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サッカーをデータで視てみよう

サッカーに関するあらゆるデータを可視化してみるブログ

【ジェフ千葉】ツエーゲン金沢戦プレビュー 〜引かれた相手からゴールが奪えない要因をデータで漁ってみた〜

2017明治安田生命J2リーグ 第11節

カマタマーレ讃岐 1 - 1 ジェフユナイテッド千葉

得点者:49' 山本真希 / 53' 木島徹也

【公式】ハイライト:カマタマーレ讃岐vsジェフユナイテッド千葉 明治安田生命J2リーグ 第11節2017/5/3 - YouTube

 

 内容だけを見れば、ドローが妥当な結果だったかもしれませんが、戦前のシチュエーションを含めて考えると千葉にとっては痛いドローと言わざるを得ないのかなと思います。

 

 讃岐は決して侮れない相手であると前エントリのプレビューでも述べましたが、相手は現在21位で連敗中。またしても下位のチームに勝ち点を献上するいつものジェフになってしまいました。

 

 讃岐はレギュラー格のCBを2枚同時に出場停止で欠き、さらに主軸のストライカーも怪我で欠くという陣容。

 一方のジェフは前節様々あれど、ホームで上位の徳島に完勝し、現在怪我人も無く、比嘉、指宿、山本ら人は入れ替えたものの選手の質的水準で言えば決してサブ扱いできるレベルではなく、レギュラーを張っていてもおかしくはない選手たち。

 

 前半は優勢に試合を支配するも決定機を作られるなどもどかしい展開で推移し、スコアレスで45分が過ぎます。

 今季ここまで全試合フル出場だった北爪に代わって右WBに入った山本のファインゴールで先制するも、微妙な判定ながらまたも決定機を作られた流れからPKを与えてドローにされます。

 

 失点してしまった事はやむなしも、その前後から圧倒的にボールを支配し21本ものシュートを放ちながら、1得点止まりに終わってしまったことが、恐らくやっている選手も観ているサポーターらにとっても、相当ストレスの溜まる結果であることは明白。

 

 サッカー戦術に詳しいスポーツライターの西部さんのメルマガにもあったように、リーグ2位のボール支配率やパス数、攻撃回数に対して、得点(決定率)が見合っていない事が最大の課題であることは11節を待たずとも明らかではありましたが、流石に何試合も同じ光景を見せられ続けると、ちょっと言いたくもなってきますよね……

 

 そこで、本エントリでは、ゴールまでの過程にまつわるデータにフォーカスし、ジェフの攻撃≒ゴールを奪うプロセスのどこに問題≒ボトルネックがあるのかのタネを掘り出して考察してみようと思います。

 

 データはご覧の提供でお送りします。

ジェフユナイテッド千葉 2017シーズンサマリー | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~

 

 11節終了時点のスタッツサマリを見てみると、ボール支配率、クロス数、関節FK、CKでリーグ1位を記録。

 相手よりも優位にボールを支配できている事が分かります。しかし、それだけ長い時間ボールを保持し、リスタートやコーナーキックなどのセットプレーの機会も多く、数多くゴール前へクロスを送っているものの、それらが効率よくゴールに結びついてはいないのが現状。

 
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【図1】ジェフ千葉 攻撃回数・クロス数とその成功率

 

 DAZNの実況でも良く語られるクロス数を攻撃回数を母として攻撃≒ボール前進のうち、どの程度の割合で発動されているかの試行率と、その成功率を可視化してみました。

  ジェフは攻撃回数でもリーグ2位ですからクロス、即ちサイド攻撃が主体であることは自明。

 成功率は軒並み20%前後。これが高いか低いかは、他チームの数値も集めてみて比較したい所ですが、今はちょっと追いついてなく…(スミマセン……)

 節毎に可視化してみると、もう一つ明らかなこととして、クロスからの得点ではないにせよ、勝利した試合におけるクロス成功率の高さから推察できる事は、サイドで効果的にボール保持、またはボール前進ができていたのではないかという事。

 反対に敗れた試合、引き分けに終わった試合などはクロス成功率が軒並み低く、サイドからのボール供給が相手に遮断されたのではないかと言うことが透けて見えてきます。

 相手がボールを主体的に動かして攻撃を構築したいタイプ、山口や徳島、遡れば名古屋などが相手だと、うまくサイドのスペースを活かしてボールを動かせていたのかもしれない。

 反対に横浜FCや前節の讃岐のように、守備時は自陣に引き籠もって最終ラインで5枚揃えてサイドのスペースを消してくるような相手に対しては、効果的にサイドを攻略できなかったのではないか。

 

 そこのあたりをエリア毎のパス・スタッツと併せて見てみようと思い、下記の可視化を。


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【図2】相手陣内1/3エリアにおけるパス・スタッツ

 

 図2はピッチの相手陣内を3分割した場合の相手ゴール前の1/3エリアにおけるパス数と成功率のグラフです。

 実況などで語られるアタッキングサードよりも相手ゴールから数えてさらに狭いエリアに相当します。20mもない距離ですから、最も守備が厳しいであろう相手ゴール前のエリアです。

 ジェフの1試合あたりのパス成功率は平均8割近くありますが、このエリアでは半減しますね。

 ここでも節毎に見てみて分かる事として、敗れたり引き分けた試合は、このエリアにおけるパス数が低く抑えられ、成功率も低かったという事実。

 相手はゴール前に人数を割いてブロックを築き守っている訳ですから、自ずとそうしたデータになるのは分かるのですが、そこを剥がして崩す事ができていないという事実が、まんまデータでわかってしまう。

 先程のクロス数の可視化同様、うまくいかなかった要因がこうした簡単な集計で推察できてしまうくらい分かりやすいということが今のジェフの姿なのでしょう。

 ジェフのやり方は、ハイラインとハイプレス。その意図は相手にボール保持の時間を与えず、ボールを素早く奪って自分たちのポゼッションを高めること。

 攻撃ではボールをサイドの横幅を使って動かし、相手守備陣のギャップを突いてゴールを陥れる……

 ハイライン&ハイプレスのロジックは理にかなっていると思いますし、それがデータでも分かる通りかなり早い段階で実現できていたので、これはエスナイデル監督の手腕と言えるかと。

 問題はゴールまでのプロセスで、「相手守備陣のギャップを突いて」というのは、ボールを繋いで動かすと同時に相手を食いつかせて守備しているゾーンから動かして崩すのは、パス主体のサッカーを志向するチームにとってはどこも同じです。

 サイドを使うというのも特徴のひとつですが、効果的に使えているかというと判断が難しいところ。

 左右横幅いっぱいに相手を揺さぶることはできていても、それが相手の守備陣形を崩す準備アクションとして効果的に作用しているかは、相手次第になっちゃっている印象ですね。

 つまり、スペースを与えてくれればそれができるけれども、人数を掛けてスペースを埋められてしまうとうまく行っていない

 サイド最奥では個の能力で剥がすか、ジェフも人数を掛けてサイドから崩すのか、はたまたリーグ1位のクロス数をゴールに直結させるべく精度を上げるか(放り込みを容認するか)、やれる事は限られてきますが、ここからは力技とそれを貫く覚悟が要ると思います。


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【図3】ジェフ千葉 節毎のセットプレー獲得数

 

 得点源として有効なセットプレーの数もジェフは恐らくリーグ最上位だと思います。

 セットプレーははっきり言ってボールポゼッションするスキルや連携とは無縁で、ある意味ゴールに直結する切り取られたシチュエーション。

 よって、繰り返しの練習や相手の守備を突いたり、サインプレー(トリックプレー)でゴールを陥れられる手段と言えます。

 このセットプレーで得点を積み上げているのが、松本や福岡(昨季の札幌など)で如何にもJ2らしいやり方ですが、効果テキメンなのです。

 しかしジェフは今のところセットプレーからのゴールは名古屋戦の西野のヘディングゴールのみ。

 京都戦や群馬戦は実に30本以上もセットプレーの機会がありながら、このセットプレーに起因するゴールは生まれず。

 なかなかゴールが奪えないのであれば、手っ取り早い方法としてセットプレーを磨くというのも一つの手。

 上記可視化の獲得数にもあるように弾数は揃えられるのですから、そのうち1点でももぎ取れれば1試合で複数得点できてしまいます。

 暑い季節がやってきますから、今後のトレーニングはセットプレーに時間を割いてみるのも効率的に思えます。

 既にボールを動かすスキルはリーグ上位の水準にありますし、これまで見てきたデータの通りジェフは意外性が発揮できていない。

 ハイライン同様、相手から見れば対策しやすいと捉えられているかもしれない。

 セットプレーはじめ、想定外の事をジェフが仕込んで試合で披露すれば相手も混乱するはず。加えてボール保持ではこちらが上回っているのですから、相手にとっては反撃の機会も限られてくる。

 ハイライン&ハイプレス戦術は夏場は持たないと語られてきましたが、ここまで高いボール支配率を記録できればその心配も無くなると思います。

 それによって相手が疲労することで、崩せる場面も増えるかもしれませんが、ここまで取りこぼした勝ち点を夏場以降に取り戻そうと考えれば、やはり複数得点を上げる手段は用意しておいた方がいいに決まっています。

 

 リーグも既に第1クォーターを終え、残り3/4も無い。まだまだ巻き返せる時期にいる分、ここから何をどこまで積み上げられるかが今季の成否を分けるでしょう。

 エスナイデル・ジェフの序章、そして第一部は過ぎました。

 ここからの第二部、中章でどの程度ジェフの冒険譚を膨らませられるのか。

 ハイラインという特殊な面白いサッカーを披露している割に、ややホーム開催ゲームの動員が寂しい今季、何かポジティブな変化を見せてもらわないとこのままフクアリの空席は埋まらないままになってしまうかもしれません(実はそこが一番心配)。

 

 ボールは動くし、優也はそれ以上に動いているし(笑)、ジェフのサッカーは近年最も面白いと思います。

 ただ、勝利という結果が得られなければストレスも溜まりますし、フクアリからサポーターの足が遠のいてしまうのも分かる。

 真の強さ、昨季まで下がっていたプロフェッショナリズムをどこまで上げられるか。

 面白いだけではなく、「面白くて強い」レベルまで到達できれば、自ずと観客動員も増えるのかなと期待しています。

 サッカー観戦に最適な季節がやってきました。私も時間の許す限りフクアリに赴いてジェフのサッカーを生で楽しみたいと思っています。

 その中で選手らが何が何でもゴールを奪う!というアクションを見せてくれるのか。

 ここからのジェフの変化を楽しみにしていきたいと思います。

 

 それでは、また!

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