サッカーをデータで視てみよう

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ジェフ千葉 ホーム最終戦 コンサドーレ札幌戦プレビュー ~データで徹底比較・特別編~

 明治安田生命J2リーグ 第41節

ジェフユナイテッド市原・千葉 - コンサドーレ札幌


混迷の自動昇格争い、J1昇格プレーオフ争いの行方は…!?【明治安田J2】

 

 某有名サポさんのツイートを発端にアウェイ席数問題がすこーし燃え上がった今週。。アウェイサポさんを迎えるおらがジェフ千葉サイドとしては、毎節どこのチームがいらっしゃろうが「つつがなく」運営して参りましたし、明日もつつがなく運営されることと思います。

 ジェフ千葉の選手、スタッフ、ボランティアの皆さま、そしてサポーター一同、フクダ電子アリーナというスタジアムでサッカー観戦を楽しんでもらおうと、いつどんなときでもアウェイでいらっしゃるサポの皆さんをお迎えしていますよ~!

 

11月12日(土)札幌戦 当日券販売のお知らせ | 新着情報 | ジェフユナイテッド市原・千葉 公式ウェブサイト

 

 とまあ余談はここまで。。さて、今節のプレビューに参りたく。

 

 おらがジェフユナイテッド千葉がホーム最終戦に迎えるは首位コンサドーレ札幌

 データ比較に入る前に、残り2節となった今節までの両者の立場を整理します。 

 

 まずは、札幌。

 それまでの独走が嘘のように直近5節で1勝1分3敗で4ポイントしか積めず、2位松本に勝ち点で並ばれ、3位清水には3ポイント差まで迫られている首位札幌。

 アウェイ戦に限れば、7戦未勝利(最後に勝ったのは第26節維新公園でのレノファ山口戦)。4分3敗という戦績になっています。

 自動昇格を達成するには、今節の「アウェイ」ジェフ千葉戦での勝利は必須。首位には居ますが、心理的にはまさに追い込まれている状況と言えるかと。

 

 さて、ジェフ千葉

 第38節ホーム・長崎戦に引き分けたことで、今季の昇格はまたもついえました。それまで4連敗だった千葉ですが、長崎戦のドローを挟み、ホーム・セレッソ戦を3-0で完勝、アウェイ金沢戦は今季2度目の逆転勝利で連勝中。

 プレッシャーから解き放たれたからなのかは分かりませんが、特に若手の躍動によって良いリズムが漂っているのかなと。

 

 前回の札幌との対戦は、6月の第15節。先制しながら追いつかれる展開で2-2のドロー。それまで6連勝中だった札幌の連勝をアウェイ戦ながらジェフが止めたゲームになります。(前回対戦プレビューは下記↓)

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 本エントリのデータ比較は、上記前回のプレビューを踏襲しつつ、明日の90分を楽しむためのデータ可視化も加えてお送りします。

 

データは引き続きご覧の提供でお送りします↓

サッカーをデータで楽しむ | Football LAB[フットボールラボ]

成績・データ:Jリーグ.jp

※データはすべて、第40節終了時点

 

 まずは、アタッキングのスタッツ比較から。数値はシーズン平均となります。 

(実数と計算している指標とありますが、定義は前回プレビューをご覧ください (^^;) )

 

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 【図1 ゴールまでの各アタッキング指標 1試合あたり平均値比較

 

上記可視化は、ゴールまでの各アクション実数になります。アタッキングの各アクションのフロー/関係は、、

 ゴール < 枠内シュート < シュート < 30mライン進入回数 < 攻撃回数

のようになるかと。

それを「歩留り率」、前アクションを母として次アクションにどのくらいの割合で移行したかの効率のような指標に直したものが下記です。

 

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図2 ゴールまでの各アタッキング指標 1試合あたり平均歩留り率比較

 

 前回プレビュー時、13節までの比較ではここの可視化に差異が出ていて、特に「枠内シュート率」、「決定率」に札幌に比べてビハインドがありました。右に移行するほど相手の守備に阻まれることになるわけですが、枠内へのシュートとゴールを奪う部分でジェフは札幌に比べて弱さが見えていました。

 今回の比較では、「枠内シュート率」にはビハインドがありますが、「決定率」ではわずかに札幌を上回っている。

 シュートが枠に飛びさえすれば、札幌に引けを取らないくらいにゴールにはなっているという示唆なのかな、と(全ゴールのシチュエーションを補完するわけではありません。オウンゴールとか、この範疇ではなかったり)。

 

 続いて守備・ディフェンスのスタッツ比較。

 

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 【図3 1試合あたり平均被攻撃回数・被シュート数・被ゴール数 比較】

 

 守備に関しても、攻撃同様フローになってまして、、

 被ゴール数 < 被シュート数 < 被攻撃回数

 という構造。同歩留りにすると下記(2指標になりますが、、)

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図4 被ゴールまでの各指標 1試合あたり平均歩留り率比較

 

 被攻撃からシュートを打たれる割合、シュートが失点になる割合というものです。

被ゴール率」の差が顕著で、一概には言えませんが、GKのセービング能力、またはディフェンダーがブロックやコース限定をできているか等、最終局面での守備アクションの質の差なのかな、と。

 守備安定が昇格の第一要件とは、よく言われることですが、札幌が首位に立っている要因はやはり守備の強さということになるのかなと思います。被ゴールも1試合平均1を割る0.8ですから、札幌の強さは守備にあるとデータからも言えそうです。

 参考までに、守備時アクションのスタッツ比較も。

 

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図5 1試合あたり平均守備時アクション試行率

 

 守備のフロー、構造における、下記の部分の比較になります。

 

 被ゴール数 < 被シュート数 <{タックル/クリア/インターセプト< 被攻撃回数

 

 被攻撃とシュートにいかれるまでの間のアクション。札幌のクリア率インターセプトがやや高い。危機回避を優先しているということの示唆かもしれませんが、ジェフも長谷部監督になって以降、危機回避を優先している?という考察を別エントリでしていたりしますので、そちらも参照いただければと思います。

 

football-data-visualization.hatenablog.com

 

 と、ここまでは過去エントリに倣ったプレビュー&データ可視化。

 以下に明日の札幌戦を現地、または中継で観戦される方のガイド、楽しむためのコンテンツとしていただければ、、という思いで送る可視化をば。。 それぞれのデータから千葉、札幌それぞれの傾向を頭に入れて観戦すると、色々な気付きがあるかもしれません。。

 

 まずは、得点と失点、千葉、札幌それぞれのパターンを交差させて重ねた可視化から↓

 

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図6 2016シーズン得点&失点パターン構成比 交差比較

 

 左がジェフ千葉の今シーズン得点パターンの構成比。右が同失点。黄色がジェフで、赤が札幌。凡例を見ていただくと、千葉の得点と札幌の失点、千葉の失点と札幌の得点というグラフの重ね方であることがわかると思います。つまりそれぞれ、得意な得点パターンと苦手な失点パターンとが同軸になっているということ。

 まず、千葉の得点から見ていくと、最も多い得点パターンが「セットプレー」からのもの。あまりそうしたイメージがないのですが、実際はそのようです(^_^; 

 札幌の失点パターンも、意外に映るのですがこれまた「セットプレー」。翻って千葉の失点パターン、同札幌の得点パターンのトップも「セットプレー」で一致。明日のセットプレーの場面、チャンスもピンチも注視していきたい場面になるかと。

 ジェフの得点の次点が「クロス」からの得点。2試合連続ゴール中のオナイウがいずれもクロスからのゴールということで、ここも注目。ユナパでのトレーニングでもクロスからのアタッキングを確認したとのこと。その成果を本番に出せればというところ。

 失点についても次点がやはりクロスからのものなので、千葉、札幌それぞれクロスが上がったときの行方には要注意ですね。

 

 続いては時間帯経過毎の得失点傾向の比較。こちらは90分通してのゲームマネジメントの特徴を示すものになります。

 

 【表1 2016シーズン時間帯別得失点数比較

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 こちらはシーズン累積の実数になります。総得点数はジェフが50に対して、札幌は63。総失点数、同50対32。これが首位と11位の差、なのかなと。

 こちらを同時間帯経過軸にて構成比に直したものが下記の可視化。

 

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図7 2016シーズン時間帯別得失点構成比 交差比較

 

 こちらも図6と同様、交差になっていて、上側ジェフの得点分布と札幌失点分布の重ね。下側が同得点&失点の分布になります。

 ジェフは前半に「得点<失点」、後半に「得点>失点」という特徴が。翻って札幌はその逆の傾向にあることがわかるかと。

  アラートマークで示した箇所が特に要注目で、それぞれ、ジェフの得点、失点が顕著になっているタイムゾーン

 次のシチュエーション別の勝敗表との合わせで見てもらうと、より傾向が分かりやいかと思いますので、先に状況別勝敗表をば。

 

表2 2016シーズン ジェフ千葉 コンサドーレ札幌 状況別勝敗表
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 それぞれ今シーズンここまでの40節について、表頭にある状況毎に千葉、札幌それぞれの勝敗をカウントしています。

 図7、前半に失点が多いと述べたジェフから見ていくと、前半終了時ビハインドの場合1勝2分10敗という戦績。その1勝は前節金沢戦にあたります。札幌にとっては逆のシチュエーション、つまり前半終了時リードの場合の戦績でみると、札幌の勝率は89.5%。さらに札幌が先制点を取った場合の勝率は88.5%になります。同ジェフは64.7%と、リードするも勝ちきれないことがデータでも明らかに。

 ただ、前半終了時リードの場合に限れば、実は(意外ながら)ジェフも負け無しで勝率80.0%。

 先制点を取られた場合の戦績を見ると札幌も千葉も逆転勝利は1割ほど。前半終了時ビハインドの場合に限れば、札幌はなんと今季一度も勝利なし。

 

 表1、図7に戻ると、まず札幌の勝利パターンとしては、前半に先制点を上げ、あとは堅牢な守備で逃げ切るのがセオリー。

 対する千葉はマネジメントがそうなのか、癖、あるいは意図せずそういう傾向なのかは判然としませんが、前半スロー気味にゲームが推移し、後半得点してゲームが動くことが多いような。ただ、当然相手も息を吹き返したり、ギアチェンジをしてくるため出入りの激しい展開となって勝ったり負けたり、ちょっと安定しなかったジェフ。。

 また、ジェフは前半にビハインドを負うと後半からギアを上げたとしてもなかなかひっくり返せず、逃げ切られたり仕留めきれずポイントを稼げないパターンも多かったのかなと。

 最後の見どころとしては、今季のジェフ千葉アディショナルタイムの得点がやけに多いこと。シーズン終了後などに全チーム比較をしてみたいところですが、ジェフは最後の最後にゴールをこじ開ける展開が多かったようで…

 ともあれ、明日の札幌戦、ジェフ千葉にとっては先制点を与えないこと。特に逃げ切りを狙ってくる札幌は前半に主導権を握ろうとしてくるはず。そこを耐えて守りきれれば、後半ジェフが盛り返してゴールを上げる時間帯が訪れるやも…

 

 今季何度も劇的ゴールを上げているオナイウ、チームトップのスコアラー町田、そして今季ここまで全試合出場を続ける「成田の男」船山ら、札幌に引けを取らない攻撃陣がジェフには揃っている。

 札幌の都倉、ジュリーニョ、ヘイスら強力な攻撃陣に対しても、ベテランのドゥさん筆頭に若い乾、岡野が物怖じせずチャレンジして守ってくれるはず。

 そんな彼らを後押しするべく、明日は声を出して今シーズン最終戦を盛り上げましょう!

 

 ざっとジェフ千葉コンサドーレ札幌のデータ比較を上げてきましたが、これらデータはすべて過去のもの。今季両チームの傾向や特徴の一部分を表してはいるのかもしれませんが、サッカーの試合がそういったパターンやセオリーの通りになるのなら、なんとつまらないことか!(ここまで綴った内容全否定する一文だわ…)

 

 首位札幌と11位のジェフ千葉。あらゆるデータで差異、ビハインドはあるものの、明日の90分はそれら過去のデータを覆すような展開、または結末を期待したいと思います。

 ジェフは来季の昇格に向けて、既にスタートを切っているのだと思えば、どこが相手だろうとやはり負けられない試合。ホーム最終戦、勝利で飾ってセレモニーを迎えたいものです。

  それでは皆さん、明日はおらがホーム、フクダ電子アリーナで会いましょう!

 WIN BY ALL!!

 

では、また!

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