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【ロシアW杯アジア最終予選 第8戦プレビュー】日本代表・イラク代表とのスタッツ比較

ロシアワールドカップ 2018 アジア最終予選

RUSSIA 2018 ASIAN QUALIFIERS FINAL ROUND:

   IRAQ vs JAPAN | AFC

Russia 2018 Asian Qualifiers: Iraq v Japan preview | AFC

 

 いつどんな時でも「負けられない戦い」であるこのW杯最終予選も残り3戦。

 ポイント16で首位に立つ日本ですが、自動出場枠2つを争うサウジアラビア、オーストラリアとは暫定ながら勝ち点16で横並び。

 このイラク戦で勝って3ポイント差をつけておかないと、残り2戦がこの2ヶ国との直接対決になるので、本当に本当の負けられない戦いになってしまいます。

 

 今夜対戦するイラクですが、前回のホームでの試合は山口蛍の劇的ボレーシュートで勝ち越した薄氷の勝利でした。

 星取りではグループ5位に沈んでいるイラクですが、実力はまったくもって侮ることはできません。

 今回はこれまでの最終予選でのスタッツから、日本代表、イラク代表をそれぞれ比較してみようと思います。

 データはご覧の提供でお送りします。

FIFA World Cup Asian Qualifier Match Centre | AFC

 

 AFCのサイトからチームスタッツをそれぞれ引っ張ってきて、可視化してみました。

 可視化は以前ACLのROUND16でお送りしたものとフォーマットは同じです。

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 まずは、「DEFENCE」= 守備の項から。

 

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【図1】日本代表・イラク代表 ディフェンスのプレーデータ比較

 

 図1の項目を上からざっと眺めていきます。

 ここまで7戦戦ってきて、日本は失点5。イラクは10。

 無失点試合は日本が3試合に対して、イラクはわずか1試合。

 今回、CBの一角である森重が招集外になったように、日本も守備が安定しているとは言い難いですが、イラクの場合は5位に沈んでいる大きな要因は失点の多さと言えるかと。

 プレーに目を移すと、イラクはタックル成功率が80.4%と日本を上回る数値に。

 ただし、タックルというプレーは解釈が難しく、頻度が多いということはそれだけタックルをしなければならない局面が多いということも意味します。

 ただ、タックルの発動数を見ると日本73に対してイラク78ですから、さほど開きがあるというわけでもない。

 そうなると、このタックル成功率の高さは、日本の攻撃陣を苦しめることになるやもしれません。

 続いて「DUEL」という文字にお気付きかと思いますが、ハリルホジッチ監督がよく言う「1対1」のプレーにおける勝敗と、「AERIAL DUEL」空中戦での1対1の同勝敗のスタッツ。

 これは、いずれの勝率でも日本がイラクを上回っているという結果に。

 ハリルJAPANの標語にもなりつつあるプレー指標ですが、意識付けの甲斐あってのものかは分かりませんが、ひとまずは相手よりも高い数値になっています。

 

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【図2】日本代表・イラク代表 アタッキングのプレーデータ比較

 

 続いて攻撃の項。

 日本は7戦終えて14得点。1試合あたり2得点というアベレージ。

 対するイラクは、7得点。1試合あたり1得点は上げているという計算に。

 1試合1失点を良しとしてしまうのは甘やかし過ぎな気もしますが、1試合2点取れるのであれば何とか勝てるのではないか?と思ってしまいます。

 先の中東アウェイ・UAE戦では事実2得点を上げていますし、相手は違えど今回も複数得点で心理的余裕を持って勝利したい。

 プレーに目を向けると、「SHOT ACCURACY」枠内シュート率(ブロックされたシュートは含まず)が、日本は54%、イラクは44.4%と1割の開きが。

 さらに「CONVERSION RATE」決定率となると、日本が16.1%、イラクは9.7%という差。

 果たしてこのデータが示す傾向通りに得点が生まれるのかどうか...

 

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【図3】日本代表・イラク代表 ボールプレーのデータ比較

 

 図3「DISTRIBUTION」はボールプレーの概況です 。

 パス・スタッツは概ね日本が高い傾向に。

 1試合平均のパス本数は、日本が450.9本に対して、イラクは297.4本。

 日本のパス成功率は78.4%。相手陣内(P/A(%) BY AREA | OPP.HALF)でも73.3%という数値ですから、おおよそピッチの3分の2まではパスを繋いで前進できるのかなと推察できます。

 対するイラクのボールプレーですが、「PASS DIRECTION」の構成比を見るに、「FORWARD」前方向へのパスが48.3%ですから、手数を掛けず前へ蹴ってくるものと思います。

 クロス数はイラクが上回るも、精度に難がありそう(成功率19.5%)。

 ドリブルも発動数は日本より多いものの、成功率は2回に1回というところ(同49.3%)。

 相手の攻撃に対しては落ち着いて対処すれば、怖さはそれほどでもないと言えるかと。

 

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【図4】日本代表・イラク代表 反則データ比較

 

  最後に反則数の比較。

 日本、イラク、いずれも被ファウル数よりも犯したファウル数の方が多い傾向

 ポジションにもよりますが、ファウルは即ちセットプレーを与えることになりますから、試合展開や位置、そして時間帯によってはファウルを我慢することが必要になってくるでしょう。

 セットプレーは上記までで見てきたスタッツに関係なく、一発でゴールを陥れられるものですので、日本が失点するシチュエーションとなると強化試合のシリア戦でのものと同様、CKやFKによるものが最も可能性が高いと思われます。

 イラク戦に限らず、オーストラリア戦、サウジ戦とこの先に続く試合においてもセットプレーは細心の注意をして対処すべきものと思います。

 

 最終予選初戦で躓き、既にひとつも落とせない状況に陥っているハリルJAPAN。

 何とかここまでポイントを積み重ね、今夜のイラク戦で勝利すれば、ライバルから頭ひとつ抜け出せる星取りまでリカバリーできます。

 ワールドカップまでの道のりは、決して簡単なものではない。

 これまでもそうであったように、苦しい戦いを経てチームが成長し、本大会で勝ち抜く糧のひとつとなるような、そんなイラク戦であってほしいと願っています。

 何よりも願うのは、日本の勝利と勝ち点3。

 

 中立地テヘランから、しっかりと持ち帰って残り2戦へ堂々のBグループ首位で臨める余裕を手にしたいものです。

 

 では、また!

 

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