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サッカーをデータで視てみよう

サッカーに関するあらゆるデータを可視化してみるブログ

【ジェフ千葉】京都サンガF.C.戦プレビュー ~昇格候補同士(フレンズ?)、データでくらべてみました~

2017 明治安田生命J2リーグ 第5節

湘南ベルマーレ 2 - 0 ジェフユナイテッド市原・千葉

得点者:31' ジネイ / 76' 奈良輪雄太


【公式】ハイライト:湘南ベルマーレvsジェフユナイテッド千葉 明治安田生命J2リーグ 第5節 2017/3/25

 

  「ハイプレス」を特徴とする両者の戦いは、過去5シーズンに渡ってスタイルを磨き上げてきた湘南に軍配が上がる結果になりました。

 敗戦の弁で「気持ちの欠如」に言及したエスナイデル監督。

 確かに、終盤の2失点目以降、前に出る体力も戦意も残っていなかったようにも見え、歯がゆさから思わず口をついて出てしまったのかもしれません。

 

 名古屋、松本山雅、湘南と、前評判では「昇格候補」筆頭を争う3チームとの連戦で、1勝2敗。勝利できた名古屋は千葉と同じく風間新監督の下で新しいサッカーにチャレンジしている最中。連敗となった山雅と湘南は長く同じ指揮官の下、スタイルの熟成が進んだ完成されたチーム。

 スケジュールが発表になった折、サポーターの誰もが序盤のヤマだと思っていたであろう5節までの3連戦。実力は備えながらその実情は少し異なる3チームとの対戦を通して、まだ第5節という序盤で様々な課題や手応えを得られたことは、負け越しはしましたがこの先の戦いに必ずやプラスに働くものと信じたいです。

 

 戦績は、2月末の開幕から3月の第5節までを終えて、2勝1分2敗、勝ち点7の12位。星取りはイーブンながら、首位湘南は既に勝ち点13。まだ5節を追えたばかりですが、ジェフは現在連敗中。この先上位戦線に残っていくためにも、4月前半のホーム連戦は是非とも連勝したいです。

 明けて4月1日土曜日の第6節に迎えるは、京都サンガF.C.

 ジェフ千葉よりも遅れること1年、2011年に降格後J2生活7シーズン目を迎える、悩める「昇格候補」仲間(今年は、フレンズって呼ばれそう...)

 

 両クラブ、なかなか昇格できないシーズンが続き、いつしかSNSなどでは、「わたしたち(千葉と京都)は、ずっと一緒...“ズッ友”だよ!」などというネタがお約束のように呟かれるようになってしまいました...(←笑えない

 

 本エントリでは、そんな万年「昇格候補」であり続けているジェフ千葉京都サンガについて、ほんとうに似たもの同士なのか、ソースも様々なデータを引用して、可視化多めで比較をしてみようと思います。

(ゲームスタッツ、戦術のプレビューは最後に載せましたので、前半のネタ的データ比較は飛ばしてくれて構いません^^;)

 

データはご覧の提供でお送りします。

www.football-lab.jp

www.jleague.jp

観戦者調査:About Jリーグ:Jリーグ.jp

 

 

 まず、千葉、京都がJ2で共に過ごした6シーズンの戦績について下記表にまとめました。

 

 【表1】ジェフ千葉京都サンガF.C. 2011-2016シーズン 戦績の比較

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  京都サンガは上記表にある2011年から、今季FC岐阜を率いている大木監督の下で3シーズンを戦い、12年、13年は昇格POに進出。

 その後、14年のバドゥ監督就任からやや低迷し、川勝監督、和田監督と2シーズンで監督が3人変わるなど安定しない時期を経て、昨季2年目の石丸監督の下で3度目の昇格POに挑みましたが、準決勝でセレッソ大阪に敗れ7年目のJ2生活と今季なったのでした。

 千葉も12年から3年連続で昇格POへ進出(いずれも昇格ならず)も、毎年監督が変わる継続性の無さは相変わらずで、15年、16年と久々に複数年指揮した関塚監督政権下でしたが順位は9位、11位と下降線を辿る始末。

 そんな千葉・京都について、下記図に過去6シーズンの順位と勝ち点のグラフをそれぞれ可視化しました。

 

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【図1】ジェフ千葉京都サンガF.C. 2011-2016シーズン 最終順位と勝ち点の推移

 

 グラフは縦軸に勝ち点を、ラベルに最終順位を記しました。12年~15年までの両チームの下降っぷりは、何やらシンクロしているようにも見えますね...

 

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【図2】ジェフ千葉京都サンガF.C. 2011-2017シーズン 第5節までの順位と勝ち点

 

  あと、現在連敗中の千葉、京都ですが、まだ第5節を終えたばかりですから、一喜一憂することもないよ...ってことで、今季ここまでと過去6シーズンの第5節終了時点の勝ち点・暫定順位と最終順位(カッコ内数字)を併せて載っけておきます。

 京都は、勝ち点3で過去最低の滑り出しにはなっていますが(だ、大丈夫だからっ!)、そこまで悲観することもないと思いますし、千葉も過去第5節までで勝ち点7だったシーズンでも、最終的には3位まで上り詰めましたから、一喜一憂しないことが大事です!

 

  次にちょっと毛色の異なるデータからの可視化を載せます。

 

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 【図5】ジェフ千葉京都サンガF.C. スタジアム観戦者の観戦意識の評価スコア偏差値

 

 先日発表されたJリーグの「スタジアム観戦者調査サマリーレポート2016」から。ご覧いただくと様々な示唆に気づくので、是非ご一読されることをおすすめします。

 図5はスタジアム観戦の「動機やきっかけ」について、それぞれの選択肢を段階評価したスコアを偏差値化して、千葉・京都のスコアをそれぞれプロットしたもの。

 点線で書き足した箇所が偏差値50のラインでして、ここより高いか低いかで、Jリーグ全体に対してどうなのか、という見方ができるかと。。

 ざっとプロットしてみて少々切ない気持ちになる可視化になってしまいましたが、千葉も京都も軒並み偏差値が50を下回っていまして...

 千葉は、「サッカー観戦が好き」、「スタジアムのイベント・グルメ企画が楽しそう」という項目だけ50オーバー。

 京都も「対戦相手が魅力的」(えっ?、自分のチームは?)、「クラブの成績」(えっと、まだ昇格は...)、「チケットを貰ったから」(貰ったんならしゃーない)、の3項目のみ。

 評価の低い項目については、あえて字数を割いて言及するつもりはありません(あれ?涙で画面が...)。

 

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 【図6】ジェフ千葉京都サンガF.C. スタジアム観戦勧誘・被勧誘行動

 

 図6は勧誘/被勧誘行動について。

 ドーナツの内側が「勧誘」(誘ったかどうか)、外側が「被勧誘」(誘われたかどうか)。千葉、京都とJ2全体との比較で。

 まず、千葉の勧誘行動から見ていくと、「よく誘う」、「時々誘う」を合わせると、勧誘をした人の割合は5割を超えてきて、J2全体ともほぼ一致する水準に。

 対する京都は、勧誘行動は5割弱と半数に達しておらず

 被勧誘を見ると、千葉は「よく誘われる」、「時々誘われる」を合わせて約3割が回答。被勧誘は京都もほぼ同様の割合ですが、J2全体では3割強ほどあるので、両チームやや低め。

 観戦者調査はある1試合の観戦者に対して行われますので、同じ母数・サンプルに対して、5割前後の勧誘者と3割被勧誘者(必ずしも誘い・誘われた人が同じ試合にいるわけではない)という発生確率になる構造は、概ねどこもそうなのかな、という印象ですね。

 

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【図7】ジェフ千葉京都サンガF.C. スタジアム観戦同伴者

 

 図7は同伴者がどういう関係の人かというもの。

 複数回答ではあるのですが、Jリーグ全体では、5割が家族連れ、3割が友人と、2割弱がひとり観戦という分布

 一方、千葉・京都ともに「ひとり」が多めで、千葉は「家族」が多く、京都は「その他」が多い(その他ってなんだ...会社関係?)。

 千葉、京都ともに「友人」同士の観戦割合が1割近くリーグに比べて低い

 お互い、スタジアム観戦 "フレンズ"、増やそうな、、なっ!

 

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 【図8】ジェフ千葉京都サンガF.C. 主な情報の入手経路

 

 図8は、サッカー、Jリーグ、応援するチームの情報入手経路(媒体)

 千葉は、リーグ全体と比べても「インターネット(WEBサイト、SNS」の割合が高く、京都とは1割程の開きが。

 対して、京都は「新聞(一般紙)」が強い。

 西日本は、まだ紙媒体が根強いからなのか、それともネットが弱いのか、、ここはサンガ・サポーターさんに聞いてみたいところです。

 

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 【図9】ジェフ千葉京都サンガF.C. シーズンチケット購入理由

 

  図9が観戦者調査からは最後の可視化。

 シーズンチケット購入者の「購入理由」(複数回答)

 京都の「クラブに愛着」の項が著しく低いのですが...それでいいんですか??代わりに「個別で買うより安い」という実利を取ったよという回答がやや高め。

  千葉は「席の確保」がリーグと比べても著しく高く出ていまして、フクアリというサッカー観戦がしやすいスタジアムならではの理由なのかなと推察できますね。

 

 ざっとここまで、千葉・京都互いのJ2生活の振り返りとスタジアムに訪れるファン・サポーターの意識までを可視化多めで比較してみました。

 J2では充実の戦力を擁し、過去何度か昇格に手がかかりながらもあと一歩のところでJ1へ上がれずに、J1の頃の記憶が徐々に薄れつつある両クラブ。

 サポーターの意識の面でも、サッカーチームとしての魅力、求心力にちょっとビハインドな傾向が顔を覗かせていることなど、「ズッ友」もとい「J2フレンズ」と呼んでも、ある意味差し支えないかもな、、と思えてしまう形が浮かび上がってきたなと。

  「わたしたち、昇格するときは、一緒だよ!」と言うか言わんかは、知りませんが、、お互い気になるチームであることは今後も変わりないのだろうなと思います。

 

 

 はてさて、本題のマッチプレビューはここから^^;

 

 千葉はアウェイで連敗中。京都は3連敗中で迎える第6節です。 

 共に今季新監督を迎えて、リスタートを切ったという意味では一緒。

 「ハイライン&ハイプレス」で積極的・攻撃的スタイルを実践するジェフ千葉に対して、布部監督が率いる京都はというと、ボールを繋いでポゼッションを高めるスタイルを実践したいのかな?という感じでしょうか。

 ボール支配率は、現在千葉がリーグ2位(59.2%)で京都は5位(52.3%)。

 このデータが、意図を持ってのボール支配率か、相手に持たされた結果かはさておき、今節はどのような戦いが繰り広げられるのか。

 まず、ゲームスタッツの比較から入りますが、上記ボール支配の比較などは現段階ではあまり意味がないかなと思い、共に監督が変わったということで、昨シーズンと今期ここ5節まででどのようにサッカーが変化しているのかを、「攻撃時/被攻撃時のアクション」で比較してみたいと思います。

 

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 【図10】ジェフ千葉 昨季平均-今季第5節までのアタッキング指標の推移

 

 ちょっとごちゃごちゃしていますが、千葉・京都それぞれひとつの図に指標を詰め込みました。。

 見方は、上側が攻撃時のアクション、下側が被攻撃時のアクション(相手アクション)になっていて、棒グラフが攻撃回数/被攻撃回数、折れ線が凡例の通り、ドリブル、クロスの成功率とシュート到達率(シュート数÷攻撃回数)になります。

 左端が昨季の平均。その隣から左にかけて第1節~第5節となっています。

 

 まず順にジェフ千葉から。

 顕著なのは、攻撃回数の増加

 この指標が、今季のジェフを観ていて感じるスリルと面白さを左右するデータと言えそうです。

 まだ5節終えただけですが、既に攻撃的スタイルは一定の浸透がなされていることを思えば、攻撃回数のアベレージが昨季を上回るのは自明かなと。。

 攻撃回数、すなわち相手陣内に向けてのボール前進と言い換えられるのかなと思いますが、「どうやって?」という問いに対するひとつの解として、ドリブル、クロスの成功率」をプロットしてみました。

 クロスに関してで言うと、ジェフは今季ここまででクロス数がリーグ1位になってます(昨季は3位)。回数で言うと1試合平均20回超え。一方のドリブルに関しては、約10回で11位(首位は岐阜の18回)。

 クロス数の増加は、昨季4バックだったのが、3バック+WBとなって、WBのところが大外に張って攻撃の幅を作り出す形を採用しているためかなぁと想像できます。

 被攻撃に関しても同様の指標をプロットしてますが、こちらも被攻撃回数の増加が顕著。ハイラインの裏を狙ってのスルーパスや放り込みもカウントされるとなると、自ずと増えていくのだろうなと。

 

 クロス、ドリブルの実数は載せていませんが、攻撃回数に比して増えているわけではないということを一応記しておきます。それも踏まえての成功率の変動を見るに、効果的なクロスによるボール前進、または決定機創出はまだ多くはない印象。

 前節の湘南戦について言うと、クロスが成功しなかった一方で、相手のクロスは成功していて、これが出し手・受け手どちらで阻害できなかったのかは気になるところ。

 ドリブルに関しても、松本山雅戦は相手が引いてスペースを消したことで、やはり成功率は著しく低くなっています。

 

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 【図11】京都サンガF.C. 昨季平均-今季第5節までのアタッキング指標の推移

 

 京都サンガの可視化も見方は同じ。

 山形戦と長崎戦の前半の映像を見ると、後方から繋ぐ時はきっちり繋いでボール前進を試みているな、という印象です。相手のプレスがキツい時は前線のイ・ヨンジェ目掛けて単純に蹴り込みます。

 可視化はジェフ千葉と見方を揃えるために、パスではなく、クロス・ドリブルを被せてます。

 直近3連敗中ということもあり、昨季と比較すると特に被攻撃時の被クロス・被ドリブル成功率の高さが気になるかな、と。

 ただ、ジェフとは少し異なって攻撃回数・被攻撃回数は昨季と比べてもさほど増減している印象はなさそう。

 攻撃に関して言うと、ドリブル成功率が、攻撃回数の多寡とややリニアに連動しているように見えなくもない...

 京都のドリブルを担う選手というと、右WBの石櫃選手かなぁと。または、中盤でボールを引き出す小屋松選手も非常にテクニカルで厄介な存在。ボールを受けて外に相手マーカーを引き連れる動きをしたりしますね。

 

 今度は千葉・京都、それぞれ攻撃回数・被攻撃回数はそのままに、守備時のアクション(被アクション)はどうだったかを、下記図で連投します。

 

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【図12】ジェフ千葉 昨季平均-今季第5節までのディフェンディング指標の推移 

 

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 【図13】京都サンガF.C. 昨季平均-今季第5節までのディフェンディング指標の推移

 

  上側が攻撃時、下側が被攻撃時はそのままに、それぞれタックル/被タックルの成功率、クリア/被クリアの試行率はどうだったかを被せています。

 上側の棒グラフは千葉、京都の攻撃回数で、それに対する相手チームのタックル成功率とクリア試行率を折れ線で描いています。下側はその反対に受けた相手の攻撃に対する千葉・京都の守備時アクションという見方。

 ジェフ千葉から見ると、直近連敗した試合では、特に被タックル成功率が80%を超えるなど、ちと高かったなと。どういった場面でのタックルなのかは色々ありましょうが、球際での守備で引っかかることが多かったのでしょうか。

 一方、直近2試合のクリア試行率は低めになっている。いずれの試合も先制されたシチュエーションだったので、ジェフとしては追いつくべくクリアで逃げずに、ボールを保持したい意図が出たのかもしれません。

  京都はタックル/被タックル成功率は、直近3試合はいずれも低め。

 福岡、岡山、長崎相手に3連敗でしたが、いずれもセットした守備が堅そうなチーム。攻守が頻繁に切り替わるトランジション戦というより、京都がボールを保持して相手が待ち構えるという展開が多かったのでしょうか。

 

 ここまで、攻撃/被攻撃時に分けていくつかのアクション指標を可視化、比較してみましたが、いずれも新監督の下でまだまだスタイル構築の道は半ばかなと。

 とはいえシーズンは進みますし、千葉・京都双方とも連敗している状況を打開するべく、今節は勝ち点3が否が応でも欲しいはず。浮上のきっかけをどちらが掴むのか、序盤の節目となりそうな一戦と言えそうです。

 

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【図14】ジェフ千葉 第6節 京都サンガF.C.戦 予想スターティング・メンバー

 

  スタメン予想は上記の面々。千葉・京都、共に何人かの怪我人が出ていますね。

 ジェフ千葉は10番の町田也真人に加えて、ここまで全試合に出場していた船山も離脱の模様。

 似たスタイルの湘南が千葉戦で人を入れ替えたように、もしかしたらこのホーム連戦で誰かを休ませるかもしれませんね(アランダ、サリーナス、北爪あたり?)

 

 京都サンガは、闘莉王エスクデロの攻守二枚看板が怪我で離脱中。ルーキー岩崎もドイツのU-20代表合宿から帰国したばかりで、コンディション面は未知数。

 並びはいずれも3CB+WBで、千葉は3-1-4-2、京都は3-4-2-1(3-4-3)。今回もシステム上のギャップはできにくい噛み合わせになりますね。

 

 どちらも攻撃、ゴールを奪う部分に停滞感が漂っているようですが、おらがジェフユナイテッド市原・千葉の攻撃に関して、湘南戦でいくつか見られた決定機創出の事例を詳述していこうかなと。

 

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 【図15】ジェフ千葉 相手WBの裏を突いたサイドアタックの事例①

 

  上記は湘南戦に見られたサイドからの崩しでして、CB→WBからのビルドアップ、ボール前進の場面です。

 右に現時点のクロス、ドリブルの「CBP(Chance Building Point)」順のランキングを併記しました。クロス、ドリブルにおいてジェフの選手では誰が多く貢献しているかを見てみたく。(CBPの定義は下記参照)

www.football-lab.jp

 

 3CB+WBが相手の場合、フィニッシュワークで効果的に使いたいのが、相手両脇のCBとWBとの間のハーフスペース、つまりはWBの裏ということになります(ジェフにとっても泣き所)。

 ここにボールを送り込むことで、ボールサイドのCB食い付かせ、中央の守備者も横ずれさせてゴール前を手薄にしたい意図があります。

 湘南戦の後半はじめに、CB→WBとボールを運び、相手のWBが当たりに出てきた時に、インサイドハーフとのワンツーでWBが抜け出してからのクロス、またはボールサイドのFWが外に流れてボールを引き出し、数的優位を活かしてニアサイドを崩す形が見られました。

 上記に詳述した右サイドで言えば、やはり北爪の走力を活かしたい。

 チームの中でも、そして現在リーグでもクロスにおけるこのCBPランキングでトップをいく北爪。ラストパスも10本を数えます。

 「あとは精度!」と言われ続けているだけに、クロスからのアシスト量産が待たれますね。

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 【図16】ジェフ千葉 相手WBの裏を突いたサイドアタックの事例②

 

 こちらは、CB→WBまでのビルドは同じなのですが、WBに捕捉されてインサイドハーフを使えない場合のソリューション。

 湘南戦の前半でしたが、比嘉がWBを引き連れながらサイドを落ちてきて、西野にリターン。サリーナスがその空いた相手WBの背後を取って西野の鋭いダイレクトの縦パスを引き出したシーン。

 そこからサリーナスであれば縦に仕掛けて相手CBを側面から崩すか、シンプルに左足クロスを上げることができるでしょう。

 今のところ、CBPの上ではドリブルにおいてはあまりサリーナスはそこまで効果的なプレーができていないという評価。

 ドリブルはフリーの状態でのボール前進と、相手を抜き去るものと二種類あり、このCBPでは後者のみを対象としているとのこと。

 サリーナスはどちらかというと、前者でのボール前進を担っている印象ですから、サイドでボールを引き出した際は、むしろシンプルなクロスの方が彼の高精度のキックが活かされるかもしれない。

 その際、ターゲットになるふたりのFWに加え、反対サイドのWBもファーサイドから突っ込んで急襲できれば、相手DF陣の混乱を誘うことができるでしょうから、両WBには走力面でのハードワークが求めていきたい。

 

 先程の北爪のワンツーもそうですが、ポジションによるギャップが生まれにくい3バック+WB相手の崩しでは、精度とスピードが伴ってはじめてこうした崩しが成立します。

 図15では、インサイドハーフの山本が相手のボランチに捕まる前にはたけるかでしょうし、図16であれば相手シャドーのスライドが間に合う前に縦パスをつけられるか。

 千葉のビルドアップに対して相手の1トップ2シャドーは、スライドによるアランダの監視とボールホルダーへのプレスがセオリー(松本山雅戦参照)になり、同時にシャドーの選手は千葉のCB→インサイドハーフへのルートも封鎖してくる。千葉はここをはやいパス交換でいなしてスライドの遅れを突いていきたい。

 

 一方の京都もボール保持を高めてくるものと思われますが、千葉としてはハイプレスの原点に帰って、鋭い出足で京都のビルドアップを破壊していきたいです。

 また、サイドでの優位性を作るには、WBが前目にポジションを取って相手のWBを釘付けにできるかにかかってくるでしょう。開幕戦の町田戦などは大外に張って相手のSBを牽制できたことで、サイドチェンジが活き、ダイナミックなカウンターが展開できた。

 京都の右WB石櫃は縦への推進力と強力なミドルシュートが武器。映像でも前目にポジションを取って積極的に仕掛けてきますから、彼を相手陣内に押し込める展開に持ち込めれば、千葉がやりたい攻撃をより多く出せる状況が作り出せるでしょう。

 3CBで中を締める相手に対するフィニッシュワークの精度、連携に不安があるも、ここはシンプルにラリベイや指宿の高さを活かすべくWB裏からのクロスを本数多く放り込んでいくのが良いのかなと。

 湘南戦でも前半はクロスから決定機が作れていましたし、スタメンで左WBに入った比嘉も試合後クロスの少なさについてコメントしていたかと。ここのクロス数増の成否は、正確なクロスを供給できる時間とスペースを作る崩しができるかどうかにかかってくると思います。

 まだ、ここまでクロスからの得点は無いので京都戦では両WB、またはインサイドハーフによる相手WB裏からのクロスによるゴールが出るかに注目したいです。

 

 「昇格できないフレンズ」同士だった過去6シーズンに、別れを告げるのはどちらか(あるいは揃って昇格?)。

 明日の対戦、いろんな意味で京都との絆を感じつつ、熱い試合を楽しみたいと思います。

では、また!

 

WIN BY ALL!!

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