【ジェフ千葉】ツエーゲン金沢戦プレビュー ~新設された「チームスタイル指標」で攻撃の特徴を比較しました~
2017明治安田生命J2リーグ 第24節
ジェフユナイテッド千葉 - ツエーゲン金沢
2017/7/22(Sat) 18:00 K.O / フクダ電子アリーナ
【公式】プレビュー:ジェフユナイテッド千葉vsツエーゲン金沢 明治安田生命J2リーグ 第24節 2017/7/22
前節は熊本の組織的且つ献身的な守備を褒めるべき試合でした。
乾のミスから失点を献上した格好ではありましたが、攻撃サッカーを標榜しながら零封されてしまった方こそ反省すべき事なのかなと。
ミスは誰でもします。
失点に直結するミスは特に無くしては欲しいものですが、起きてしまったことは仕方ない。
3、4点と派手にゴールしまくった連戦が続いたものの、苦手のアウェイで無得点での敗戦。これで連勝は3でストップ。
平常運行に戻ったと思って、もう一度ゼロから前進を始める。そんな第24節にしたいところです。
迎えるは、前回対戦で敗れているツエーゲン金沢との一戦。これまた愚直に守り倒されての敗戦でしたから、今節はそのリベンジを掛けて臨んで欲しいと思います。
本エントリでは、普段からデータを引用しておりますFootball LABさんで今週から新たに導入された「チームスタイル指標」を用いて、ジェフ千葉、ツエーゲン金沢の攻撃について、その特徴の差異を可視化してみたいと思います。
データはご覧の提供でお送りします。
http://www.football-lab.jp/pages/team_style/
今週リリースされた「チームスタイル指標」。
詳しくは上記リンクに解説がありますが、節毎の数値ではなく、ある程度の試合で蓄積されたデータから指数化された指標との事で、直近のゲームは未反映の指標になります。
J2は悲しいかな攻撃に関する指標のみが公開されていますが、J1では守備はじめ攻撃→守備、守備→攻撃など、トランジションにまつわるデータもある模様。
ひとまずおらがジェフ千葉とツエーゲン金沢について、数値をそのまま引っ張ってきまして、下記のような可視化を試みました。
【図1】攻撃の方向別指数&シュート到達率
まずは攻撃の方向、中央攻撃が多いのかサイド攻撃が多いのかを可視化。
縦棒がその指数を、グレーの帯グラフがシュート到達率を示します。
まず千葉の話をすると、試合を見てもDAZN中継でのスタッツを見ても、毎試合サイド攻撃の割合が高いと思いますが、今回のチームスタイル指標でもその傾向は同様に出ていました。
右サイドからの攻撃にやや傾いていますが、シュート到達率ではあまり高くない。右サイドからのボール前進が多いものの、いざシュートの局面ではサイドチェンジをして左から、または折り返して中央から仕掛ける事が多いという事の示唆かもしれません。
対する金沢はというと、指数では中央、左右サイドからの攻撃にさほど差はないものの、シュート到達率で見ると、中央攻撃からの数値が非常に高い。
柳下監督のチームは並びは4-4-2ですが、SHが中央に絞るボックス型の陣形が特徴。空いたサイドのスペースはSBの進出するレーンになっており、2トップ、ボランチを含めセンターのレーンに人が多く配置されている事が多い。
それ故にシュートの局面でも中央から仕掛けるシチュエーションが多いということかもしれません。
【図2】自陣/敵陣ポゼッション指数とシュート到達率
次いで、ポゼッションを自陣・敵陣でそれぞれどの程度できているかを示す指数。
下側が千葉側陣地、上が金沢側陣地です。
これはいずれも千葉が上回る結果に。ハイラインによって前へ前へと陣形が押し上げられるので、自ずとボールポゼッションはいずれの陣地においても高くなるのでしょう。
金沢は自陣、敵陣いずれにおいてもポゼッションでは千葉に比べてビハインド。シュート到達率で見ると、敵陣ポゼッションからよりも自陣ポゼッションからの方が高い数値を示しているように、恐らくカウンターによる攻撃からシュートまで持ち込むことが多いことの示唆かと。
【図3】セットプレー・カウンター攻撃の指数とシュート到達率
図3がショートカウンター/ロングカウンターとセットプレーの攻撃指数と各シチュエーションからのシュート到達率です。
攻撃的スタイルそのままにグラフの三角形は千葉の方が大きい。敵陣でのポゼッションが高いにも関わらず、ロングカウンターの指数が70超えでリーグ1位なのがちょっと謎なのですが……
ただ、当のロングカウンターからのシュート到達率はあまり高くなく、セットプレー>ショートカウンター>ロングカウンターという順。
金沢は反対にロングカウンターからのシュート到達率が高い。攻撃の指数はさほど高くはない事から、頻度は限られながらもシュートまでは着実に繋げてきているのではないかなと。
前回対戦でもハイライン裏を長い距離のスプリントで突かれての失点だったので、今回も金沢の前線のランニングは警戒しなければならないプレーだと思います。
【図4】予想スターティング・フォーメーション
連戦を終えて中5日で迎える今節。
出場停止明けの選手も戻り、本当の意味でのベストメンバーで臨めそうな試合になるかと。
フォーメーションは4-3-3ではないかなと。
途中交代ながらここ最近出場時間を伸ばしてきているサリーナスが攻撃の鍵を握るのではないかなと思います。
加えて今節からの出場可能になる新加入の為田大貴選手のベンチ入りがあるのかどうかも気になる点。
船山、町田、清武の誰かをベンチに置いておく事で、局面を変えたい時間帯に攻撃に厚みをもたらす策も有効ではないかなと思います。また、彼らの稼働率が高めなことから、どこかで休ませるタイミングも必要と思われるので、ホームの試合でこそ、それが可能ではないかなと。
前エントリで触れたように4-4-2の相手とはあまり相性が良くはないですが、今季未だ無敗のホームゲームですから、サポーターの後押しで選手たちを奮い立たせる事ができれば、勝機は十分にあるのではないかと思います。
二桁順位に戻ってはしまったものの、まだ上位との勝ち点差は僅か。
もう一度今節からポイントを積み上げて追撃態勢に入れればいいなと思います。
では、また!