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【ロシアW杯アジア最終予選 UAE戦プレビュー】 歴代日本代表 最終予選初戦のスターティングイレブン 平均年齢とキャップ数 比較

ロシアW杯 アジア最終予選 第1戦 対UAE

RUSSIA 2018 ASIAN QUALIFIERS FINAL ROUND: JAPAN V UAE PREVIEW | AFC

 

夏休みが終わり、今日から新学期!

みんな宿題は終わったかな~?先生に提出しないと怒られるぞ~

 

さて、日本代表の宿題は、その出来栄えはいかほどか...生徒たちの力量を披露する機会がやってきました。

そう、2018年ロシアW杯最終予選。結果=出場権獲得が至上命題

ハリル先生の指導の賜物とやらを見届けようではありませんか。

 

SAMURAI BLUE(日本代表)メンバー発表記者会見

 

 ハリルホジッチ監督はこれまでの監督とは毛色が異なり、選手選考の理由や背景をかなり饒舌に話してくれる監督です。過去のものも含めて今回のメンバー発表会見でもバックアップメンバーについて触れることで、23名以外にも代表候補というグループがいること、どういう基準で見ているかをはっきり伝えています。

 加えて、会見後半のハリルホジッチ監督おなじみとなったプレゼンでも、Jリーグの守備の消極性と先般のEUROを通じ世界のトレンドに対しての日本サッカーとはどうあるべきか、そして主にフィジカル、フィットネスについての言及から日の丸を付けるに値する選手とは、といったことについて、長い時間と資料を交えて話しています。

 個人的にドイツW杯の惨敗からオシム監督が就任した2006年後半以降が、日本サッカーが世界のトレンドを見つつ現代化を目指しはじめた頃と思っていますが、オシム、岡田、ザッケローニ、(アギーレは置いておいて)そしてハリルホジッチ監督までで、ようやく10年という年月が経過しました。

 その間、ドイツ杯も含めれば14年ブラジル大会まで3大会に出場している(98年フランス大会を含め、02年自国開催を通じ5大会連続出場中)。

 最終予選の記憶も記録もW杯出場の実績とともに蓄積されているわけですが、先日気になる記事を見つけ、別角度からのデータをまとめてみたので本エントリに投稿。。

 

W杯最終予選に衝撃データ。日本は 初戦に勝たねば「予選敗退」濃厚 (webスポルティーバ) - Yahoo!ニュース

 

 . 06年ドイツ大会から14年ブラジル大会、そして今夜キックオフする18年ロシア大会まで、W杯最終予選初戦のスターティングイレブンの平均年齢、キャップ数を可視化しまして、ハリルホジッチ率いる日本代表のちょっと先の未来を展望したく思います。

 

    【表1 過去3大会&ロシアW杯最終予選 初戦 データまとめ】 

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 まずは振り返りから。右端今夜のゲームのものは私の勝手な予想です(笑)。

 こうしてみると最終予選の初戦はなかなかギリギリの戦いだったなぁ...と。ザッケローニ体制のホーム・オマーン戦は格の違いを見せつけた印象ですが、2005年の北朝鮮戦は途中出場の大黒のゴールで、バーレーン戦はアウェイの接戦をなんとかものにしたゲーム。

 本エントリで注目するのは、スタメンの「平均年齢」と「平均出場キャップ数」。

実はいずれも過去3大会を比較すると、上がっているんですね~。

これを散布図にするとわかりやすく、以下のとおり。

 

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図1 W杯最終予選初戦 日本代表スタメン 年齢とキャップ数 平均値の散布図

 

 見方は以前になでしこでも同様の分析・可視化をしてまして、そちらを参照ください。年齢は満年齢(誕生日を考慮、学年ではない)、出場キャップ数は最終予選の初戦直前までのものです。

 チームの成熟と新陳代謝、すなわち代表チームの世代と強度のサイクルとバランスが推察できる可視化と思っているのですが、我らがハリルJAPANは、ドイツ大会のジーコJAPANとくらべて年齢にして約1歳(27歳→28歳)、キャップ数にして約10試合、それぞれ上がってます。

 キャプテンの長谷部誠は、2008年のバーレーン戦、2012年のオマーン戦、そしておそらく今夜のUAE戦もスタメンで出るであろうことから、なんと3大会連続で最終予選の初戦のピッチに立つことに。彼一人をとっても代表の「成熟」を示す存在であると言えそうです。

 では、各大会毎にメンバーの同年齢・キャップ数の散布図を比較してみます。

 

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図2 2005年北朝鮮スターティングイレブン 年齢と出場キャップ数 散布図

 

 2005年の埼玉スタジアム。前述の大黒選手のゴールで辛くも勝利した北朝鮮戦。懐かしい面々が並んでいます。02年日韓大会の出場メンバー、00年シドニー五輪代表のメンバーで構成されています。平均年齢は26.9歳。全選手ともキャップ数は試合前の時点で二桁以上記録しています。

 

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図3 2008年バーレーンスターティングイレブン 年齢と出場キャップ数 散布図

 

 過去3大会で唯一初戦がアウェイだったバーレーン戦。3次予選で一度負けている相手で苦手意識があったような記憶があります。現在32歳となる長谷部もこの時は24歳。最年少は現在29歳の内田篤人でこの時20歳。アテネ五輪世代が中核となるも、楢崎をはじめ、中澤、中村俊輔、遠藤ら円熟のメンバーがチームを引っ張る存在として君臨しています。

 

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図4 2012年オマーンスターティングイレブン 年齢と出場キャップ数 散布図

 

 記憶にも新しいかと思いますが、ホームで滅法強かったザックJAPAN。レジェンド・遠藤保仁のキャップ数115試合が突出しています(彼を除くと平均キャップ数は37)。30代の選手も過去2大会に比べて一番多く、4名が名を連ねている。最年少は香川真司で23歳。本田、岡崎、長友の北京五輪世代の同級生もまだ26歳。多くは前年のアジアカップを制覇したメンバーで構成されています。

 

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図5 2016年UAEスターティングイレブン(予想) 年齢と出場キャップ数 散布図

 

 そして、今夜埼玉スタジアムのピッチに立つであろう11人。ボランチ柏木のコンディション不良、長友の離脱などありベストメンバーではないであろうハリルJAPAN。柏木に代わりリオ五輪の活躍で評価を上げた大島僚太、長友に代わり左利きの太田宏介を入れてみました。

 年齢の分布は20代後半~30代前半がほとんどで30代の選手は本田らを含め4名。キャップ数の分布でも大きくは2グループに分離していて、先代のザックJAPAN中核メンバーである香川、麻也らより右上のグループと、ザックJAPAN後期メンバー&14年ブラジル大会以降の選出メンバーらグループです。

 後者の多くはJリーグでの活躍が認められて代表入りしたグループ。このさらにあとにリオ五輪世代が食い込んでくるかどうか...といったところでしょうか。

 

 ハリルホジッチ監督が就任当初、長らく代表の司令塔を務めていた遠藤について言及。その際、彼の年齢について触れていて世代交代を進めるのかなと思いきや、今回のメンバー発表会見では中村憲剛をバックアップメンバーとして選出していると暗に示唆。中村憲剛遠藤保仁の一つ下の35歳。このハリルの決断をどう考えるか。。

 

 どこかの段階でリオ五輪世代やその少し上の世代、24、25歳の宇佐美や柴崎らプラチナ世代を組み入れるか。ボランチのファーストチョイスが翌年1月に33歳となる長谷部というのも、さらに2年後を見据えると後継者の目星をつけておきたいところ。

 とはいえ、若い世代で世界標準の能力、すなわち欧州トップリーグでスタメンを張れるほどの実力者は見当たらず。ドルトムント移籍1年目で中心選手として活躍した香川のような存在が今後現れるか。

 浅野に続いて、リオ五輪世代ら若い世代がどれだけ欧州へ活躍の場を移すか。久保や南野ら既に欧州中堅国のリーグからブンデスリーガやプレミアなどのクラブへステップアップできるか。Jリーグの守備の緩さから、欧州リーグとのそれとの差異を指摘したハリルのこと、"デュエル"はもとより球際で激しい攻防を繰り広げる欧州リーグで厳しい生存競争を生き抜く選手を重宝しそうな気配ですから、Jリーグに浸かっているよりも海外へ挑戦していく選手を好みそうではあるかと。

 

 と、本エントリの主旨とズレましたが、ひとまず年齢と出場キャップ数による可視化で現日本代表が過去の代表と比べ年齢的にも経験的にも円熟に達しつつあることがわかったかと。

 この先、つまり2年後の本大会を見据えるとやはりどこかで世代交代は起こってくるだろうなと思っています。30代、またはこれから30代に向かう多くの海外組はインターナショナルマッチデーの度に長い移動とミッドウィークを挟んでの国際試合を強いられる。

 年齢的、コンディション的にもあまり酷使できなくなってくるので、早いタイミングで若い世代が台頭してくれることを期待するしかありません。

 

 そういった意味で、今夜リオ五輪で活躍した大島僚太のような存在がピッチで活躍してくれることを願っています。

 

 さて、今夜はどんな結果になることやら...

 

では、また!!

 

 

 

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