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【ジェフ千葉】レノファ山口FC戦プレビュー ~夏こそポイント(勝ち点)を貯めよう!過去の戦績から占う昇格と残留の分水嶺~

  明治安田生命J2リーグ 第27節

 ジェフユナイテッド市原・千葉 - レノファ山口FC

 2017/8/11(Fri)18:00 K.O / フクダ電子アリーナ


【公式】プレビュー:ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC 明治安田生命J2リーグ 第27節 2017/8/11

 

 今季からスペイン・サッカーのエッセンスを纏う徳島と千葉。

 ボールを支配して攻撃的サッカーを志向する、共通項の多いスタイルが真っ向からぶつかり合った鳴門大塚でのゲームは、互いに死力を尽くしたハードな90分になりました。

 攻撃的スタイル同士の対戦故、撃ち合いも予想されましたがスコアは1-0。

 前半終了間際のラリベイが上げたゴールを最後まで守りきったジェフが勝利

 今季連敗の無かった徳島は千葉戦の敗戦でシーズン初の連敗。千葉は徳島相手にシーズン・ダブルを達成。苦手の敵地から勝ち点3という戦功を持ち帰りました。

 スタッツ的には支配率で徳島に上回られるジェフにとっては「いつも通りではない展開」ながら、インテンシティ高く継続されたハイプレス&ハイラインで徳島の攻撃を機能不全に追い込み、終盤には若狭を投入しての5バックへのシステムチェンジも繰り出して、勝利への執念を見せて見事勝ち点3をもぎ取れた事は、またひとつチームが成長した証と言えないか、と。

 エスナイデル監督の柔軟な采配、高温多湿な夏場の敵地でも走り勝てたフィジカル、何よりも勝利への飢えを体現した戦う姿勢と気持ちを見せつけての勝ち点3。

 「自信を確信に変えるに足る勝利」と言うにはややオーバーかもしれませんが、今シーズンのひとつのターニングポイントになり得る成功体験になったかと思います。

 

 アウェイ連戦のあとは、ホーム連戦。

 しかも祝日金曜と翌週ミッドウィーク水曜開催という中4日での連戦になります。

 まずは、11日金曜日に迎えるは20位のレノファ山口FC。

 開幕から下位に低迷し続け、5月に14年から指揮を執っていた上野展裕監督を解任し、アルゼンチン人指揮官マジョール監督への交代に踏み切ったレノファ。

 前節、下位直接対決のロアッソ熊本戦に敗れて3連敗。未だ勝ち点19の20位で、21位の讃岐とは2ポイント差と残留争いの真っ只中から抜け出せずにいます。

 おらがジェフも勝ち点39の10位、プレーオフ圏内の6位とは2ポイント差ながら、自動昇格2位までは13ポイントも離されており、直近の戦績も2勝2敗と混戦の真っ只中を漂う状況にあります。

 

 シーズンも既に後半、残り17節の戦いしか残されていません。

 今回は、昇格・残留の行方について、既に突入している夏場の戦いにおける戦績を踏まえ、過去実績と比較しつつそれぞれの星取りを予想していきたいと思います。

 データはご覧の提供でお送りします。

data.j-league.or.jp

 

  千葉と山口。現在の順位や勝ち点から鑑みるに、前者は昇格、後者は残留を主眼に置いていると思われます。

 「今季のJ2は混戦」なのは、ある意味では確かな事実ですが、別の意味では正確ではありません。

 自動昇格、そしてJ3降格(を免れてのJ2残留)という、順位表の上下端っこを見てみると、混戦では無いことが分かります。

 首位湘南は勝ち点53、2位福岡は1差の52。3位長崎とは8ポイント差ですから、3試合分の勝利数の開きがある訳です。

 一方最下位は群馬で勝ち点14、21位の讃岐が3差の17、山口はその上の19ポイントで20位。19位熊本が26ポイントなので、残留安全圏まで順位をひっくり返すには3試合分の勝利数が必要。

 混戦なのは、自動昇格と降格/残留とは域外にある昇格PO圏を争う"中上位"なのです。

 現在、勝ち点39で10位にいるおらがジェフ千葉はというと、昇格PO圏の6位とは2ポイント差。3位長崎が44ポイントなので、PO圏最上位とは2試合分の勝利数差ということ。つまり上位が連敗、下位が連勝ならば、その順位はひっくり返ってしまうくらいに詰まった差ということです。

 ただ、連勝/連敗したから、順位が入れ替わったからどうこうという訳でもない。

 最終的に42節終了した時の順位、勝ち点がPO圏内に届いていればいいということ。

 先程今季は混戦では無い、と言っておいて矛盾するようですが、上位2チームもポイント差で抜け出しているからといって、安心できる訳でもない。

 そこのところの順位/勝ち点と昇格の可否とを過去の戦績データから占えないか、ということで過去4シーズンの自動昇格2位のチームについて、7月~8月の夏場10節の戦績と、シーズン・ラスト10節との戦績をJ League Data Siteから抜粋、まとめてみたのが、表1です。

 

【表1】過去自動昇格2位チームの夏場10節&シーズン・ラスト10節の戦績一覧

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 おらがジェフの現状を思うに昇格PO圏を目指すのが妥当なのはその通りですが、自動昇格を諦めるタイミングでもありません。それは現在3位以下に甘んじている各チームにとっても同じこと。

 そう申し上げる根拠になれば、ということで表1にそれぞれ戦績をカウントしてみたのですが...

 記憶に新しいところで言うと、昨季滑り込み2位で自動昇格を果たした清水エスパルスが思い浮かぶかと。私も今季のジェフの星取りからベンチマークとしていたのが昨季の清水でした。

 その滑り込みが叶ったのも、ラスト10戦を9勝1敗のポイント27を積み上げての追い上げがあってのもの。

 遡ることさらに10節前の7月~8月の夏場10試合はというと、5勝3分2敗の勝ち点18という積み上げだった清水。

 過去13シーズンからの同2位昇格チームと比較すると、勝ち点18というのは平均的な夏場の戦績と言えます。ただ、清水と他昇格チームの実績とで異なるのは、同時期の順位でして、そのあたりをまとめたのが表2。

 

【表2】過去自動昇格2位チームの各時期暫定順位と勝ち点差

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 13年の神戸、14年の松本、15年の磐田は、シーズン前半戦をTOP3までで折り返しています。14年の松本は3位ながら2位磐田とは勝ち点で並んでいましたから、2位と言ってもほぼ差し支えない。さらに4位とは10ポイント差開いていたので、事実上湘南、磐田との自動昇格争いでした(結局、磐田がPOへまわった)。

 昨季の清水はというと、前半戦を6位でターン。自動昇格圏とは、10ポイントも離されていました。そうした順位/勝ち点差を踏まえた上で、先程の通り夏場の10節で18ポイントを積み上げたわけです。

 要するに、昨季の清水は6位という自動昇格圏外に居ながら、過去2位昇格したチームと同じ水準の勝ち点を夏場の10節で上積んだということ。そのくらいの積み上げをしなければ、上位に食らいついて抜き去る事は叶わないと言えるかと。

 清水を除く2位昇格チームは前半戦のうちに2位という自動昇格圏を確保し、夏場を平均18ポイント積むことでシーズン10節を残す時期までその順位を守り、ラスト10節もまたほぼ同じペースでポイントを積み上げて昇格を果たしています。

  昨季の清水にとっては夏場の18ポイントがなければ、当然ラストスパートの9連勝があったとしても、勝ち点で2位だった松本には迫れなかったでしょう。

 

 このあたりの「タラレバ」は、いくらでも解釈できるでしょうが、今シーズンに関して今時点で言えることは、まさに今訪れている夏場の戦いについて、いくつ勝ち点を積み上げられるのかということ。

 そして、過去の傾向と照らし合わせて、可能性の多寡を考察してみることかと。

 というわけで、おらがジェフにフォーカスしまして、過去シーズンの夏場の戦い、そしてラスト10節がどうだったのかを見てみます。

 

【表3】ジェフ千葉 過去シーズンの夏場10節&シーズン・ラスト10節の戦績一覧

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 夏場に弱い、犬は暑さに弱いから...等と言われる事の多いジェフ。。

 振り返って見ると、確かに直近3シーズンは夏場の戦績が湿っぽいです。。

 もっとも可能性が見えた2014シーズンも、夏場&ラスト10ともに「あと1歩」足りなかった印象。

 15年以降は夏場から失速、ラスト10節でも立て直せずに沈んでいくというシーズンになっています。

 今季はというと、現在夏場の戦いも6節を終えて4勝2敗で勝ち点12を積み上げました。これは、昨季の夏場の戦績を既に上回っていて、前述の閾値「夏場10節で勝ち点18」まであと6ポイント、つまり2勝というところにいます。

 2位自動昇格チームの勝ち点積み上げが、例年通りかは分かりませんが過去実績から見たこの閾値を上回ることができれば、ラスト10節も失速せずに上位に食らいついていけそうな気がしています。

 8月のゲームは4試合中なんと3試合がホーム開催

 うち、明日のゲームと翌週水曜の湘南戦が連戦ではあるのですが、むしろこの連戦をいずれもフクアリで戦えるというのは、大きなアドバンテージ。

 「夏の残り4試合で2勝」をひとつのマイルストーンとして、おらがジェフの昇格を占う...個人的に注目しているデータになります。

 

【表4】過去J2/J3入れ替え戦チームの夏場10節&シーズン・ラスト10節の戦績一覧

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【表5】過去J2/J3入れ替え戦チームの各時期暫定順位と勝ち点差

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 今度はJ2残留の話。

 レノファ山口は20位ということでかろうじて安全圏ではありますが、下位にいる讃岐、群馬との残留争いが、残り17節の結果からどうなるか...という所が注目点ではないかな、と。

 取り上げたのは自動降格チームではなく、J2/J3入れ替え戦に回った21位のチーム。

 過去、入れ替え戦で降格となったのは、15シーズンの大分トリニータ

 今季折り返し時点では、最下位群馬、21位山口でしたが、20位讃岐とともに勝ち点13で横並びでした。

 過去、同21位のチームが夏場の10節で積み上げられた勝ち点は10~13ポイント。14年讃岐の13ポイントでも、降格圏からは抜け出せていないという事は、それ以上の勝ち点が求められるということ。

 山口に関して言うと、今のところ2勝4敗の勝ち点6という進捗なので、過去の傾向通りのポイント上積みであるなら、残り4節で最低でも4ポイント以上なければ、下位2チームに捕捉される可能性があります。

 過去のラスト10節の星取りを見ても、21位チームは夏場を抜けても浮上の兆しなくジリ貧となっているので、山口としては20位という順位をこの夏場に何がなんでも死守できれば、残留への光明が見えてくると言えるのではないかと。

 加えて、既に21位讃岐との直接対決を第23節に3-1で勝利して終えている分、山口にとってはアドバンテージがあろうかと思います。

 

参考までに、湘南、福岡の自動昇格圏チームと、群馬、讃岐の降格圏チーム、そして、おらがジェフ千葉レノファ山口FCの順位変動を下記図に。

 

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【参考】2017シーズン J2 順位変動と勝ち点(第26節終了時点)

 

 双方にとって難しい試合になるであろう第27節。

 簡単な試合はひとつもありませんが、昇格と残留の分かれ目、分水嶺は夏場の戦いにあるのではないか―

 ふとそんな気がしています。

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【図1】予想スターティング・フォーメーション

 

 ジェフは連勝を、山口は4連敗を阻止したい一戦。

 レノファ山口はマジョール監督就任後に補強したアルゼンチン人FW、レオナルド・ラモスを軸に攻撃を展開してくるでしょう。

 後方から細かくパスを繋いで崩す上野監督のサッカーから、マジョール体制となった今となっては岸田&ラモスという上背のあるターゲット目掛けて、手数をかけないプレーも辞さないスタイルへ割り切ってくることも想定されます。

 ボランチの三幸が戻るのかどうか判然としませんが、元ジェフの”サトケン”の相棒が誰になるかによって、プランを変えてくるのではないかと思います。

 

 おらがジェフはというと、徳島戦の成功体験をポジティブに転換して勝利へと繋げて欲しい一戦に。

 中4日で迎える次節湘南戦を意識してのターンオーバーも想定されますが、実践したアウェイ愛媛戦では攻撃がやや停滞してしまったことを思うと、人選は予想が難しそうです。

 前線はそのままも、稼働率の高くなっているインテリオール、特に出場を続けている也真人を休ませるチョイスがあっても良いのかなと。前線を固定して中盤をいじるか、またはその逆か。エスナイデル監督の決断はどちらになるか、注目です。

 

 アルゼンチン人監督同士の一戦ながら、スペインサッカーの影響が濃いエスナイデル・ジェフは攻撃的に、失点を嫌うアルゼンチン・サッカーで指導経験を積んできたマジョール監督は守備的に試合に入りそうな予感もしています。

 千葉の攻撃、山口の守備、どちらがハマるかによって試合の趨勢は早期に決まりそうな気配もありますね。先制点を上げるのがどちらになるか、そこが勝負を左右するかと思います。

 

 さて、今週は昨季からジェフに所属しているDFイ・ジュヨン選手のカマタマーレ讃岐への期限付き移籍が発表されました。

jefunited.co.jp

 

 夏の移籍ウィンドーで矢田、為田がレンタルで加入したことから、誰かをレンタルで出す可能性もあるだろうと思っていましたが...それだけチーム内の競争も激しいということでしょう。

 今季の千葉は他に類の無い戦術であるが故に、フィットする/しない選手は出てきてもおかしくはないかなと。その上でシーズン中にフレキシブルに選手編成を行えていることは、現場とフロント(GM/強化/スカウト)がコミュニケーション出来ていることの証左と言えなくもない。

 だからこそ今季相応の結果を残すことで、次なるステージへの歩みを加速していきたいところです。

 「レボリューション」というスクラップ・アンド・ビルドを経て、魅力的なクラブへ進化する過程を一人のサポーターとしてリアルに感じられれば良いなと思っています。

 フクアリで繰り広げられる選手たちの戦いを見つめながら、勝利歓喜しながら感じられれば尚一層嬉しいだろうなと。

 明日の天候は雨予報らしいですが、久々のフクアリへ赴こうと思います。

 では、また!

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