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【Jリーグ移籍動向まとめ】2018シーズン J2補強診断 ~途中経過(1/11時点)~

www.jleague.jp

 

 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

 元旦の天皇杯決勝に始まり、成人の日の全国高校サッカー選手権決勝と、国内サッカーを賑わす年始のイベントを経まして、ようやくJリーグの移籍動向が佳境を迎えつつあるのかなと思います。

 今オフは、2017シーズンの所謂「DAZN マネー」を原資としたリーグ優勝賞金、及び上位入賞チームへの理念強化配分金が大幅に増額されて迎える初めてのオフということでしたが、予想よりもおとなしいオフになっているかと思います。

 そう思う理由のひとつに、データを整備する中で気が付いた点としては、J1クラブの動きがやや鈍いことが上げられるかと。

 上記DAZNマネー原資の賞金や分配金が、このオフにすぐ選手獲得の資金に注がれるとは考えにくいこともありますし、J1の4クラブはリーグ戦後も年末から元旦まで天皇杯戦っていて実質的なシーズン終了が年明けに伸びたことなど、契約更新・退団・加入決定までのリリース時期が後ろに倒れたことが上げられるかと。

 反面、12月初旬に既にカテゴリが確定していたJ2クラブは、比較的活発な移籍動向となっています。

 よって、新年一発目のエントリは、J2の移籍動向の進捗をまとめてみたいと思います。昨季のまとめより簡易に仕上げましたが、見やすさ、分かりやすさは向上してるかな、と思います(どうかな...)

 

football-data-visualization.hatenablog.com

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 データはご覧の提供でお送りします。

www.jsgoal.jp

 

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【図1】J2リーグ クラブ毎加入/退団人数まとめ(1/11時点)

 

 本エントリ執筆時点(1/11 午後5時台)にリリースされた情報をもとに、クラブ毎に加入/退団が発表された選手の人数をカウント、上側に加入、下側に退団として棒グラフに描いて、まとめました。

 左から、「加入-退団」の差がマイナスのクラブから順にソートし、青色がマイナスのクラブ、グレーが±ゼロ、ピンクがプラスという見方です。

 1/11時点では、当然補強が完了していないクラブがほとんだと思うので、足し引きでマイナスのクラブが過半になっています。

 加入(IN)の定義ですが新卒加入、完全移籍加入は勿論、期限付き移籍加入、期限付き移籍期間満了復帰も含めています。

 退団(OUT)の定義は、移籍による退団、契約満了退団は勿論、他クラブへの期限付き移籍も含んでいます。また、引退も含みます。

 2018シーズン、当該チームの編成に含むか含まないかで考えていただければ(レンタル等の契約上の所有ベースではなく、所属ベース)。

 図1は単純な出入りの人数だけなので、ここから分かる事は足し引き算による選手人数の増減だけ。

 昨季主力選手の退団、または他チーム主力選手の加入等は、個別に考察していかなければ分かりません。

 ひとまず、図1のデータから言えることは、何人クラブを去って、何人新たに加わったかの人数だけです。

 

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【図2】J2リーグ クラブ毎退団人数 移籍先カテゴリ内訳(1/11時点)

 

 今度は上から昨季順位ソートで並べて、各クラブ退団選手の移籍先カテゴリ等内訳を横棒グラフで可視化しました。

 便宜上、降格した3クラブはJ1での最終順位のまま上位3位までスライドさせ、昇格した栃木は22番目としました。

 ここでも期限付き移籍絡みの退団の定義を注記したいと思います。

 所属元へ復帰した場合は、そのまま当該クラブのカテゴリへカウントしていますが、下記①と②のパターンは、最終的な所属クラブのカテゴリとしてカウントしています(ここでも所有ベースというより、所属ベース)。

 ①期限付き期間満了→所属元でも契約満了→別クラブへ完全移籍

 ②期限付き期間満了→別クラブへ再度期限付き移籍

 

 「JFL・その他」のカテゴリには、文字通りJ3より下位のリーグ所属のチームへの移籍と1/11時点で未確定の選手を含んでいます。

 今後のエントリでここは分けるつもりですが、ひとまず一緒にカウントしています。 

 

 まず注目なのは、降格した3クラブのJ1への移籍退団が昨季までのJ2クラブより多いということ。これは、所謂「引き抜き」と言っていいでしょう。

 具体的には、大宮アルディージャは江坂&瀬川両アタッカーが柏へ、MFアーリアジャスールが名古屋へ、DF和田が広島へ移籍。

 アルビレックス新潟はMFの山崎と小泉が柏へ、FWの鈴木武蔵(昨季は松本へレンタル)が長崎へ、DF大野が湘南へ移籍。

 ヴァンフォーレ甲府は畑尾、新里両DFが名古屋と磐田へ移籍。MF兵働が古巣清水に、MF黒木が長崎へと移籍しました。

 降格クラブにとっては定めとも言うべき退団のケースかな、と。。

 

 昨季J2上位クラブも、J1クラブによる引き抜き、所謂「個人昇格」がいくつか。

 東京ヴェルディはダブル・アンザイ(安西・安在)が鹿島、鳥栖へそれぞれ完全移籍。徳島もチーム得点王の渡とDF馬渡が共に広島へ移籍。

 プレーオフ決勝で惜しくも昇格を逃した昨季4位福岡もエースのウェリントンが神戸へ移籍。さらに生え抜きのDF冨安がベルギーリーグ、シントトロイデンへ移籍するなど、昨季主軸選手の流出が。

 中位ながらJ1への選手引き抜きがあったのがモンテディオ山形

 背番号10のFW鈴木は川崎へ、昨オフ京都から移籍加入したDF菅沼は1年でG大阪へそれぞれ移籍。その他にもJ2他クラブへの流出が目立つなど、山形の移籍動向が少し気になります。

 

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【図3】J2リーグ クラブ毎加入人数 旧所属元カテゴリ内訳(1/11時点)

 

 こちらも昨季順位ソートで加入選手の旧所属元カテゴリをクラブ毎に可視化。

 期限付き移籍絡みの加入は退団の場合と同様の定義です(所属ベース)。

 その他のカテゴリについて追記しますと、「新外国人」は文字通り外国人選手枠、もしくはアジア選手枠に該当する選手で、初めてJリーグでプレーする選手を指します。

 例年、韓国人大卒選手がJリーグでプロデビューするケースが多く見られますが、彼らは新卒選手ではあるものの扱いとしては「新外国人」に含んでいます。

 また、「海外」は日本国籍選手の海外所属先からの移籍加入が該当します。J2の場合、岐阜に新加入の原田選手(Bonner SC(ドイツ))を除き、他クラブはすべてアルビレックス新潟シンガポールからの加入選手になります。

 今回、例外として甲府に加入するバホス選手が再契約という形なので(新規にJでプレーする訳ではないので)、「海外」というカテゴリでカウントしています(次回エントリで直すかも)。

 「新卒」は、高卒、大卒、ユース選手のトップチーム昇格の合算。

 「その他」には、J3より下位のカテゴリのリーグに所属するチームからの加入、または無所属選手の新規契約、他クラブのユースチーム所属ながら契約したケースなど、他のカテゴリに含まない扱いの選手はすべて含んでいます。

 

 J2は、J1選手を期限付き移籍という形で迎え入れるケースが多いことから、図3の「J1」カテゴリにはそうしたレンタル加入の選手が多分に含まれています。

 福岡は清水からMF枝村を、東京Vは湘南から奈良輪を、千葉は広島からMF茶島を、徳島はG大阪からFW呉屋をそれぞれレンタルで補強。

 昨季期限付きで加入していて、今季から完全移籍という形で改めて加入したケースもいくつか見られます。

 東京VはMF内田をG大阪から完全移籍にて獲得。千葉はMF熊谷、MF矢田を横浜Fマリノス、名古屋からそれぞれ完全移籍で獲得。徳島はMF梶川を湘南から完全移籍で獲得。それぞれ昨季の主力級戦力の流出を防いだ形になろうかと思います。

 そんな中でもJ1クラブから完全移籍で補強を果たしたクラブもいくつか。

 名古屋からFWシモビッチを獲得した大宮、川崎からFW森本を獲得した福岡、以前所属していた前田直輝横浜Fマリノスから完全移籍で獲得した松本山雅などです。

 新外国人の獲得で早い動きを見せていたのが、京都と山形。

 京都は期限付き移籍の放出や返却も含めて18名が退団、山形も同様に16名が退団していますが、それら戦力の穴埋めを図るためか今季は新外国人を組み込もうという動きなのでしょうか。

 他クラブも含めて何かと話題となる「新外国人」加入のリリースは気になるところです。

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図4J2リーグ クラブ間移籍 FROM⇒TO マトリクス

 

 最後に実験的ながら、J2リーグ間での移籍をマトリクスにまとめ、このチームからあのチームへ何人移ったのか?をまとめて可視化してみました。

 縦軸に加入(IN)人数の多い順にソートし、横軸に見てどのクラブから獲得したのかの人数をプロット。右端と下端にそれぞれクラブ毎のJ2リーグ内における移籍加入/退団の人数を記しています。

 一番上の東京ヴェルディを例に取ると、リーグ最大8名の選手を他J2クラブから獲得しています。横軸にFROM/所属元チームを見ると、千葉の列の「3」という数字が最大。千葉からは、DF若狭と比嘉を完全移籍で獲得、FW菅嶋が期限付き移籍から復帰となっています。

 他にも水戸からFW林、山形からMF佐藤優平、讃岐から北朝鮮代表でもあるDFリ・ヨンジ、大分からGK上福元といずれもJ2他クラブの主力級を獲得。

 反対にもっともJ2他クラブへ選手を供給(放出)しているクラブはというと、なんとおらがジェフユナイテッド

 期限付き移籍組の山本(横浜FC)、岡本(愛媛)の両GKを含めて総勢10名が他J2クラブへ移りました。ただ、そのうちの3名は期限付き移籍から完全移籍へ移行した選手(小池(愛媛)、阿部(甲府)、パウリーニョ(松本))。

 昨季実質的に所属していた選手で移籍となったのは、ヴェルディの3名に加えてDF北爪(横浜FC)とDF多々良(熊本)の総勢5名。それでも例年のオフに比べて、同カテゴリへ選手を放出したシーズンと言えます。

 

 そんなジェフユナイテッド千葉は、全Jクラブに先駆けて7日に新体制発表を行いました(実質始動は6日)。

 その他のクラブも今月中旬から下旬にかけて新体制発表、チームの始動となろうかと思いますので、まだまだ補強のリリースは続くかと思います。

 

 J1の移籍動向の途中経過を挟みつつ、今月下旬頃にまたJ2の移籍動向まとめをお送りできればよいかな、と。

 

 では、また!

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