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サッカーをデータで視てみよう

サッカーに関するあらゆるデータを可視化してみるブログ

【ジェフ千葉】カマタマーレ讃岐戦プレビュー ~実は「同じ8年目」・北野監督が指揮したJ2の戦いをデータで振り返る~

2017 明治安田生命J2リーグ 第10節
ジェフユナイテッド市原・千葉 2 - 0 徳島ヴォルティス

得点者:23' 高橋壱晟 / 90+3' 指宿洋史


【公式】ハイライト:ジェフユナイテッド千葉vs徳島ヴォルティス明治安田生命J2リーグ 第10節 2017/4/29

 

 前節の大敗で漂った嫌な雰囲気を払拭する勝利。

 と、言い切れない、ちょっと後味の悪い試合であったことを記さない訳にはいきません。

 前半14分にピッチサイドで起きたことをご存知の方には説明不要かと思いますので、詳細に顛末を語ることはこのエントリではしません。

 ただ、今回の一件に関して私個人の見解は一言述べておきたいと思います。

 徳島の馬渡選手の行為は、許されるものではありません。

 相手の肩を軽く小突いただけとはいえ、相手は子ども。

 ましてやボールパーソンとして試合の運営を担うスタッフの一員であり、選手と立場は違えど同じ「試合を作っている側」の存在。

 馬渡選手の「目を逸らされてカッとなった...」という言い分も、通るものではありません。(直前のプレーが一見してジェッジの分からない微妙なシーンだったので、当のボールパーソンは主審の判定を確認しようとしていたと思われます)。

 馬渡選手は、既に本人に謝罪をしたということで、レッドカードによる退場と、リーグ規律委員会から課されたペナルティで、一応今回の行為は精算される見込み。

 ただ、プロのサッカー選手として、観るものに感動を届け、夢を与える側の人間としては、あまりに軽率な行動を犯してしまったと言わざるをえない。

 今回、メディアにこれだけ大きく扱われてしまった以上、「ボールパーソンに手を上げた選手」という、人々の記憶と共に見られてしまうことは覚悟しなければならないでしょう。

 馬渡選手にはそうした逆境から這い上がって、再び自身のプレーを観る者に届け、夢を与える選手へと再起してくれることを願っています。

(加えて、試合後にジェフ側の別のボールパーソンへ、アルコールをかけた徳島サポーターがいたということも、徳島ヴォルティスに対してとても悪い心象を与える出来事で、許しがたい事でありました)。

 

www.footballchannel.jp

 

 また、サッカー、Jリーグにおけるボールボーイ(ジェフはボールパーソンと呼称)についての理解が浸透していないなということが今回の件で広まったりもしたので、下記のまとめをご覧いただくと理解の助けとなるかと思い貼っておきたいと思います。

togetter.com

 

 さて、試合について軽く振り返りますと、徳島側からしたら馬渡の退場で数的不利となってしまい、試合を壊すことになったかもしれない。

 ただ、千葉としては序盤から攻勢を強めており、徳島のボール前進をほぼ押さえ込むことに成功していた面もあって、妥当な結果であるという思いもあったでしょう(勿論、数的有利も試合を傾かせる要因ではあった)。

 

 横浜FC戦がショッキングな敗戦であったため、メンバーもシステムも変えるという選択肢も当然あったでしょうが、前節と全く同じメンバー、システムで臨んだエスナイデル監督の胆力、美学の一端を垣間見ることができた一戦でもありました。

 

 気が付けば、4月も終わり世はゴールデウィークに。

 J2リーグは連戦に突入し、中3日ずつでアウェイゲームの連戦が待っています。

 3日、水曜日のミッドウィーク開催なのがカマタマーレ讃岐戦。

 7日、日曜日がツエーゲン金沢戦となります。

 本エントリは、3日讃岐戦に関して、今季讃岐で8年目の指揮を執る北野監督の下でのJ2リーグ過去3シーズンのデータについて、まとめてみましたのでそちらをご覧いただければと思います。

 

 データはご覧の提供でお送りします。

www.football-lab.jp

 

 2014年のJ2昇格から4年目のシーズン。

 指揮官、北野誠監督はカマタマーレを率いてなんと今季で8年目のシーズンとなります。

 そう、ジェフ千葉が降格してJ2を戦うこととなった2010年シーズンから讃岐一筋で指導されてこられたのです。

 上記参照元のFootballLabさんは2014年からデータの取得、公開をされていて、ちょうどカマタマーレのJ2での4シーズンのデータが丸々あるわけです。

 今回はそんなカマタマーレのJ2での戦いの変遷をデータで可視化していこうと思います。

 

【表1】カマタマーレ讃岐 2017シーズン所属選手 年齢と在籍年数の一覧

f:id:knovocelic:20170503050028p:plain

 

 同じ監督が8シーズン目を指揮するというのは、J1、J2合わせても各ラブ現体制では北野監督が最長。

 まず気になったのは、「選手の在籍年数」でした。

 監督は同じでも、選手は入れ替わったりしているかもしれない、と。。

 上記表は縦軸に年齢、横軸に在籍年数を取ってまして、北野監督8年目ということで、MAXは8年以上に置きました。

 最長在籍選手は11年目の綱田選手。

 北野監督よりも長くチームに居続けている、まさに生き字引。

 多くはJ2昇格年の2014シーズンから加入した選手を中心に、J2時代から加入した選手が大半を占めます。木島兄弟、我那覇エブソン、守護神の清水、馬場、元ジェフユースの砂森らは皆J2時代からの選手。

 今季新加入した選手もJ2では即戦力級で、前北九州のストライカー・原の獲得はなかなかうまい補強だなと思わされました(オフの補強については下記にまとめてます)。

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 参考までに同じ一覧をジェフで作るとどうなるか...

 

【表2】ジェフユナイテッド市原・千葉 2017シーズン所属選手 年齢と在籍年数の一覧

f:id:knovocelic:20170503050950p:plain

 昨シーズンの「レボリューション」があったので、大半が今季2シーズン目の在籍選手ばかりになります。

 最長は、ジェフ一筋の岡本。勇人は10年からの在籍と京都移籍前との累計で次点。

 今季、FC東京から戻った羽生も累計では3番目に長い在籍にはなりますが。。

 

 讃岐と千葉。

 改めて、まずは互いの立ち位置の振り返りから。

 2014年から同じJ2で戦うこととなりましたが、各シーズンの成績について下記の比較を。

 

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【図1】カマタマーレ讃岐ジェフユナイテッド千葉 過去3シーズンの勝ち点比較

 

 過去3シーズンの両チームの勝ち点はご覧のようなかたちでして、当然順位もですが千葉としては讃岐に上回られたことがありません。

 順位も千葉が3位、9位、11位と右肩下がりで推移してますが、讃岐は21位、16位、19位とさらに下位に低迷しています。

 千葉から見ると讃岐は常に下位のクラブでした。

 ただし、対戦成績は千葉の2勝3分1敗で、圧倒的に勝ち越している訳ではない。引き分けの多さから、自分たちより下位ながら、勝ち点を献上しているクラブのひとつ、それがカマタマーレ讃岐である、という認識の方がよりリアルな気がしてきます。

 讃岐側からみても、特段ジェフを苦手としている意識はないと思われます。

 現在、ジェフが勝ち点15で12位、讃岐は勝ち点7で21位ですが、上記含めたこうした差ほどの開きは無いと思っておいた方が、ジェフとしては良いのかなと思っています。

 

 さて、讃岐のスタイルを一言で表すと、どんなサッカーでしょう...

 攻撃よりも守備に重きが置かれている風に思えますが、「堅守」とは言い難い気も。

 いくつかゲームスタッツについての可視化を下記に載せていきながらそのあたりを考察できれば、と。

 

f:id:knovocelic:20170503052838p:plain

【図2】カマタマーレ讃岐 パス数とボール支配率のシーズン変遷

 

 パスとボール支配率の時系列変化を上記に。リーグ平均やジェフとの比較ではありませんが、数値をご覧いただくとお分かりのように、ボール支配率は過去3シーズン含め直近2017シーズンも全てビハインド。つまり、相手にボールを長く保持される戦いを続けているということです。

 パス数についても、同様にリーグ平均よりも下回っています。

 しかし、殊J2ではボール保持に長けていることよりも、失点しないことの方が重要度が高いというトレンドがあります。

 相手にボールを持たれて攻め込まれようとも、ゴールを割らせずボールを奪ってから素早くカウンターに転じて1点をもぎ取る、あるいはセットプレーに強みを見出して手堅く点を重ねていくスタイルの方が上位進出、または昇格を果たすことができるリーグとも言えます。

 そのあたりを下記ふたつの可視化から伺えれば、と。

 

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【図3】カマタマーレ讃岐 得点パターンのシーズン変遷

 

f:id:knovocelic:20170503053501p:plain

【図4】カマタマーレ讃岐 失点パターンのシーズン変遷

 

 図3と4はシーズン総得点/総失点の構成比でして、シーズン年の括弧内に累計の実数を、グラフ中凡例にも実数を記載しています。

 パターンはショートパスから、ドリブルからなどいくつかありますが、特徴的なものだけ凡例を記載しました。

 即ち、「セットプレー」と「クロス」からのもの。

 多くのクラブがほとんどそうなのですが、やはり「セットプレー」は有効な得点パターンのひとつなのです。同時に失点でも喫してしまう事が多いパターンでして、讃岐も例に漏れずこのセットプレーでの得点、失点が多い。

 11得点中7点をセットプレーから得ており、対するジェフは13失点中、5失点をセットプレーから喫している。

 パス等のボールプレーでは今季J2トップクラスのジェフ千葉ですが、セットプレーはそうした次元とは別の要素が大きく絡んできますので、被セットプレー時の守備には細心の注意を払ってほしいところ。

 

 讃岐の平均得点について見ると、昨季は43得点で1試合平均1点以上は取れています。今季も10節を終えて11点ですから昨季とほぼ同じペースで推移。

 一方失点は、2015年シーズンに33失点というJ2最小失点を記録しまして、このシーズンの印象から攻撃よりも守備のチームという印象が付いているのかもしれません。

 ただ昨季は60失点以上、今季も既に17失点でこれは群馬に次いでリーグワースト2位。ペースも昨季よりも多い推移になっています。

 

 このあたりの要因、ボトルネックはどのあたりかを、攻守「歩留り」による効率に変換して見てみたのが下記の図5と6。

 

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【図5】カマタマーレ讃岐 攻撃の歩留り率のシーズン変遷

 

 

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【図6】カマタマーレ讃岐 守備の歩留り率のシーズン変遷

 

 まず攻撃の効率性ですが、「シュート到達率」が著しく低いですね。10%にも達していないということで、10回の攻撃(ボール前進)機会のうち、1度シュートを打てるかどうか、というくらいの効率性です。

 その他の指標は3割弱でほぼ同じ水準にありますから、讃岐の課題はシュートに持っていく形を作れるかどうかでしょう。

 一方守備に目を移すと、守備アクションのセオリーはタックルではなく、クリア。これはリーグ3位の回数になっています。

 セーフティ・ファーストということで、ボールポゼッションで劣るが故に守勢にまわる時間が長く、相手の攻撃を受ける頻度も多いでしょうから、これは妥当な傾向。

 タックルについてもリーグ4位の回数ですから、これが崩されての止む無くのものか、ボールを奪って反転カウンターに転じるためのトランジション志向によるものかは映像等から察するしかないですが、いずれにせよ守備はアグレッシブな印象が浮き彫りになっているかと。

 33失点を記録した15年シーズンはこのクリア試行率が高く、4回の被攻撃のうち1度は安全圏へ蹴り出しているというもの。

 守備の歩留りでは、直近17年シーズンは被シュート到達率は1割を下回っているものの、被決定率が上昇気味。

 ここがリーグワースト2位の失点に繋がっているのかもしれません。

 

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【図7】カマタマーレ讃岐戦 予想スターティング・フォーメーション

 

 横浜FC戦、徳島戦同様スタートから4-3-3システムで臨むと思われます。

 メンバーも概ね前節を踏襲かと。清武が徳島戦の後半途中に足を痛めて退いていましたから、今節は温存するかもしれません。

 前線はラリベイを軸に船山と清武という3枚が定番でしたが、この連戦で入れ替えることも当然考えられます。逆足右WGならサリーナスか、あるいは菅嶋を加えて並びも変えるか。

 前節ダメ押し2点目を決めた指宿は切り札としてベンチには置いておきたいところ。

 アンカーにもしアランダが入る場合は、3-1-4-2にするかもしれませんが、彼も恐らくベンチスタート濃厚な気がしています。

 それだけアンドリューのパフォーマンスが試合を負うごとに改善しているように見えますし、疲労などの影響がない限りはファーストチョイスかなぁと。

 最終ラインもほぼこの4枚で固定かなと。

 北爪が唯一ここまで全試合フル出場しており、彼のバックアッパーが誰になるのかも気掛かりな部分ですが、今節生まれ故郷の香川県での試合ということで、大卒新人溝渕がベンチ入りするか、プロデビューがあるのかも気になるところです。

 

 対する讃岐は前節の松本戦でリ・ヨンジ、エブソンの両CBが揃って退場してしまい、今節は出場停止。まずこのCBの代役に北野監督が誰を選ぶかという部分が注目点。

 讃岐は開幕3試合目以降、相手のシステムに合わせて3バックと4バックを使い分けており、相手が4バックの場合は3-1-4-2でジェフの3バックと同じアンカーを置く形にしています。相手が3バックの場合は見慣れた4-4-2にしていて、松本戦もこの形で素早いプレスが序盤は機能していた印象。

 あえてミスマッチを作り、マッチアップでの質的不利を補うべくシステム≒並びの構造で優位性を見出そうとしているのでしょうか。

 よって、ジェフが4-3-3でくると見越して北野監督は3-1-4-2で臨むかもしれない。

 やはりその際、上背がある両CBが不在なので、代役を誰にするかで悩ましい選択を迫られることになるかと。

 注目の新加入ストライカー・原は負傷により欠場濃厚。前線は木島を軸に馬場か我那覇か。いずれの選手もアグレッシブにハードワークできるタイプですから、ジェフのDFとのマッチアップは激しいものになるでしょう。

 

 ジェフとしては長くボールを保持する時間が長くなると思われます。徳島戦は前半にリードを奪い、心理的にもある程度の余裕を持ってゲームを進めることができたました。今節も前半にリードを奪って、引き続きボール保持を高めて時間を味方にする戦い方で90分を進めたいところかと。

 局面では讃岐が得意とするセットプレーに注意しつつ、ハイプレス&ハイラインで陣形を圧縮しトランジション戦で優位に立てれば、ほぼ一方的に押し込むこともできるでしょう。

 手負いの讃岐に対して、怪我人ゼロで連勝を狙うジェフ。

 ここはアウェイで手強い讃岐相手ですが、是が非でも勝ち点3を持ち帰りたい。

 連戦を連勝できれば勢いも出てくるでしょうし、それがターンオーバーで選手を入れ替えての勝利となれば自信も得られますし、勝ち点3に加えて価値の高いものになりそう。まさに踏ん張りどころのゲームと言えそうです。

 

 北野監督の下で複数シーズン戦ってきた選手が多い讃岐は、戦術理解度や団結力の面で決して侮れません。

 ジェフは讃岐より順位も上位ですし、実績でも讃岐より上かもしれませんが、侮れない相手であることを忘れずに、自分たちの新たなスタイルをピカスタのピッチで披露して勝利を勝ち取ってもらいたいです。

 

 それでは皆さん、サッカーがたくさん観られる幸せな連休を愉しみましょう。

 では、また!

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