょうか。
勝ち負けのほか、開幕節がホーム開催か、アウェイ開催だったかも集計。これが極端なチームがいくつか見受けられます。
その最たる例が浦和レッズでして、過去10シーズン一度もホーム開催で開幕節を戦っていません。これは、理由なき日程くんの仕打ちなのでしょうか...?(今季もアウェイでFC東京戦)
【表2】2018 J2リーグ クラブ毎過去10シーズンの開幕節戦績一覧(08年~17年)
※赤字クラブは、J加盟以降10シーズン未満
J2もJ1と同様になります。
赤字表記のクラブは、J加盟後10シーズン未満のクラブ。
戦績から見ていくと、過去10シーズン開幕節でもっとも好調なのが、愛媛FCでして過去1度しか負けがない開幕節に滅法強いクラブ。
特に平均失点0.4点はJ1・J2通じてもっとも少ない数字。2年目の指揮となる間瀬監督は、この開幕節での強さを追い風にできるでしょうか。
浦和とは異なり、ホームタウンの気象要件で開幕節は毎年アウェイにあてがわれているのが、モンテディオ山形、アルビレックス新潟、松本山雅FCの3クラブ。
開幕から暫くはアウェイ戦が続くという、ややビハインドとも思える宿命を背負っての序盤戦になります。その中で勝率40%と、過去10シーズンなかなかの健闘を見せ続けているのが、久しぶりに2部での戦いとなるアルビレックス新潟。今季は、カマタマーレ讃岐とのアウェイ戦からスタートします。
3シーズンぶりにJ2の舞台に戻ってきた栃木SCも、過去9シーズンでの開幕節の戦績はあまり芳しくはありません。2シーズン前にJ3の舞台で鎬を削り合った大分トリニータを迎えての開幕となります。
【図1】J1開幕カード 過去10シーズンの開幕節勝率の比較
表1にある勝率を各クラブ引っ張ってきまして、開幕カードの対戦クラブ同士で比較・可視化してみました。
勝率パラメータが低いクラブのサポーターに言わせれば、「過去は過去だ!!明日は絶対勝つ!!!」という気持ちでしょうが、穏やかな気持ちでご覧いただければと思います。。
個人的注目カードは、湘南と長崎による昇格組の一戦。
特に初のJ1を戦う長崎にとっては、昨季も対戦済みである湘南との一戦ということで変に気負うことなく、平常心で臨める相手ではないかなと。
一方の湘南ベルマーレも過去の昇格年は毎シーズン主力選手を他クラブに引き抜かれ、J1ではもっぱら残留争いを送るシーズンだったかと思います。しかし、湘南スタイルを築いたチョウ・キジェ監督のもと、昨季優勝を飾ったJ2での戦いではアグレッシヴな姿勢をそのままに老練さも見せるチームとして確かな成長の跡を残したシーズンに思えましたし、J1に舞台を移してからこそ、より一層”ベルマーレ・スタイル”が真価を発揮する気がしています。
高木・チョウ、両指揮官も長くチームを指揮している者同士、やり方は十分自分のチームに浸透させているでしょうし、相手の特徴も知り尽くしているはず。
オフの補強や、キャンプを通じてJ1仕様へアップデートした自チームを互いに披露する場にもなるでしょうし、J2ウォッチャーとしては見ておきたいカードですねー。
【図2】J2開幕カード 過去10シーズンの開幕節勝率の比較
J2での注目カードは、やはり昨季昇格POで敗れた者同士の対戦となる東京ヴェルディとおらが街のクラブ、ジェフユナイテッド千葉との一戦。
それこそJ開幕の25年前から応援しているジェフには、今年こそ本当に昇格して欲しい……
何せそんな一大チャンスが降格後に初めて巡ってきたシーズンと言えるからです。
我らが熱き指揮官・エスナイデル監督の続投、主力の残留、モダンで超攻撃的な「ハイプレス&ハイライン」戦術というこれまで手に出来なかったクラブとしての「土台」を受けて臨むことが出来る2018シーズン。
最終盤に7連勝でリーグを終え、エスナイデル改革がひとつの実を結んだことを証明できた昨季を受けて、今季は昇格という果実を収穫しに向かう1年に。
対する東京ヴェルディもロティーナ監督の手腕によって昨季大きく飛躍したシーズンを送り、確かな自信を手にしていると思います。加えて、今季は積極的な補強で戦力も着実に上積みしてきている印象。
共にJ黎明期にはトップカテゴリにいた者同士、昇格を期すシーズンのオープニングで手合わせできる喜びを胸に、サポーターとして試合を楽しみたいと思っています。
いきなりのビッグマッチになるのが、降格組同士の対戦となる大宮アルディージャとヴァンフォーレ甲府との一戦。
共に昇格候補の一角でもありますし、昨季はJ1を舞台に戦ってきた者同士の対戦ということで、J2屈指のクオリティが期待できるかと。
【表3】優勝/降格/昇格 クラブの過去10シーズン開幕節戦績まとめ
おまけとして、表3に過去10シーズンの優勝クラブ、降格クラブ、そしてJ2からJ1へ昇格したクラブの各年開幕節での勝敗を集計してみました。
各シーズン優勝したクラブの開幕節は勝ったのか、負けたのか...
J1優勝クラブでは、7勝3敗という戦績に。直近3シーズンの優勝クラブ、川崎、鹿島、広島の開幕節を振り返るといずれも初戦は勝利していますね。
一方、降格クラブの勝敗はというと、合算にはなりますが4勝8分17敗という結果。勝率はわずか13%で大きく負け越しております。
降格候補に挙げられてしまっているクラブは是が非でも勝っておきたい...それだけ、開幕戦というものは重いのやもしれません。
さて、J1昇格クラブの戦績はというと、POでの昇格を含めた合算では14勝2分8敗というもの。確率で言えば、J1優勝よりは低い勝率ということに。ただ、開幕節が負け試合でその年昇格したケースはおよそ3割と、J1優勝のソレとほぼおなじ程度の確率。
自動昇格に絞るとより確率は低くなるので、J2優勝、または2位での自動昇格を目指すクラブは、やはり何としても開幕戦を勝利で飾りたいところでしょう。
選手の移籍、キャンプ、プレシーズンと週末にサッカーの試合が無かった季節が終わりを迎え、待望のリーグ戦が始まろうとしています。
今年は寒さが際立って厳しい年でしたが、寒さも徐々に和らいでくることでしょう(早く春来い!!
まだスタジアム観戦にはキツい寒さが続くかと思いますが、今シーズンも各々が応援するクラブを観に行ける幸せを噛みしめて、最高の週末を過ごしましょう!
2018シーズン、Jリーグ、キックオフ!!
では、また!!
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2月21日(水)、俳優でJ2徳島ヴォルティスのサポーターとしても有名だった大杉漣さんが亡くなられました。
徳島ヴォルティスでは、開幕戦にて記帳所を設置、キックオフに先立っての黙祷、また選手、クラブ関係者の喪章着用が決まったというリリースがされました。
徳島サポーターだけでなく、対戦相手のサポーターの中にもスタジアムで大杉さんを見かけられた方は多くいるのではないでしょうか。
映画やテレビで見ない日が無いくらいにご活躍されていたかと思いますが、週末には我々一般人と変わらずにスタジアムに足を運ばれる、サッカーファミリーの一員でもあった大杉さんとの別れ。
サッカーを楽しむ大杉さんの姿勢から、最高の週末をスタジアムで過ごすことの楽しさ、幸せな時間の大切さを改めて学ばされた気がします。
今シーズンは、そうした思いを忘れずにスタジアムに赴いて存分に週末を楽しみたいと思います。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。