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【ジェフ千葉】愛媛FC戦プレビュー ~祝・ラリベイ選手第一子誕生記念/歴代外国人ストライカーたちの仕事っぷりをデータで比較しました~

   2017明治安田生命J2リーグ 第25節
  愛媛FC - ジェフユナイテッド千葉

  2017/7/29(Sat) 19:00 K.O / ニンジニアスタジアム

 


【公式】プレビュー:愛媛FCvsジェフユナイテッド千葉 明治安田生命J2リーグ 第25節 2017/7/29

 

 これでホーム連続無敗記録は12試合に。これは、かのオシム監督をも超える記録になります。

 「アウェイが課題」なのは例年通りですが、フクアリで負けないというのは、過去シーズンと比べて小さくない変化でしょう。サポーターの熱き「愛と勇気と情熱(パシオン)」が選手を後押ししている事もまた、決して小さくないチカラになっているかと。

 さて課題のアウェイは今節、次節と四国2連戦になります。

 愛媛FCとは5月末の対戦以来、ちょうど2ヶ月ぶりの対戦。その時は愛媛の方が千葉より上位にいましたが、今はおらが千葉が上位。

 愛媛はここ6試合勝利から遠ざかっており、再起を掛けた一戦としてこの千葉戦を位置付けているでしょう。

 

 愛媛の分析を真面目にやろうかとも思いましたが、今週は嬉しいニュースがあったので、祝福とリスペクトの意味を込めて、テーマを変更。

 

jefunited.co.jp

 

 という訳で、おらがジェフユナイテッド千葉のストライカー・ラリベイをピックアップしての、「助っ人外国人ストライカー研究」をお届けします。

 データはご覧の提供でお送りします。

J. League Data Site

 

 【歴代助っ人外国人ストライカーの面々

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 まず、ことばの定義としてここで言っている「ストライカー」とは、ゴールゲッター/点取り屋の事を指します。
 この点取り屋役として外国人選手を雇うことは、Jリーグに限らず欧州リーグでも普通になされているわけですが、おらがジェフユナイテッド千葉が属するJ2リーグでは、「昇格」という目標達成に対する貢献度で見ると、この助っ人外国人ストライカーの出来不出来による影響度がとても大きいと考えられています。
 
 J2における成功、つまりそれは「J1昇格」という事になりますが、それを成せるチームというのは、常にボールを保持し、ゲームを支配せずとも、破綻しない堅い守備組織を築き「負けない≒勝ち点を積み上げ続ける」戦い方をシーズン通じてできるチームを指します。
 堅い守備とゲーム支配を両立できれば良いに越した事は無いですが、J2は限られた予算の中で戦力を編成せねばならないチームが大半を占めるリーグですから、どちらを重視してリソースを割くかという判断に迫られた場合、「まずは守備」という方に傾くのはごく自然な事かなと。


 とはいえ、ボールを相手に握られて耐えて耐えての守り一辺倒ばかりでも昇格できる訳ではないのは自明。ボール保持を二の次にしているとすると、攻撃の機会や時間は限られますし、ゴールを奪う決定的チャンスも自ずと少なくなってくる。
 そうした少ないチャンスをきっちり沈めるというタスクを遂行するためには、優れた点取り屋が必要になります。
 日本人選手でも点取り屋はいますが決して多くいるわけではないですし、優れたストライカーは軒並みJ1か、海外リーグに所属しているもの。となると、どこから調達するかといえば、海外~即ち外国人選手という事になります。

 ジェフの話に戻しますと、他のJチームと変わりなくおらがジェフ千葉もまた伝統的にストライカー/点取り屋は外国人選手に頼ってきたチームと言えます。
 遡れば、オルデネビッツやバロン、ルーファーチェ・ヨンスがいましたし、J2となってからは13年に22得点を挙げたケンペスが思い浮かぶかと。

 今季、UAEリーグからJ2千葉に移籍加入となったラリベイを中心に、比較データが残っている直近数シーズンの歴代外国人ストライカーを下記の通り比較をしてみました。

 

 【表1】歴代ストライカーのカタログスペック

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 詳細データが取れていたのが、12年のオーロイからということで、ラリベイまでを含めた5選手について比較してみます(ケンペスは2シーズン)。
 まず、国籍、年齢、身長、体重といったカタログスペックから。


 身長は軒並み180cm以上。2m超えのオーロイは規格外ですが、センターフォワードにとって、高さはひとつの重要な要素と言えそうです。

 改めて気付いた共通点は5選手の年齢。
 入団時の年齢なので、学齢ではなく満年齢ですがほぼ皆30歳以上ということに。
 年齢もひとつの指標になるかと思いますが、何を測る指標なのかというと、私個人の見解を申しますとひとつは実績で、もうひとつはサラリー、つまり年俸ですね。
 
 実績の面ですが、30代でJリーグに初めてやってきたという事は自明ではありますが10代、20代を自国か日本以外の外国リーグで活躍したという事を表します。近年はJリーグの他チームで活躍し、一旦日本を離れて再び戻ってくるというパターンもあったりしますが、キャリアの大半は日本以外で過ごした選手がほとんどということ。

 30代で初めて日本にやってきた外国人ストライカーに対しては、日本以外のリーグで、10代20代どのくらいの実績を積んできたか、その選手の能力を推し量る意味で見ていくという事になるかと思います。 

 ラリベイの場合、出身はアルゼンチンですが、全盛期といえる年齢時は欧州のセリエAラ・リーガで実績を残してきました。シーズン序盤は「ラ・リーガで2年連続二桁得点」という実績と共によく紹介されていたかと思います。

 それら実績は即ち「期待」に変換されうるものでもあるのでしょうが、年齢を見る際はその選手が積み上げてきた仕事の跡と共に見るべきと思います。


 もうひとつ年俸の面では、実績とも紐付きますが30代を超えているということと大きく関係しています。

 30代ということは、ある意味ではピークを過ぎている、キャリアハイは既に打った後という見方ができるのではないかなと。

 それは即ち、現時点ではそこまで高い年俸ではなくなっているということ。

 それ故に、極東の2部リーグのチームであっても出せない額ではない相場で雇えるという事に繋がってくるのかなと。
 

 千葉の場合、アランダやペチュニクのように所属チームから給与が支払われていない状況に置かれた選手を獲得してきた実績がありますが、本人からしても家族がいながら生活が不安定になるよりも、多少レベルが落ちようとも給与未払いのような生活リスクが無い国でセカンドキャリアを過ごした方が良いと考える選手もいるでしょう。
 
 年俸、サラリーについては、欧州リーグでは未払い問題に加え、満足な額の契約にありつけないというケースも増えているらしく、一方のJリーグは「DAZNマネー」で選手編成に予算を回すチームも出てきていることから、双方の思惑がマッチして今後も有望な外国人選手がJリーグに移籍してくることも大いに考えられるかと思います。

 

 【表2】歴代ストライカーのゴールスタッツ

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 表2がストライカーの実績サマリでして、ゴール数やシュート数、その成功率などの数字。これらデータを眺めてふと思うのは、「優れたストライカーの条件」とは何かということ。


 優秀さを測る絶対的指標は、やはりゴール数ということになるでしょうか。
 

 13年のケンペスは出場38試合で22ゴールですから、普通に考えれば大活躍の一言。 ただ、成功率という指標に目を向けると、まだシーズン途中ではありながらもラリベイが2割を超える数値を記録しており、過去在籍した選手の中では最も優れた水準にあることが分かります。

 結果、数多くゴールを奪ってくれれば言うこと無しなのでしょうが、成功率が高くないということは、その分放ったシュートを外している、決めきれていないという事でもあります。

 言い方を変えれば、「ゴールできるチャンスを潰している」とも受け取れる。


 ストライカーと言ってもプレースタイルや特徴は様々、またゴール数やアシスト数を見てもその時のチーム戦術とも密接に関わる部分だと思いますから、ストライカーにまつわるデータを上げ連ねてみても、「優秀なストライカーの条件」を探るのはなかなか難しいなと。

 

【表3】歴代ストライカーの警告・退場・出場停止記録

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 表3は出場停止試合数を見たもの。

 得点源となる役割を担っているわけですから、累積警告などで出場停止となってしまうのは痛手以外の何ものでもない。ラリベイはいまのところ出停はありませんが、警告3枚でリーチが掛かっています。
 

 13年に22ゴールを上げたケンペスは、なんと4試合出場停止を食らっていました。もしこの4試合に出ていたら、もっとゴールを上げて勝利に貢献していたかもしれない。。
 そう考えると、警告を受けないというのも重要な指標かもしれません。
 フォワードはファーストディフェンダーでもありますし、空中戦やポストプレーなど相手ディフェンダーとの接触プレーが多くなるので、ファウル/被ファウルの頻度も自ずと増えるかと思います。
 そうした場面でも、カードを貰わない程度にうまくプレーする強かさを備えているかどうかも、ストライカーの資質のひとつと言えなくはないのかなと思います。

 

 【表4】歴代ストライカーの節毎ゴール数

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【図1】シーズン前半戦のゴール数推移

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【図2】シーズン後半戦のゴール数推移

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 表4はシーズン42節毎のゴール数の分布。
 図1と2はそれを時系列にシーズン前後半別にグラフ化したもの。


 ラリベイは初ゴールが第8節と遅かったことから、Twitterなんかでは「期待はずれ」のような意見も見られたり、その能力を疑っていたサポーターも少なくなかったかもしれません。


 しかし、昨季のエウトンが10ゴールで終えたのに対して、ラリベイは既に9ゴールをカウントしています。コンディション面やJ2への順応にやや時間を要したという見方がされていましたが、21節大分戦の2ゴールを契機に直近5試合で7ゴールとようやくエンジンがかかってきた様子。


 15年14ゴールを奪ったペチュニクのペースに既に追いついていますし、さらに加速してゴール量産を期待したいと思います。

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【図3】予想スターティング・フォーメーション

 

 今週、待望の愛娘が誕生し、ラリベイと選手たちとのゆりかごゴールパフォーマンスが期待される愛媛戦。ラリベイはワントップとして先発濃厚かと。

 前回対戦時はベンチに居ながら出場機会は無かったので、今節課題のアウェイを乗り越えるべく、自身のゴールでゆりかごパフォーマンスを奥様と娘さんに届けたいところでしょう。

 前節、前半途中で負傷してしまった右SB真希の代役が誰になるかも注目点。

 前回対戦では也真人とのトリッキーな連携からゴールを奪いましたし、攻撃のスイッチ役としても効果的な縦パスの起点として機能していた印象。大勝した長崎戦同様、愛媛との前回対戦時は真希の右SB/WBが存分に機能していただけに、代役の働き、その出来不出来も気になるポイントです。
 
 新加入の為田、矢田がベンチ入りするか、または出場があるのかも見所のひとつ。
 為田は金沢戦の終盤に投入され、左サイドからドリブルで仕掛けるシーンを作っていましたが、攻撃のアクセントとして期待されています。
 矢田は中盤3枚のどこかで起用が濃厚でしょうが、パスで味方を動かせて左利きという特徴が、どのような化学反応を生むのか非常に楽しみなタレントの一人です。


 愛媛は勝利から遠ざかってはいるものの、前節堅守を誇る松本の隙を逃さず後半1ゴール奪ってみせたように、粘り強く大崩れしない戦い方のできるチーム
 前回対戦時、「千葉を研究し尽くした」と語る間瀬監督が、今節ニンスタでの戦いでどのようなアレンジを仕込んでくるのかも焦点。

 失点続きな守備をどう手当てしてくるのか、それも攻撃に比重を置く千葉のアタッカー陣をどう封じてくるのか、特にセンターフォワードのラリベイのポイントをどう対策してくるのかを注目して見たいと思います。

 ラリベイのポストワークが機能するかしないかによって、両WGとインサイドハーフが効果的に相手ゾーンにボールを運べるかどうかが左右されてくるかと思うので、愛媛の中央の守備の締め方がハマるかどうかが、勝負の分水嶺になるのではないかと。

 

 加えて千葉は失点に直結する拙いミスを無くす事も求められます。
 後方で余計なパスを回すよりも、プレッシャーを受けた際は単純に蹴ってしまう事は決して悪い事ではありません。
 そうしてDFラインから大きく蹴られたボールを、前線のラリベイが巧みに収めてくれれば、千葉にとってより一層優位な展開に傾くことでしょう。

 再び連勝できる権利を得て臨む「課題のアウェイ」二連戦。
 「勝ち点3、さもなくば1」を取れる負けないサッカーこそが昇格への近道ながら、「勝ち点3か0」の勝つか負けるか、オール・オア・ナッシングなサッカーで戦うおらがジェフ。それは勝ち点2を捨ててでも1は拾うという事はせず、勇敢に常に勝ち点3を目指すというスタンスであろうかと。

失点もやむ無しのハイプレス&ハイラインを一の刃とすると、リードを奪ってからハーフウェイラインで構える中プレス&中ラインを二の刃として懐に忍ばせる柔軟な戦い方も見せつつあり、益々今後が楽しみで仕方ない。

 この先上位を伺っていくためには、「勝ち点0よりは最低1を」という結果も必要になってくる。常に3を狙うのは勿論、「勝ち点3を目指しながら、2pt分届かなかった」という結果であったとしても、決して後ろ向きになる必要は無いということを言っておきたいと思います。勝ち点1しか積めなくとも、順位が上る可能性はあるのですから。

 前節上位3チームが揃って敗れたように、完全な独走態勢にはなっていない超混戦のシーズンだからこそ、一つでも多くポイントを積み上げてこの団子状態に食らいついていくことが上位浮上の必須要件。

 

 この愛媛戦、次の徳島戦で勢いを付けて、真夏の戦いを駆け抜けていければと願っています。

 

 それでは、また!
 WIN BY ALL!!

 

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