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【感動したJ!】ロアッソ熊本のリーグ復帰戦を視て考える Jリーグの試合の”クオリティ”

明治安田生命 J2リーグ 第13節

ジェフ千葉 2 - 0 ロアッソ熊本

◆ハイライト(スカパー!J リーグ公式)

 

 2016年5月15日 J2リーグ第13節。

本来であればリーグ戦の単なるイチ・ホームゲームであったはずの今節。

ホームスタジアム・フクダ電子アリーナに迎えるは、ロアッソ熊本

この日、この試合はJリーグにとっても、ホストであるおらがジェフ千葉にとっても、そして何よりロアッソ熊本にとっても、忘れられない特別な日、特別なゲームになりました。

4月14日、および15日に起きた熊本地震の影響でリーグ戦はおろか、プロサッカークラブとして活動停止を余儀なくされ、この日アウェイのジェフ千葉戦がリーグ復帰戦となったロアッソ熊本

熊本にとって 約1ヶ月ぶりの公式戦がこの日の千葉戦となりました。

 熊本というと、まず思い出されるのはジェフの歴史にもその名を刻む選手、巻誠一郎のこと。

彼は生まれ故郷熊本のために、地震が起きて間もなく被災地のボランティア、復興支援のための活動をスタート。元日本代表ということもあり、その被災地支援の活動がメディアにも度々取り上げられていたりと、千葉サポーターはもとより全国的にその活動の様子は知られていました。

当日も熊本アウェイスタンド側には多くのメディアの姿、それらは皆巻を追いかけてのものだったかと。かつての巻のユニフォームを着ていた千葉サポーターをいつもより多く見かけました。

試合は町田の2ゴールでジェフ千葉が2-0の勝利。コンディションに明らかな差がありながら熊本の選手たちも大崩れはなく最後まで闘志を漲らせてピッチを駆けていました。巻は言うまでもなくフルスロットルでジェフにぶつかってきてましたね。

試合後、熊本の選手たちが全国からの支援に感謝を込めた横断幕を手にフクアリのスタジアムを一周。

その間、試合前から続く千葉サポーターによる熊本へのエールと拍手。

Jリーグが世界に誇れる美しい光景でした。

 

Jリーグの試合を現地で観ることの良さ、ひいては応援するクラブの勝敗を超えた、スタジアムに来るという体験の価値はなかなかその場にいないと伝わらないものだなと、熊本戦を現地フクアリで観戦し改めて思いました。

とはいえ、Jリーグ、プロサッカーリーグという興業・エンタテイメントとしての本質、コアとなる部分は間違いなくゲーム・試合にあるのも確か。

本来のサッカーの感動はひとつひとつのプレーに宿るものなのかなと。

 

本エントリは特に後者のJリーグの試合の質について、Jリーグの取組みとそれを測るデータについてのご紹介。

About J League | +Qualityプロジェクト

 上記「+Qualityプロジェクト」は試合自体の魅力向上のための取組みで、2012年からスタートしています(知っていましたか?)。

取組みの具体的な中身は、下記4つについての改善を各クラブ・選手で目指そうとうもの。

 ●簡単に倒れない、笛が鳴るまでプレーをやめない

 ●リスタートを早くする

 ●選手交代を早くする

 ●異議・遅延のゼロ

 ※前述リンク先より抜粋

 

本エントリでご紹介するのは、特に上記のうち下の3つについてのデータについてです(J2のもの)。 

明治安田生命 J2リーグ 各試合アクチュアルプレーイングタイム

明治安田生命 J2リーグ リスタートにかかった時間(pdf)

明治安田生命 J2リーグ 反則ポイント一覧

クラブ毎、節毎の詳細は上記リンク先を見ていただくとして、ひとまずアクチュアルプレーイングタイムにフォーカスしてご紹介します。

 

◆平均アクチュアルプレーイングタイム :約52分 (第12節終了時点)

【アクチュアルプレーイングタイム 定義】
 試合開始から終了までに、実際にプレーされた時間を指す。アウトオブプレーやファウルなどで試合が止まり、セットプレーやスローインなどで試合が再開するまでの時間を差し引いて算出される。

 

このアクチュアルプレーイングタイムのJ2リーグ平均との差分をクラブ毎に集計したものが下記です。

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図1 J2リーグ クラブ別アクチュアルプレーイングタイム リーグ平均値との差分

※第12節終了時点・開催中止の試合を除く

 

もっとも長いプレー時間なのが清水でプラス5分弱程度。反対にもっとも実プレー時間が短いのが町田でマイナス5分20秒。

試合は相手チームがあることなので単純比較はできませんが、清水と町田の試合ではざっと比較すると実に約10分もプレー時間に差があるということ。

90分の試合で平均52分しか実際にはプレーしていないというのも、「アレ?!」と思われるかもですが、そこからプラスマイナス10分も差があるとなると、同じサッカーの試合だと言われても観ていてかなり印象は違ってくるのかなと。

リスタートの数値を見ても、ラインアウトからゴールキックまで約25秒、同コーナーキックまでが32秒、選手交代には23秒それぞれ平均して擁している。

それぞれ勝っている時と負けている時とでは、前者のシチュエーションの方が自明ながら時間をかける傾向に。「時間の使い方」の巧拙、またはフェアプレーというのはこうしたデータに現れるのかもしれません。

 

フェアプレーということでもうひとつ。 反則ポイントの一覧右端に「警告・退場・退席なし試合数」というものがあり、現時点では松本、岡山の5試合がベスト、岐阜の1試合がワースト。

これはファウル数と比例するのかなと思われますが、やはりファウルで試合が止まることなくカードも出ないクリーンな試合を観たいものです。

 

Jリーグの魅力、スタジアムに赴いて現地観戦する良さって何だ?サッカーの感動って??というところから端を発した本エントリでしたが、なかなか新しい発見があって個人的にはまとめてみてよかったなーと。

リーグ復帰したロアッソ熊本の逆襲、巻の活躍を期待しつつ、おらがジェフ千葉の上位浮上も当然期待しながら本エントリを閉じたいと思います。

 

では、また!!

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