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サッカーをデータで視てみよう

サッカーに関するあらゆるデータを可視化してみるブログ

【眠れる日本代表候補たち】ハリルジャパンに選ばれなかった海外組選手たちの現状まとめ

ASIAN QUALIFIERS GROUP B

 UNITED ARAB EMIRATES vs JAPAN

 Al Ain City(Hazza Bin Zayed Stadium)

 23 Mar 2017 / Kick Off 19:30 (Local Time)

www.fifa.com

 

2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会 アジア最終予選

 UAE代表 vs 日本代表

 2017.03.24 / キックオフ 0:30 (日本時間)

www.jfa.jp

 

 2018年ワールドカップロシア大会出場をかけた戦いが、いよいよ後半戦へと突入します。23日深夜、明けの24日午前0時30分キックオフで幕を開けるのは、ホーム初戦でよもやの敗戦を喫したUAE代表とのアウェイ決戦。

 ここまでの最終予選、日本がいるグループBの星勘定を見るに、日本、UAEサウジアラビア、そしてオーストラリアが勝ち点1差でひしめく4強の様相を呈しており、自動出場権を得られる上位2位に食い込むためにも、各国残り5試合、及び直接対決でひとつも星を落とせない状況となっています。

 

 負けが許されないこの3月のUAE、タイとのラウンドを戦う日本代表メンバーが、今月の16日にハリルホジッチ監督から発表されました。

 今回のセレクションの注目点となったのが、「本田圭佑選出の是非」ではなかったでしょうか。

 セレクションは代表監督の専権事項ですから、是も非もなく監督が責任を負うべきことだとは思うのですが、その当のハリルホジッチ監督が前回のサウジ戦の折に発言したとされる下記のような内容が、今回のセレクションにおける議論の発端となっています。

 

所属クラブで出場機会が得られないのであれば、出場機会が得られるチームに移籍するかレギュラーを勝ち取らない限り、今後代表チームには呼ばない。

 

 この発言自体は、もっともな意見、考えでありますし、代表チームの競争を促す上では、選出される選手の入れ替わりがあって当然かなと。

 しかし、ながら今回のセレクションでは、ACミランで出場機会を得られていない本田圭佑や、長谷部、大迫、原口、酒井高徳らと同じブンデスリーガでの活躍があまり耳に入ってこない宇佐美が選出されたことで、ハリルホジッチ監督の発言と決断が一貫性を欠いているのではないか、と厳しい批判・批評が周囲で上がっているのかなと思います(決して本田、宇佐美は悪くはないですし、個人的にふたりの能力に疑いの余地を挟むつもりもありません)。

 

 かねてより、ハリルホジッチ監督は欧州主要リーグとJリーグとを比較し、プレーのインテンシティや選手のフィジカル・フィットネスの面で大きな開きがあることを指摘してきました。Jにいる才能ある選手たちは積極的に海外、特に欧州主要リーグでプレーの場を移すべきとの意見も述べていました。

 代表選手のセレクションにおいても、その選手がJリーグに所属しているか、海外リーグに所属しているかという「Jか海外か」という指標は、ハリルホジッチ監督の中でも大きな重要度を占めているかと思います。

 加えて、実戦経験を積めているかという部分について、前回の最終予選で出た意見なのですが、これは「Jか海外か」以前の指標であろうかと思います。

 これが、今回のセレクションでは優先順位(という発想があるかは分からない)が逆転してしまっていて、周囲から「試合に出ていなくても海外組だから選ばれる」という捉えられ方がなされ、以前からある議論がまたも繰り返されることに...

 

 正直なところ、どっちだろうと結果さえ出せば、そうした雑音を黙らせることができますし、監督の判断も正しかったことになる。それが、最終予選というものだと思います。

 

 本エントリでは、そんな議論渦巻く日本代表選手のセレクションに関して、今回選ばれることのなかった海外リーグ/チームに所属する、「眠れる日本代表候補」の選手について、海外での出場記録のデータを集め、今後ハリル・ジャパンに選ばれる見込みはありそうかどうか、簡単に可視化を試みました。

 

まず、今回のセレクションを所属先別で見ると、下記ツイートのような内訳になっています。

 

 

 海外組は14人、Jリーグからは11人という陣容。半数以上が海外組となるのは、今となっては珍しくもないと思います。今回は中東アウェイということで、欧州からの移動距離が短いため、むしろ欧州組は移動の負担が軽いという見方もできるかと。

 

 海外組が多いか少ないかは問題ではなく、代表選手における海外組/Jリーガーが増えた減った、については個人的には特に関心はありません。全員海外組、または全員Jリーガーであっても、結果さえ残してくれさえすれば立派な我らの日本代表なのですから。。

 

 さて、この14人と同じく「海外組」にカテゴライズされながら今回ハリルジャパンには選出されなかった選手を、下記にまとめてみました。併せて議論の渦中にあった選手、本田と宇佐美についても同様のデータで比較できるよう一覧に含めています。

 

【表1】海外リーグ/チーム所属 主な日本人選手一覧

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 ざっと私が思いつく所とメディアでチラッと名前を見る選手たちを揃えてみました。当然、ここのリストにない海外組の選手も数多くいることをエクスキューズとしてまずは述べておきます。。

 上記対象者表の並び順は、「国際Aマッチ出場試合数」降順にソートしています。つまり、上位ほど過去日本代表として多くピッチに立ってきた代表の主力と呼べる選手たち。 

  グレーで色付けされているのが、本田と宇佐美は今回のセレクションで代表に選ばれたふたり。

 最上位は紛うことなき、本田圭佑

 2010、2014年とワールドカップに2大会出場。これまで日本代表の中心選手であったことは紛れもないことかなと。

 そんな本田ですが、メディアで報じられているとおり所属するACミランではベンチどころか、ベンチ外となる週の方が多く見受けられる始末。。

 セリエAは現在29節まで消化しているものの、本田の今季公式戦出場数はコッパ・イタリア1試合を含めても6試合、時間にしてたったの96分です。

 

 ここまで稼働していないミランの背番号10番も近年では珍しいのかなと、ちょっと切なくなってしまいます。

 ウィンターブレイクでの移籍も模索していたようですが、結局今夏オフまでミランに残留することを選択した本田。

 このままオフまで試合に出ることなくミランでの契約を満了となってしまうのか、、

 

 本田に継ぐ位置というと、シャルケ内田篤人でしょうか。

 内田に関しては長らく故障した膝の治療・リハビリに時間を費やすこととなったため、本格的な実戦復帰が待たれる状況かと。ここは本田とは事情が異なるかと思います。

 さらに見ていくと、細貝、乾、武藤ら最近までは日本代表に選ばれていたはずの面子が。

 武藤は一時負傷でマインツの戦列を離れていたのかなと思いますが、細貝や乾といった海外リーグでの経験豊富な選手がセレクションから漏れているのは、意外な印象も受けますね。

 今回、主将でボランチの主軸である長谷部誠が直前のリーグ戦で膝を痛めて、今回のラウンドに帯同しないことが決まり、代役と目されるボランチにはガンバ大阪今野泰幸が選出されました。

 長谷部の代役というと、これまでは細貝なのかなと思うことも多かったのですが、ハリルホジッチ監督の中では序列はあまり高くないのかも。。

 どちらかというと、細貝の持ち味であるボール奪取に長けたタイプということであれば、山口蛍が序列としては高いのかもしれません。

 

 同じく、リーガ・エスパニョーラのエイバルで今季は19試合に出場している乾も細貝と同様、セレクションから漏れていることに意外な印象を抱く選手のひとり。

 起用される位置となると、4-4-2/4-2-3-1の左SHなのかなと思いますが、現在このポジションはヘルタ・ベルリン原口元気が収まっている印象。

 とはいえ、乾のような高い個人技を持ち味とするアタッカーは途中投入で流れを変える役目を担うことが多い。

 その点、アウクスブルクでの出番がたった8試合に留まっている同ポジション起用が濃厚な宇佐美が今回はこの役割を担うのではないかと思われます。

 

 今回のセレクションの争点からは外れてはいますが、今後の活躍次第で代表メンバーに食い込むポテンシャルを有するのが、アギーレ監督時にボランチの一人として何度か代表選出された柴崎岳ではないでしょうか。

 今年はじめにリーガ2部のテネリフェに移籍後、体調不良などでトレーニングにも加われないなど心配されていましたが、ようやく先日途中出場ながらリーガ・デビューを飾ったとのこと。

 FWや攻撃的MFなど、欧州へ移籍し活躍する選手の多くは、前線のワーキング・タイプ、つまりボールを受けてから仕事をするタイプ。つまりは、「使われる」ことで持ち味を発揮するタイプ。

 一方の柴崎岳は、前所属の鹿島においてそうであったように、中盤後方からボールを配給し、前線のワーキング・プレーヤーを動かす「プレーメーカータイプ」の選手。

 長らくこうした攻撃のタクトを振るタイプの選手が海外で地位を築くことがなかったので、個人的には柴崎の成長、飛躍に期待しています。

 

 表1のメンバーの中では、柴崎までが国際Aマッチ出場試合数で二桁を数える選手たち。

 これまでは日本代表の経験が少ないながら海外リーグ/チームで活躍を続ける選手らについて、散布図を用いて本田、宇佐美ら代表経験豊富な選手らとの比較をしてみたのが、下記の図1と図2です。

 

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 【図1】日本代表でのA出場試合数マッチ出場試合数と今季所属チームでの稼働率の散布図

 

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【図2】海外リーグでの累計出場実績と現所属チーム今季稼働率との散布図

 

 図1は横軸に国際Aマッチの出場試合数、縦軸に今季所属チームにおけるリーグ戦稼働率(出場試合数/今シーズン消化節数)を取り、代表での実績と今現在の活躍の度合いとの位置関係を見たかったというもの。

 本田と内田が右下のかなり外れたところに布置していますが、代表での実績が多くあるものの、今季はあまり出場機会が無いことを表しています。

 

 図2は縦軸はそのままに、横軸に海外移籍初年度から2017年現在までの累計の海外リーグ、所属チームにおける出場試合数を取りました。

 ナショナルチームでの実績ではなく、海外移籍後の実績の多寡と今季の稼働率とのクロスで見たかったというもの。

 いずれの可視化も縦方向に高ければ、所属先で一定の出場機会を得られている主力選手として活躍している度合いを示します。つまり、縦軸で上位に布置している選手は、ハリル監督が言う所の(今回は履行されては居ない印象だが)所属先で出場機会を得る、という部分はクリアしているということになります。

 

 図1では大半の選手が縦軸での高低はあるものの、左端に張り付いてしまっているかなと思います。

 図2と比べてみると、日本代表ではあまり実績が無いけれども、所属チームではちゃんとポジションを得て活躍している選手が浮かび上がってくるかと思います。

 

 特に今季所属チームで90%以上の稼働率を示しているのが、ポーランド1部リーグ・ヴロツワフのMF森岡亮太と、リーガ2部・タラゴナのDF鈴木大輔

 前者、森岡は前述の柴崎と同様ボールを動かしながら自身も前線と絡んでゴールを奪う攻撃的MF。後者、鈴木はロンドン五輪の主力CBだったDF。

 二人とも海外リーグでのプレーは2シーズン目。

 ポーランド、スペインの2部と欧州主要トップリーグとは言えないリーグ所属ではありますが、海外でのプレー経験を積んで今後はより上のレベルを目指してステップアップしていければということかと。

 

 ハリルホジッチ監督がその名を口にしたことで、その名が知られることとなったのがブルガリアリーグのPFCペロエ・スタラ・サゴラでボランチとしてプレーする加藤恒平

 既に4シーズンを海外リーグでプレーしている27歳の加藤は、かつてジェフユナイテッド千葉の下部組織、その後J2の町田ゼルビアなどでプレーしたのちに渡欧。モンテネグロポーランドのチームを経てブルガリアリーグで戦うこと選択。

 欧州トップリーグではなくとも、海外リーグでの戦いで揉まれることで、実力を高めてきた好例ではないかなと。今季も15試合に出場し、積み上げた出場試合数は140を数えます。

 ハリルホジッチ監督ら代表スタッフがその状況を追跡していながら、メンバー選出は未だなし。無名の東欧帰りのボランチは、果たしてブルーのユニフォームを着てピッチに立つ日が訪れるのか...

 

 そして、長谷部誠が離脱したことで、ひっそりと囁かれ始めたのが世代交代の必要性。いつまでもマコ様におんぶに抱っこで良い訳が無い...

 若い世代に目を向けると、リオ五輪の主力だった南野拓実、背格好や左利きであることなど本田と似ていると評される小林祐希、高卒で渡欧し今季で海外生活8シーズン目を数える宮市亮らも、A代表経験は乏しいながら所属先での出場機会を着実に積んでいることが分かります。

 また、日本ではあまり扱われない北米MLS(メジャーリーグ・サッカー)で、昨季ドラフト1位選出でトロントFCへ加入した遠藤翼というアタッカーも、かつてもは年代別代表に選出されるなどポテンシャルは十分備えているでしょうし、ルーキーイヤーながら昨季は20試合以上に出場している。

 

 ハリルホジッチ監督の選手への評価において、「Jよりも海外」を重視する姿勢は今後も変わらないのではないかと思います。これは、ハリル監督に限らず欧州でそのキャリアを多く過ごした指導者ならば、そう考えるのは自然な事かもしれません。

 Jか海外か以前に、まずは所属先で試合に出て活躍している、「」な選手が選ばれるということが、代表チーム内の競争、戦力の新陳代謝と底上げという観点からも、健全であろうことは自明かと。

  所属チーム、そしてそのリーグのレベルの差こそあれ、Jリーグではない海外リーグで戦う「旬」な選手は、まだ多くいることが出場実績のデータを眺めることでわかりました。

 とはいえ、出場機会を得ていることは最低限の事であり、そこから日本代表に選ばれるにはそれ相応のプレー水準にあることと、監督が求めるプレーモデルで活きる、日本代表という組織の駒として活きる、と判断されて初めてセレクションのリストに名前が加えられることになる。

 試合に出続けることの難しさは、やはりJリーグよりも海外リーグ/チームの方が様々あるように思います。日々の生活における文化や習慣の違いなど、サッカー外の環境でも適応が求められる訳ですから、様々なストレス、刺激があるはずですから。

 

 欧州の主要リーグに所属している選手でなければ、なかなか映像でそのプレーを見ることは難しいので、普段多く目にしているJリーグの選手の方が印象としては分かりやすいですし、情報が多い分特徴を理解しやすい。

 出場記録のようなデータでしか追えなかったりはするのですが、今後も彼ら「眠れる日本代表候補」の状況は機会を見てウォッチしていこうと思います。

 試合に出続ける限り、所属先では決して「眠れる」選手では無いでしょうから。

 

 では、また!

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