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【ジェフ千葉】松本山雅FC戦プレビュー ~データから浮かび上がる「3つの数字」で反町山雅を解剖してみる~

  明治安田生命J2リーグ 第37節
 ジェフユナイテッド千葉 - 松本山雅FC

 2017/10/14(土) 15:00 K.O / フクダ電子アリーナ


【公式】プレビュー:ジェフユナイテッド千葉vs松本山雅FC 明治安田生命J2リーグ 第37節 2017/10/14

 

 アウェイ連戦で今季2度目の連敗を喫してしまったおらがジェフユナイテッド千葉

 昇格の望みが残っている以上、3連敗は絶対避けたいファジアーノ岡山とのホームゲームは、前半あっけなく先制を許す嫌な展開ながら、終わってみれば「仕様通り」に3点を奪取しての逆転勝ち。

 DAZN週間ゴールランキング1位となったラリベイの3点目は、スタジアムが”痺れた”ゴラッソでした。

  ただ、先制を許してしまう悪癖は、今節は絶対に禁物となります。

 上位相手のホーム連戦、次なる相手は松本山雅FCです。

  前回対戦、開幕から2勝1分けと無敗で乗り込んだアルウィンで、1-3と敗戦。

 反町監督の分析によって暴かれたハイライン攻略作戦で先制を許し、得意とするセットプレーで畳み掛けられての3失点でした。

 松本は失点数でリーグ3位の少なさ(34失点)。1試合あたり、1失点未満という守備の堅さを誇ります。

 故に先制点を献上してしまうと、引き篭もられてロースコアな展開に引きずり込まれ、逃げ切られてしまう公算が高くなってしまうでしょう。千葉が前掛かりになれば、ハイライン裏を狙ってのカウンターをチラつかせてくることも容易に想像できます。

 

 昨年のフクアリでのゲームもすべてセットプレーが絡んでの失点でしたから、今節もセットプレーは最も警戒しなければならない。

 そのあたりを松本山雅の強みであろう守備の堅さ、そしてセットプレーの強さの土台を成していると思われる要素と、大崩れしない安定した試合運びができる老獪さ、そしてあの大挙してやってくるサポーターについてのとあるデータを合わせまして、これら「3つの数字」でもって、松本山雅を解剖したく思います。

 

 データはご覧の提供でお送りします。

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 ジェフサポが勝手に天敵とみなしているであろう山雅を率いる反町監督

 そんなソリさんが率いる松本山雅FCにおける通算戦績は、J1、J2合せて238試合で107勝60分71敗。J2では、204試合100勝53分51敗。

そのうち、対千葉戦における戦績は、6勝0分3敗。千葉はソリさんにしてみれば、相性の良い相手と言えるかと。

 13年以前は最終順位では千葉よりも下にいた山雅でしたが、14年に2位で悲願のJ1昇格(千葉は3位。この年松本にダブルを喰らった)。

 1年でJ2へ降格するも、昨季も3位で昇格POへ進出している。

 J2におけるポジションは、千葉と山雅とでいつの間にやら入れ替わってしまった感があります。

 

 ソリさんが山雅を率いて今季で6季目。プロフットボールの世界では長期政権と言えるかと。

 故に気になったのが、山雅の主力選手の在籍年数と年齢。

 特に主力選手の年齢を3つの数字のうちのひとつ目として、見ていきたいと思います。

 

【表1】松本山雅FC 2017シーズン 主な先発出場選手(36節終了時点)

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 表1に松本山雅FCの主な先発出場選手を一覧にしました。

 「主な先発出場選手」とはなんぞや?ですが、現在36節を終えましたが半数以上の試合で先発に名を連ねた選手という定義で抜き出しています。表は出場時間数の降順で並んでいます。

 その年齢を見ていくと最年長35歳の田中隼磨から最年少25歳の石原まで11名おりますが、軒並み30代の選手が目立つかと思います。

 DFで、しかもCBで主力である飯田、後藤、當間、橋内と全員が30代

 前線の高崎、中盤の工藤、岩間も30代なんですね。

 在籍年数で見ても、今季徳島から新加入の橋内を除いて、全員が2季目かそれ以上の年数在籍しています(GK村山は今季出戻りながら累積で計算)。

 すなわち、6季目の指揮を迎えたソリさんは、山雅というチームにおいてほぼ同じ選手を長きに渡って使い続けている事を意味しているかと。

 故にチームとしての連携や結束、監督の意図を汲んで戦うことができる集団となっているのではないか。

 田中を筆頭に6年ソリさんと共にいる飯田、元ジェフの工藤、後藤、石原、村山などソリさんの勝手知ったる選手で先発が固められているということが、それらを物語っているように思えてきます。

 

 これがまず、松本の老獪さを推し量る指標と言えなくはないかな、と。

 

【表2】ジェフ千葉 2017シーズン 主な先発出場選手(36節終了時点)

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 翻っておらがジェフ。

 同様の定義で上記10名を抜粋。平均年齢は27.2歳でした。

 一昨季のオフに敢行された「レボリューション」によって、一部選手を除いては複数年在籍している選手はほぼおりません。近藤、船山、佐藤優也もまだ2季目。

 生え抜きの也真人は6季目を数えるも、今季の主な先発組には今季新加入の選手が少なくない。

 ポジティブなトピックとしては、直近では先発の機会を失っているものの、高卒の高橋壱晟が堂々ランクインしていることかなと。

 在籍年数とその経過年数に伴う加齢によって重ねた年齢という「成熟度」では、松本山雅には及ばないと見るか。

 あるいは、壱晟のような若き才能が既にチームの核を担うチカラとなっていると取るか。。

  そのあたり、リーグ全体ではどうなのだと思いまして、全チームの年齢をば、図1にて可視化。

 

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【図1】2017シーズンJ2リーグ チーム別スタメン選手平均年齢と勝ち点の散布図

 

 横軸に同主な先発出場選手の平均年齢、縦軸には前節までの獲得勝ち点を取りました。チーム名の横の数字が、先発出場選手の平均年齢です。

 ちなみに今季J2における、上記同定義での先発出場選手の平均年齢は27歳でした。

 千葉や湘南、岡山がまさにリーグ平均と被る年齢構成なのかなと。

 山雅はというと、なんとリーグ最高齢

 翻って最も若い2チームが現在降格権に沈む2チームというのが、何たる偶然でしょうか…

 とはいえ、年齢と勝ち点に相関関係は見い出せそうにありません。

 首位を独走する湘南がほぼ平均、PO圏を争うヴェルディと徳島は山口、群馬に次いで若い。

 山雅と同じく平均30代に乗っている讃岐は下位ですから。

 

【表3】J2リーグ チーム別主力DF選手の平均身長/体重と戦績の一覧(36節終了時点)

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  さて、次に2つめの数字を考察していきたいと思います。

 ソリさんが率いる松本山雅は守備の堅さに定評があろうかと。

 ソリさん仕込みの優れた守備戦術の賜物だ!と言ってしまえばそれまでですが、データからその優れた守備戦術はこうだ!とは明確に定義付けられませんし、私の力量では論理的にその優秀さを結論付けるだけのエビデンスが得られていません。

 そこで、ひとつ参考指標として、DFの「身長」に着目しました。

 表3はJ2各チームにおける主力DF選手とその選手らの身長・体重から求めた平均値です。ひとまず、平均身長の降順で並んでいます。

 「主力」の定義ですが、こちらは先発出場だけでなく途中出場も含めて今季ここまで半数以上の試合に出場した選手、という定義で抜き出しています。

 CBの選手もいれば、SBの選手もいますし、チーム事情か監督の起用からか、DF以外の登録ながら実際にはDFのポジションでプレーしている選手も含めています(ジェフで言えば山本真希とか)。

 その右表に今季の順位、勝ち点、失点数、そして1試合あたりの平均失点数を載せました。

 最も平均身長が高いのは、意外にもレノファ山口FC。次いで町田、徳島、大分と続きます。

 こちらの可視化も何の因果か、最も平均身長の低いチームが最下位のザスパクサツ群馬でした……

 おらがジェフ千葉は、僅かながら山雅よりもDF陣の平均身長が高いみたいです(SBの乾が引っ張ってるからか)。

 

【表4】J2リーグ チーム別主力FW選手の平均身長/体重と戦績の一覧(36節終了時点)

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  山雅はセットプレーも大きな武器かと。

 CKやFKのターゲットとなるエースの高崎は空中戦に滅法強い印象が。

 こちらも「身長」に着目し、FWの同主力選手について表4に各チームの平均値を列挙しました。

 最も高いのは横浜FC。虎の子のイバ、控えの大久保と、共に190cm超を誇るが故の結果かと。

 山雅は183cmで3位。おらがジェフ千葉は182cmの4位でした。

 前節岡山戦でも2点セットプレーを沈めてますし、効率的に点を稼げる有効な攻撃手段でしょう(決めたのは共にDFだったが)。

 最も低い大分も1試合あたりの平均得点数は1.4以上と2位の高さを誇る京都よりも高い数値な訳ですから、身長の高さは確かな武器なれど、攻撃のイチ側面を語るものでしかないのかなとも思えます。

(参考までに身長と得失点との相関係数を取ると、FWと得点とは.33、DFと失点とは.41程。)

 

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【図2】2017シーズンJ2リーグ チーム別主力DF平均身長と平均失点数の散布図

 

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【図3】2017シーズンJ2リーグ チーム別主力FW平均身長と平均得点数の散布図

 

 図2と3は表3と4の各身長と平均得点/失点とを散布図にしたもの。

 図2を見るとDFの平均身長と平均失点数とに負の相関がありそうな感じですが、最もDFの身長が高い山口が平均1.78、名古屋、千葉、讃岐と比較的平均身長が高めのチームがやや失点数が上振れていることから、一概には関連性があるとは言えないだろうなと(今季のジェフの失点シーンを脳内再生すれば納得…)。

 攻撃においてもやや線形な関係が描けそうではあるものの、平均得点で2点を超える名古屋はほぼ平均的な身長。

 ヴェルディ、徳島、そして千葉と平均得点の高いチームは、セットプレーを第一の武器とするというよりは、名古屋を含めてボールを主導的に動かして相手守備陣形を崩すことを主な攻撃のセオリーとするチーム。

 その中で、同じ水準の平均得点1.5点を超えてくる山雅のみがセットプレーを第一の武器としていると言えるチームではないでしょうか。

 

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【図4】2017シーズンJ2リーグ チーム別主力DF平均身長と主力FW平均身長の散布図

 

 図4はDFとFW、それぞれの平均身長をクロスさせてみました。「前高後低」なのか、「前低後高」なのかが分かるかと。

 前高後低、即ちFW陣の平均身長がDFよりも高いチームは、黄色のマーカーで色付けしています。左上方向に布置されたチームですね。

 千葉も松本も同じ象限のチーム。

 即ち、共にDF陣より平均身長が高いFW陣を擁するチーム同士が相まみえるという事。

 高崎と近藤、あるいはボムヨンとのマッチアップでは、おらがジェフ千葉は身長においては劣勢ということに。

 反対にラリベイと飯田ではラリベイが……と言いたいところですが、ここは飯田が高身長に(あれ?)。195cmの指宿で対抗するか、ラリベイは飯田意外のDFとあえてマッチアップする駆け引きが要るかもしれません。

 あるいは、地上戦を選んでパスワークと足を活かしたムービングで対抗するか。

 守備もハイボールの競り合いに固執せず、セカンドボールワークでの出足で相手に遅れを取らない事を是とする守り方に徹するか……

 ここまで、2つめの数字「身長」で山雅を見てみました。

 

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【図5】予想スターティング・フォーメーション

 

 最後、3つめの数字の前に明日のスタメン予想を挟みます…

 ほぼ前項までで言ってしまいましたが、山雅は直近3連勝していますので、ほぼそのままのメンバーをぶつけてくるのではないかと思います。

 千葉はラリベイにボールが収まるとそこからのポストプレーでリンクするであろう、為田、清武、船山と前向きにボールを持たせると独力の仕掛けが怖いアタッカーが揃っているので、まずラリベイの所には飯田をぶつけて潰してくるでしょう。

 千葉はフォーメーションを4-3-3に戻すか、ダブルボランチの4-2-3-1(4-2-1-3)で前節から引き続くのかが焦点。ボランチ2枚による守備のフィルタリングとビルドアップでのリンクプレーで、1トップ2シャドーで来るであろう山雅に対して数的優位性を保てるかと。

 アンドリューが不在故にアンカーの質量不足を枚数を掛けることで補うか否か。

 特に高崎の空中戦の強さはJ2でも屈指なので、無理に競りに行ってファウルを取られるよりも、セカンドボールを石原、工藤に拾われないようセカンドボールワークでの勝負に徹するか。

 よりディフェンシブなダブルボランチのユニットであれば、勇人ではなくアランダという選択肢もあろうかと。

 兎に角、相手に先制を許すと岡山戦のようにはいかないと思われるので、試合は固い入りになるかもしれません。

 ただ、先程見てきたように、軒並み主力に30代の選手が多い山雅の落とし穴と考えられるのは、運動量やスプリントやアクションの連続性、インテンシティの面で、高齢選手が多いのはビハインドにはならないかという点。

 序盤からハイプレスとセカンドボールワークの出足で上回る、ハイテンションな展開で揺さぶり、幸先よく先制点を陥れられれば、山雅は前に出てこざるを得なくなる。

 前傾になった相手を千葉のお家芸であるハイラインで押し縮められた中盤での奪い合い、プレス合戦に引きずり込んで体力を奪うというセオリーも考えられそう。

 そうして、我慢比べを凌げれば自ずと相手はガス欠してくれるのでは……などと淡い展望を夢想してしまいます(あまりに千葉に良いように書くと逆にやられそう……)。

 攻撃的チームを自称するのであれば、ホームでの戦いは、そのくらいアグレッシブにやってほしい気もしますね。

 

【表5】2017シーズン チーム別 ホーム松本山雅FC戦の観客動員数実績(10/13時点)

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 さて、最後の3つ目の数字をここでご紹介。

 それは、山雅サポーターのアウェイ戦の動員効果です。迎えるホームチームからしたら、松本戦の動員効果。

 表5は、そのホームから見た各チームの松本戦における動員実績です。

 今節の千葉戦と、38節以降の松本戦を除く、これまでの18戦における今季の松本戦の観客動員数です。

 平均を下回ったのは、NDソフトスタジアムでの山形戦。何故かな?アクセスの問題?それとも田植えの時期だから……?など、色々理由を巡らせましたが、単純に平日のミッドウィーク開催だったからですね……

 開幕戦の横浜FC戦、熊本戦、名古屋戦は今季平均の2倍以上の動員を記録……凄すぎますね。

 現時点での各チーム ホーム平均観客動員数と松本戦での動員数の対比を平均しますと137%となります(各チームのおらがジェフ千葉戦では106%)。

 シーズン平均と比べて、松本戦は1.4倍弱の動員増の効果がある

 しかし、これは増分すべてが松本からのお客様、という訳ではないでしょう。

 松本からのアウェイサポーターが大挙押し寄せてくるらしい。それならば、ホームのおらがチームを応援しないわけにはいかない!と、ホームのお客さんもスタジアムに足を運んでの結果ではないか。

 ならば、明日はおらがジェフユナイテッド千葉をサポートするべく、フクアリに足を運ぶべきでしょう。

 松本から遠路はるばるやってくる山雅サポに負けぬ声の圧でホーム・フクアリを包んでしまおうではないか。

 そんな気概でもってサポーター同士、ボルテージを高めて最高の試合をスタンドから演出してみようではありませんか。

 おらがホーム、フクアリはそんなスタジアムにもってこいですから……明日、フクアリでお会いしましょう。

 

 それでは、また!

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